桑原です。
祖父母の長寿を祝い親族が集まったのですが、芸人揃いの一族のため「一人一芸」というお達しがありました。
父に宴会で何をするのか聞くと「歌を歌う」とのことでした。
父は歌唱力ゼロなので芸というよりも罰ゲームだと思っておりました。
夜の宴会が始まり父の出番になりました。
テープレコーダーから流れてきたのはペピーノ・ガリアルディのガラスの部屋、いわゆるヒロシのテーマです。
いい忘れましたが父の名前は「ヒロシです」。
父は、マイクを握ってつぶやき始めました。
「ヒロシです。まだ、夢ちゃんが「ジジ」と呼んでくれないとです。まわりのもんばっかり言うとです。嬉しくなかとです。」
「ヒロシです。みっちゃん(母の妹)が夢ちゃんのプリクラを欲しがりません。ナッチ(飼い犬)のばかり欲しがります。信じられんとです。」
「ヒロシです。うちのばあちゃんがだんだん元気になってきました。おそろしき夢ちゃんパワーです。こっちの方がふけてくるとです。」
「ヒロシです。長岡のほうがジジばか、ババばかだと思っていましたが、熱海(妻の実家)はそれ以上です。負けるとです。」
「ヒロシです。まだ生まれて三ヶ月ですが、撮った写真が400枚になりました。一年後がコワいとです」。 「ヒロシです。ヒロシです。・・・・」
で、一同大爆笑。私も腹が痛くなるほど笑いました。
熾烈を極めた一族の演芸会ですが、タラコ唇のおしゃぶりをするという荒技を見せた娘の優勝で幕を閉じました。