skymaxです。
先日、自分の娘、息子と話をしていて驚いたことがあります。
同じクラスにもかかわらず、全く挨拶も話もしない人が、かなりいるようなのです。
もうクラス替えから半年以上経ちました。
仲の良い人のグループ内だけで親しくするのは、ある程度やむを得ないことだと思います。しかし、それも程度問題です。
クラス替えなどで親しい友人と別れ、新しいクラスに馴染めないことが、不登校の一因ではないでしょうか?
昔話になりますが、私の通ってきた小中学校では、当時は不登校はありませんでした。
今はかなりの不登校の子供がいます。
時代が違うのでしょうか?
子供の通う学校のPTAの集まりでも、不登校の児童・生徒の問題が話し合われたことを見たことがありません(私が話を切り出したことはありますが)。
他人のことにはあまり干渉しない…確かにそれは正しいと思いますが、クラスメイトはそれほど他人ではないと思います。
具体的にはどうするか?
…実は私にもよくわかりません。
ただ、私はまず挨拶から人間関係が始まると思っています。
まずは挨拶をすることから始めたらどうかと、子供たちに提案しました。
そこで挨拶をしないと、どうなるか…子供に数学的に説明してみました。
高校の数学で習うベクトル・行列がこの手の予測には向いています。
その行列の応用でマルコフ・チェーンで小中学生にもわかるように考えてみました。
マルコフ・チェーンの基本的な考え方は、同じようなことを繰り返すプロセスで、各現象の起こる確率は、その直前の状態のみによって決まるというものです。
実際の世の中ではマーケット・シェアの予測などに使われています。
今回はこれを学校のクラス替えにあてはめて、『友達づくり』について考えてみたいと思います。
ところが、私は携帯からこのブログを投稿しています。
そのため、行列式の入力・表示がままなりません。
小中学生にもわかるという意味からも、行列式は使わないで書きますので、多少ごちゃごちゃする点をお許しください。
まず、計算を簡略化するために、前提を極端にシンプルにしました。
娘のクラスを例にお話します。
クラスメイトを二種類に分けます。
�一方のグループを娘の友達の集団(A)。
もう一方は娘に無関心で、友達ではない集団(B)です。
�友情行為は『挨拶を交わす』ことのみとし、お互いに『挨拶を交わす』関係を『友人』とします。
�挨拶は娘の友人かどうかに関わらず、ある程度の割合で交わされているものとします。
�Aは娘からの挨拶に対し、9割の生徒が返事をするが、1割の生徒は無視するとします。
�Bは娘からの挨拶に対し、1割の生徒が返事をするが、9割の生徒は無視するとします。
�娘に挨拶を返した生徒はA集団に帰属(友人)とし、挨拶を返さない生徒はB集団(友人ではない)とみなします。
このような前提で、どの位の生徒が娘からの挨拶に応えて友人になり(A)、どの位の生徒が友人ではなくなる(B)か計算してみます。
この状態を行列式に書き、推移行列を求めてみます。
推移行列によってのみ、友人のシェアは決まるからです。
ここで行列式を展開しなければいけませんが、いきなり省略して推移行列を解いてみます。
均衡シェアをX∞とすると、下記の式で表されます。
X∞=0.9X∞-0.1X∞(1-X∞)
これを解くと、
X∞=0.5となってしまうのです。
つまりクラスの中で挨拶を交わす友人集団Aは5割どまりということです。
もちろん、これは極端な結果で実際にはもっと複雑な要因がからみあいます。
数値計算のモデルはある条件な仮定のもとで未来を予測するだけです。
しかし、単純な挨拶でも、ただ繰り返すだけでこのような結果になってしまうことがわかります。
ではどうやってこの予測を覆すか?
それは『友人をつくる努力をしなければならない』…という当たり前の結論に行き着きます。
もちろん、挨拶だけが友情行為ではありません。
ただこの計算は何もしなければ、均衡シェアにおちついたクラスが生まれることを教えてくれています。
方法は色々あります。
大切なことは、何もしなければ均衡シェアに落ち着く可能性があり、そのシェアからはみ出してしまった生徒が出る可能性があるということです。