笠井です。
5月18日(土)の市政勉強会では、「川口町との合併」についてのこれまでの経緯を、関議員から説明してもらった。
以下は、経緯説明と長岡市側の意見である。
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「川口町との合併について」
「合併すれば国からボーナスが出るよ」という制度に乗って、合併は各地で劇的に進んだ。
これが、「平成の大合併」である。
長岡は旧長岡市を入れて10市町村の大合併を行なった。
川口町の場合は、、、
県から「小千谷と合併したらどうか」と指導(強制力のない)が入ったが、その際の川口町側の回答は「NO」。
その後、中越地震が起こった。
そして、川口町は壊滅的な被害を受けた。
その後、町長が変わった。
新町長の岡村さんは「長岡との合併」の方向を示して選挙を戦い、そして当選。
その後の住民アンケートでも「長岡派」が多数を占めるに至った。
これまでに、町長と議長が三度にわたって長岡市を訪れて合併の申し入れをされた。
長岡市長はそれに対して、YesでもNoでもなく、はっきりとした返事をしない状態を続けてきたが、
議会から「小さいとは言え、自治体が正式に申し入れを行なってきたのだから、何がしかアクションを起こさなくてはいけないのでは!?」と質問されたことなどもあり、昨年の12月、市長が議会に説明を行なった。
そこでは、川口町との合併協議に入るための条件についての市長の考えが述べられた。
合併協議に入るには3つの条件がある。
一つは「川口町の自助努力」。
地震以前に作ってきた借金に関して改善努力が行われていて、財政が健全化されているかが分かる状態になっていること。
二つ目は、新潟県からの支援が物心両面にわたって得られるということ。
以前の大合併の際には国からのボーナスがあったが、それはもうじきなくなるので、他から支援がほしい。=新潟県からの支援がほしい。
三つ目は、長岡市議会がOKと言うか?ということ。
この三つが揃うかどうかが協議に入るための条件であるというのだ。
その後、市長は、県の支援の可能性を探るために県知事を訪ねたり、真中に挟まれる自治体である小千谷市の市長を訪ねたりなど…経緯の後、
3月27日、議員協議会において「合併協議に入りたい」という長岡市長からの意思表示があった。
合併協議の方法としては3種類ほどある。
「法定協議会」「任意協議会」「合併研究会」
一番強制力が強いのが「法定協議会」で、弱いのが「合併研究会」。
長岡市の場合は、「合併研究会」の選択肢を選び、4月の一ヶ月間、合併に関する協議が行われた。
その際に発表された資料のデータを見る限り、それまでいろいろと市民なり議会なりで議論されていた[心配ごと]が“それほどでもない”ということが判り、そこで「正式に合併協議会を立ち上げたい」ということになった。
しかし合併協議会を立ち上げるとなれば、それなりに予算をつけなくてはならない。
これから補正予算をつける。
●[心配ごと]とは何だったのか?
・「飛び地である」ということを懸念する声が多かった。
飛び地合併は全国で12市町ある。
長岡市はその自治体に電話で問合せを行い、飛び地合併の良い点や悪い点を訊ねたところ、
「距離が離れているから、一体感の形成に苦労している」などの回答もあったが、概して、「飛び地だからと言って、どうってことはない」というような回答がほとんどだったと言う。
さらに長岡市は、実際に飛び地合併している自治体を訪ね、現地調査を行なった。
訪問地は群馬県の桐生市。
桐生市側の回答も「飛び地だからと言って、ものすごい支障があるということはありません」というものだったという。
真中に挟まっている「みどり市」にも訪ねて話を聞いてきたが、そこからの回答も「特に問題は感じていない」というものだったらしい。
よく話を聴いてみると、みどり市自体もそもそも実質「飛び地」のようなもので、、、
と言うのは、市内を走る幹線道路がいったん他の市に入っているため、市内を縦断するのに他の市を通らねばならないといった状況だからということだ。
長岡市役所から寺泊支所や小国支所へ行くのと、川口支所に行くのは何ら時間的には変わらない。
そう考えれば、飛び地だからと言って、それを特に問題視する必要はないのでは!?
(何度も言うようですが、私の意見ではなく、長岡市からこういう説明があったということです)
●川口町の借入金について
交付税算入率の割合が70%以上の起債が全体の72.3%を占めている。
「交付税率70%」ということは、分かりやすく言うと、借金をした時、その内の70%は国が面倒みてくれるということで、
川口町の借入金は、額こそ大きいが、中身はそういった言わば「有利な借金」なので、合併した際にもそれほどの負担にならないだろう。
借入金の内容
・過疎債:人口がどんどん流出していて、それが、ある一定ライン以上を超えた場合に利用できる借入金
・災害復旧債 地震の復旧のための借入金。9割くらいは最終的に国が面倒みてくれる。額面は大きいが、実質はそれほどでもないと言える。
このように、川口町の場合は、他の市町村と比べても、「有利な借金」の割合が多いと言える。
しかし、一人あたりの正味借金額で見てみると、
川口町と合併すると、長岡市民一人当たりの正味の借金額は約3000円アップする。
●合併後にかかる費用について。
たとえば・・・
寺泊町とか中之島町は下水道の整備率が非常に低かった。
今は、そこに予算をつけている。
その点、川口町の場合は、
下水道の普及率は98.1%と相当高く、道路舗装率62.6%、水道普及率99.6%、さらに小中学校の統廃合はすでに実施済みであること、学校の耐震工事もほとんど終わっているし、斎場は新たな整備の必要なし
等々から、合併後には当面大きな投資の予定はないと見込まれる。
●長岡市財政への影響
19年度で見た場合は、川口町の占める割合は全体の3.8%。
21年度で見た場合は、それが2.2%になる。
予算規模は長岡市の1/50である。
川口町は「財政が悪い」とよく言われているが、
長岡と比べればかように規模が小さいから、そう考えれば大したことないのでは!?
財政の節減効果:年間2億円
町長、教育長、議員削減、各種委員削減、職員20人程度削減すれば 合計年間二億円節減できる。
川口町の地域資源によって長岡市としての魅力を向上させることも可能。
震源地は川口町にあるのだから、そういった観光政策に打って出ることもできる。
創造的復興の推進
新たな市民力による活力の向上。
震災を乗り越えた川口町民の強い市民力と地域直を得て、市民協働のまちづくりをさらに推進したい。
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合併することが良いことなのか、悪いことなのかは、
勉強会に出席させてもらっても、私には分からなかった。
しかし、
長岡市としては、「川口町との合併は問題なし」という一つの結論に向かっているように思えて、「川口町と合併したい」意向がありありと伺えます。
これからも、皆で、関心を持って見守っていきましょう。