田中哲雄です。
中国古典を研究しています。
【吾(われ)、日(ひ)に吾(わが)身(み)を三省(さんせい)す】……論語(ろんご)(学而(がくじ)第一(だいいち))
(訳…私は、毎日三つのことを反省して自らを戒め、向上するように努力している)
~ 三省(さんせい)(三つの反省)とは次のことをいいます。
1.【人(ひと)の為(ため)に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか】(人から相談された時、真心を持って誠実に対応したか)
2.【朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか】(友人と交際中に、信義を欠くようなことはなかったか)
3.【習(なら)わざるを伝(つた)えしか】(一寸勉強して、知ったか振りをして人に教えなかったか)
この【習(なら)わざるを伝(つた)えしか】こそ、私に忠告しているようです。反省!!
私は、この【吾(われ)、日(ひ)に吾(わが)身(み)を三省(さんせい)す】という言葉は、社会人とってとても大切な箴言(しんげん)故事(こじ)だと思っております。
いくつになっても、【反省の心】と、【素直な気持ち】を持ち続けたいものです。これこそ人格向上の根源である、と言っても決して過言ではありません。誰しも、自分は【良い習慣】をしていると思っていても、知らず知らずのうちに、【悪い習慣】になっていないとも限りません。
そこに人が注意してくれた時、いかに【反省】と【素直】の気持ちになれるかです。【悪い習慣】になっているということは、【素】が曲がっているということで、その【素】を真っ【直】ぐに戻す事が、【素直】ということです。
習慣には【良い習慣】と【悪い習慣】がある。【良い習慣】は天子であり、【悪い習慣】は化け物である、とシェックスピアが説いてます。
さて、当会の「伝習会(でんしゅうかい)」の名称も、中国の故事を習い伝えていこう、という趣旨で、この【習(なら)わざるを伝(つた)えしか】から名付けました。
また、【三省堂(さんせいどう)】の名称もここが出典です。~