薬物の使用で依存症や妄想や幻覚などの精神疾患に陥り、全国の病院で治療を受けた患者が、過去1年以内に主に使用した薬物は、危険ドラッグが35%で最も多く、覚醒剤を上回ったことが国立精神・神経医療研究センターなどによる2014年度の患者実態調査で分かった。
危険ドラッグは乱用者が交通事故を起こすなどの問題を起こし、警察が取り締まりを強化しているが、医療現場でも対応を迫られている実態が浮き彫りになった。
調査は昨年9~10月、精神科病床を持つ1598病院を対象に行われ、1201病院から回答を得た。同調査は2年ごとに実施している。
報告された薬物使用による精神疾患患者は1579例。今回の調査では初めて「過去1年以内に薬物を使用した患者」について分析。これらの患者1019例が使用した薬物は、危険ドラッグが35%を占め、最も多かった。覚醒剤は27%、睡眠薬などの処方薬は17%だった。危険ドラッグは覚醒剤に比べ入手しやすく、依存性が強いためとみられる。
危険ドラッグ使用者では、76%が薬物依存症の状態にあり、覚醒剤使用者の56%を上回った。
調査対象の中には、治療中の20歳代の男性が危険ドラッグを使用し、けいれん発作で運ばれた救命救急センターを退院してすぐに危険ドラッグを使い、問題行動を繰り返した例があった。警察庁のまとめによると、2014年に危険ドラッグが原因とみられる死者は112人に上る。
治療体制の整備は遅れている。薬物使用による精神疾患患者全体でみると、カウンセリングなど依存症の専門治療を受けた患者は39%にとどまった。
(2015年4月7日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=117075
ここ最近、全国的に子どもを狙った犯罪が目立ち、小さい子どもを育てる親は不安が尽きないことでしょう。親の目の行き届かない登下校中や、子どもがひとりで外出する際など、「万が一のことが起こったらどうしよう……」と思ってしまいますよね。
親にとって子どもはかけがえのないもの。何とかして危険な目には遭わせたくないですよね。
そこで今回は、ネットで話題の動画を参考に、大切な我が子を守るため、家族みんなでチェックしておきたいポイントについてまとめました。
■我が子が迷子に!……あなたならどうする?
“家族でつながる”アプリ『Life360』の動画をご覧になったことありますか?
迷子になってしまった妹を必死に探す母。一人ぼっちでうずくまっている妹の隣にかけつけたのは……? 家族の大切さを改めて感じる感動ストーリー。この結末は是非動画をご覧ください。
今回の動画のように、子どもが迷子になってしまうことはどの家庭にも起こりうること。また、通学途中に不審者に遭ったり、突然の災害に見舞われたりする事態が起こることもあります。
そんな事態に対処するためには、あらかじめどのような備えが考えられるでしょうか。
■子どもの安全を守る3つの備えとは?
(1)家族で緊急集合場所を決めておく
緊急事態が起きてしまったとき、家族であらかじめ緊急集合場所を決めておくことはとても大切。近所の公園、小学校、児童館……安全性の確保された場所を集合場所に決めておくと安心ですね。
(2)自動通知サービスを活用する
最近では、子どもが習い事の場所に到着したら自動で知らせてくれるサービスがありますよね。改札を通過したら通知を送ってくれるサービスもあります。
このように子どもの“出発”や“到着”を自動的に知らせてくれるサービスを活用すれば、こちらから居場所を聞かなくてもいいのでとても便利です。
(3)万が一の場合に備えて“非常ベル”を持たせておく
誰もいない夜道で不安なときや、助けが必要なときなどに利用できる“非常ベル”を持たせておくことも大切です。大きな音で危険を周囲に知らせてくれるので、子ども自身が周囲に助けを求める余裕がなくても、誰かが気づいてくれるでしょう。
考えられる備え3つをご紹介させて頂きましたが、3つを徹底するとなるとなかなか難しいものです。そこで、次にそのような3つの備えを全て解決し、大切な家族を守るアプリをご紹介します。
■家族の安全を守るアプリって?
この動画で登場するアプリ『Life360』は、家族や友達など登録者同士をグループとして登録し、お互いの居場所をリアルタイムで把握できる無料アプリ。
子どもに持たせたスマートフォンで位置情報がわかることから、米国のファミリー層を中心に支持され、すでに全世界で5,000万ものグループに利用されているのだとか! キャリア関係なく使えるので、パパとママで異なるキャリアを使用している場合でも大丈夫です。
とくに注目すべきなのが、今回の動画でも登場する“緊急通知機能”。助けが必要なとき、“緊急ボタン”を押すと、ワンタップで家族に助けを求める通知を届けることができます。
このアプリをスマホにダウンロードしておけば、離れたところにいても、子どもの安全を守ることができますね。
なお、2015年4月以降には、警察機関から提供された犯罪発生地域を地図に表示する機能も搭載されるそうですよ。
大切な我が子を守るには、普段の備えが最も大切。緊急時に「対策しておけばよかった……」なんて後悔することのないよう、家族みんなでチェックしておきましょう!
http://wooris.jp/archives/132565
同性愛者と聞くと、「オネエ」とか「オカマ」などと言われる同性愛者について思い浮かべる方が多いかと思われます。なんだか特別な人たちのように思えますが、もちろん普通に生活している同性愛者はたくさんいるんです。
「セクシャルマイノリティ」とも呼ばれる同性愛者は、カップルでアパートが借りられない、パートナーが病院に入院したのに家族でないと言われ面会させてもらえないなど、異性愛者に比べて不利益を被ることも多いそうです。
そんな理不尽な状況に苦しんでいる同性愛者のために、渋谷区は2015年3月、同性カップルにも「結婚相当の関係であることを証明する証明書」を発行すると発表されました。
この証明書については様々な意見があり、議論が盛んですが、2015年3月31日に原案どおり可決され、2015年4月1日より施行される見通しとなっています。
今回は、渋谷区の同性カップル・パートナーに関する条例についてご紹介します。
渋谷区で成立する同性カップル・パートナーに関する条例は、正式には「結婚に相当する関係を認めるパートナーシップ証明書」を発行する制度を含む条例です。この証明書を持っているカップルは、渋谷区内ではパートナーを配偶者と同等の立場として扱ってもらうことができます。
あくまでも「条例」ですので、渋谷区以外では効力はありません。また法的な効力も存在しないので、強制力はありません。
パートナーシップ証明書を持つことは、結婚をすることではありません。あくまでも、結婚相当の関係があることを認めるというものです。日本の民法上の「婚姻」による様々な効力や義務は一切発生しません。
そのため、民法上の「婚姻関係」があるとは言えませんが、日常生活を共有する仲である同性カップルが公的機関に結婚相当の権利があることを認めてもらえることには変わりがありません。社会的には結婚しているとみても問題ないと思われます。
証明書を持った同性カップルは、渋谷区の公的施設や不動産の契約等において、婚姻しているカップルと同等の扱いを受けることができます。また渋谷区の住民や施設は、パートナーシップ証明書をもった同性カップルに対しては、そのパートナーを配偶者として扱うように求められます。
渋谷区の住民や施設は、条例に協力するよう区から要請をうけます。
また、現在渋谷区以外に同性カップルやパートナーに関する条例は存在しないため、全国から同性愛者の方が渋谷区に移住することが考えられ、渋谷区の人口が増加すると考えられます。
残念ながら同性婚を認める条例はできないかと思われます。
確かに今回の「パートナーシップ証明書」の成立に代表されるように、同性間での婚姻を認めていこうという機運は高まってきているといえます。
しかしながら、そもそも婚姻は条例によって制度化されているものではなく、「憲法」によって保障されている権利です。憲法24条では婚姻について「両性の合意に基づいて成立し、……」と規定されているため、憲法によって保障を受けられる婚姻は異性婚であるとするのが一般的です。
そのため、異性婚と全く同じ権利を認める同性婚は、条例で定めることはできないと考えられます。
条例は憲法に明白に反することはできない決まりです。そのため、同性の婚姻を認めることは条例ではできません。
同性愛者は、日本全国民の約1~10%いると言われています。同性愛者であることを家族や周りの友達に打ち明けられず、精神的に自分を追い込んでしまう方も多くいるそうです。
多数派である異性愛者にとっては、性的少数者である同性愛者に対する理解がまだまだ不十分な部分が多いのかもしれません。
今回の条例は、「性的少数者」と呼ばれる同性愛者の方々のことを受け入れる機会になるかもしれません。彼ら彼女らが幸福になれるよう、後押しできる社会になるといいですね。
(image by PresenPic)
トレンドマイクロ株式会社は30日、家庭用ルーターにログインしてLAN内の機器の情報を収集する不正プログラムを確認したとして、注意を喚起した。
トレンドマイクロが3月に確認した不正プログラム「TROJ_VICEPASS.A」は、Flash Playerの修正プログラムを装ってユーザーに実行させようとするもの。実行されると、家庭用ルーターに特定のIDとパスワードの組み合わせを使ってロ グインを試み、ログインに成功するとさらにネットワークをスキャンし、接続されたLAN内の機器の情報を収集する。
不正プログラムは主にルーターに関する文字列をスキャンし、HTTP接続を利用する機器を検索しようとするが、iPhoneやiPadといったHTTP接続の管理コンソールを持たないApple製品についても検索するという。
スキャンが完了すると、不正プログラムは結果を暗号化して外部のC&Cサーバーに送信し、送信後に自身を削除して、痕跡を消去する。
トレンドマイクロでは、この不正プログラムは、より大規模な攻撃のための「偵察」として、サイバー犯罪者に利用された可能性があると 説明。より深刻な攻撃への第1段階として、収集した情報は保存され、ウェブサイトにスクリプトなどを組み込むことにより、別のウェブサイトでユーザーに操 作させるクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)を用いた攻撃に利用される可能性があるとしている。
また、今回の事例は、一見標的にならなそうな機器も保護の必要があることを示しているとして、ユーザーに対してはルーターの初期設定のログインパスワードを必ず変更するよう呼び掛けている。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150330_695355.html?ref=twrank&utm_content=rank-pc-top&utm_campaign=twrank&utm_source=internet.watch.impress.co.jp&utm_medium=content-text
ヤフーは3月31日、検索結果ページに表示される情報の削除について定めた基準の運用を開始した。基準は、同社が2014年11月に設置した「検索 結果とプライバシーに関する有識者会議」で検討してきたもので、インターネット上に自己のプライバシーに関する情報が掲載されていると感じる人から検索結 果の非表示措置の申告を受けた場合の対応方針を示す。同社が削除基準を公にするのは初めて。
ヤフーは、被害申告者が非表示を求める情報について、その情報を公開しない被害申告者の法的利益とその情報を公表する理由との比較衡量を行う。個 別の事案に応じて、被害申告者の属性(公職者か否か、成年か未成年かなど)、記載された情報、当該情報の社会的意義や関心の程度、当該情報の掲載時からの 時の経過などを考慮する。
検索結果の表示内容自体から、リンク先ページの記載を見るまでもなく権利侵害が明白に認められる場合は、当該権利侵害記載部分について、検索キーワードを限定した上で非表示措置を講じる。
権利侵害が明白に認められる場合の具体例は、(1)特に理由なく一般人の氏名および住所や電話番号などが掲載されている場合、(2)特に理由なく 一般人の氏名および家庭に関する詳細な情報が掲載されている場合、(3)一般人の氏名および秘匿の要請が強い情報(病歴など)に関する情報が掲載されてい る場合、(4)既に長期間経過した過去の軽微な犯罪に関する情報が掲載されている場合――といったものだ。
被害申告者からリンク先ページ管理者またはプロパイダに対して削除を命じる裁判所の判決(または決定)の提出を受けた場合には、原則として非表示 措置を講じる。被害申告者からその判決(または決定)の提出がない場合でも、リンク先ページの記載から権利侵害の明白性ならびに当該侵害の重大性または非 表示措置の緊急性があるとヤフーが認めた場合は、例外的に非表示措置を講じる。なお検索キーワードの限定はしないという。
具体的には、(1)特定人の生命、身体に対する具体的・現実的危険を生じさせうる情報が掲載されている場合、(2)第三者の閲覧を前提としていない私的な性的動画像が掲載されている場合。
ヤフー執行役員社長室長の別所直哉氏によれば、同社はこれまでも同様の申告に対して個別に対応してきた。今回の新基準はそれを明文化したものであ り、ヤフーの対応が大きく変わるわけではないという。なお、これはヤフーの対応方針であって、これに反した場合に直ちにヤフーに法的責任が生じるものでは ない。
「表現の自由や知る権利とプライバシーの保護とのバランスをとり、慎重に判断する必要がある。どこに支点を持ってくるのかが重要」(別所氏)。
http://japan.cnet.com/news/service/35062495/
インターネットや電話等を介した通信販売(以下、「通販」)の継続的な成長に合わせるように、購入商品を運送するための宅配便も、その規模は拡大の一途をたどっています。
一般的に、通販で消費者が購入した商品の運送には、主に運送事業者による宅配便やメール便が用いられています。しかし、遅延・破損・紛失等、およそ宅配便を利用する上で起きる様々なトラブルが「消費者トラブルメール箱」や各地の消費生活センターに寄せられています。
これらのトラブルは、単に運送事業者の責任によるものだけではなく、通販事業者や消費者の取り組みと併せることで改善できる事例も存在しています。
そこで、相談事例やトラブルメール箱へ寄せられた情報を基に、運送事業・通販事業の両事業者団体へのヒアリングをふまえ、消費者トラブルを減らすため、消費者へのアドバイスと、事業者団体への要望を行いました。
図 宅配便サービスと、そのうち通信販売が関わる年度別相談件数
※…前年同月日との比較数値
(2015年2月20日までの登録分)
2009年度の宅配サービスの相談件数1,845件のうち通信販売が関わる相談件数は171件、2010年度は2,278件のうち242件、2011年度は2,014件のうち244件、2012年度は2,062件のうち213件、2013年度は2,632件のうち284件、2014年度は2,170件のうち260件(2013年度同月日の比較数値は227件)
宅配便サービスが関係する相談には様々な形があります。苦情の原因を見てみると、消費者・通販事業者・運送事業者それぞれに起因する事例が見当たります。
在庫管理が適切に行われることで欠品等による遅延を防げたり、配達日が指定されているケースについても、相応に早期の出荷が図られるなどで時間的余裕が確保されることになります。
運送時のトラブルを少しでも減らすため、消費者として取れる備えについて、次のとおりアドバイスを紹介します。
配達時のトラブルを防ぐため、通販業界・運送業界それぞれにおける対策の充実について、次のとおり要望します。
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150326_1.html
どんなキャリアルートをたどれば、人は「最高に」成長するのだろうか。それについてのヒントをくれるのが、スウェーデン発祥で家具小売り世界最大手のイケアだ。
イケア・ジャパンでは、2014年9月に「全従業員を正社員化」し話題になったが、それも従業員のキャリア開発の一環といっていいだろう。これ以外にも、イケアには一直線ではなく「ジャングルジム型」に進むキャリアプランといった、独特の「人を伸ばす」取り組みがある。なぜ、イケアはその方法を採るのか? 前回記事に続き、カントリーHRマネージャーの泉川玲香氏に「イケア流の秘密」について聞く。
※前回記事:「なぜイケアの人は活き活きとしているのか?」はこちら
イケア・ジャパンでは2014年から全従業員の正社員化を始めました。おかげさまでこれまでに多くの反響をいただいています。
日本企業にはあまりない制度のようで、よく質問をよくいただくので、少し経緯からお話しさせてください。
基本的にはイケアは、全世界で、全従業員を正社員化するというスタンスを取っています。しかし、実際にはイケアの海外店舗では正社員以外での雇用を行っている国も多いのです。イケアは世界28カ国に展開しており、それぞれの国に合わせた体制を行っていく必要があるからです。
実際、日本においても、外国からやってきた企業が突然、日本市場の慣習と大きく異なる制度を入れるのが、はたして日本を尊重するという意味で正しいのだろうかという議論がありました。そこで、最初はパートと正社員を分けていたのです。「郷に入っては郷に従え」と。
本格的に正社員化の方向で動き始めたのは、2年ほど前からです。日本進出10年を迎えつつあり、2014年で8店舗となって、日本の市場である程度、受け入れていただいたと考えました。さらに2020年に向けて14店舗、15店舗……というビジョンが見えてきた中で、「人に成長の機会を届けていきたい」ということを考えたときに、今の人事システムがイケア本来の思いとズレているのではないか、と感じるに至ったのです。
たとえば、週に15時間勤務の人がいたとします。その場合に、15時間しか働いていないから、もっと長時間働いている人に比べてお給料が違いますよとか、あなたに対してはあまり期待していないですよというのは、私たちの思いとは大きくズレているわけです。同じ仕事をしているのであれば、同じお給料を払うべきだし、その時間が週に40時間であろうと20時間であろうと、時間数によってその人の能力が変わるわけじゃない。そう思っていますから。
今回の正社員化制度の大きな骨子は、「同一労働同一賃金」です。パートタイマーという言葉はもう私たちにはありません。そして、有期雇用だったものを無期雇用に変えました。会社が従業員に対してかける期待値は全員に等しいのです。
たとえば、子どもを産んで職場に帰ってきた女性が、「子どもの面倒を見ることを優先したいから週に40時間は働けない」と言ったとしましょう。でも、だからといって、子どもを産んだその人の、“仕事をする能力”が落ちているわけではないですよね。男の人の例だとしたら、ひとりっ子で、自分の両親がいきなり2人とも倒れて介護をしなくてはならなくなったとしましょう。どうしても自分の時間を介護に充てたいので、これまで週40時間だったのを20時間で働くと。
イケア・ジャパンのこれまでの体制だと、こうした要望にすべて対応することは厳しかったかもしれませんが、今回の制度変更によって、各個人が自分のライフステージに合わせて、働く時間を調整することが可能になったのです。
社員一人ひとりが平等で、自分のワーク・ライフ・バランスをしっかり持ちながら生きる。それが最終的にはイケアの理念である「より快適な毎日をより多くの方に」ということにつながると思っています。
ライフステージは、人によって違いますよね。25歳で結婚して子どもを産む人もいれば、45歳になって伴侶を見つける人もいる。一生、ひとりでいたいと思う人もいる。多様な人たちが、男女、国籍、年齢にかかわらず、自分のライフステージに沿った働き方ができるようにしたいと思いました。いつでも、どこでも「成長できるよ」という思いを、制度に落とし込んでいるのです。
これまでパートタイマーだった人にも、ボーナスや年金がつきます。ただ、お正月とかゴールデンウィークのようなピークのときだけ、シーズンスタッフを採用させていただいています。なので、100%完全に正規雇用ではないのですが、ただ、理念としてはこれまでにお話したとおりです。
全従業員の正社員化は、私たちにとっては「投資」だと考えています。お店を建てるために土地を買うのは、ビジネスとして最終的におカネを生む場所と考えての投資ですよね。人におカネをかけるのも同じです。
なぜ投資するかといえば、最終的にその投資はお客様にとってもプラスになると信じるからです。従業員が伸びることは、お客様に喜んでもらえるサービスがもっと提供できるということ。お客様が増えれば、最終的に私たちの企業にリソースを返してくれる。その循環をすごく大事にしたいと思っています。
2012年や2013年ごろ、パートタイマーの離職率は30%前後でした。年や店舗によってかなり違いがあり、学生さんのアルバイトが多い店は離職率が高かったりするのですが、平均するとそのぐらい。一方、フルタイムで働いていた人の離職率は1.5%ほど。現在の制度がスタートして数カ月ですが、この数カ月だけ見ても、パートタイマーだった人たちの離職率は下がる傾向にあると思います。プラスに作用しているという感触を、十分に受けています。
さて、イケアでは、新しいポストにチャレンジするため、数年で人事異動をするという取り組みも行っています。2~5年ほどで、部署やポストを異動する制度です。
私自身も、人事マネジャーとしてイケアに入社しましたが、ストアの人事を2年、本社の人事を2年勤めて、その後はイケア新三郷のストア・マネジャーを4年間。その後で今、再び全体の人事をみています。
いろいろな部署を横断してキャリアを積んでいく理由は、たとえば、ある部署の人が次の人を育てた後でそのポジションを抜けると、次の人がそのポジションに就くことができます。そのポジションを抜けて次の部署へ行った人も、同じ部署内で次のポジションに就いた人も、次のポジションに就くことはコンフォートゾーンを抜けて次のステップを踏むこと。成長につながりますよね。
コンフォートゾーンにいてはいけないということではありませんし、9年間、同じ部署にいて成長をしている、という人もいます。ただ、ライフプランの中で大きく成長を求める時期であれば、次のポジションに挑戦することを奨励しています。
そんなに異動をすると、仕事の引き継ぎが大変では? その分がコストでは?と思われるかもしれませんが、そもそもそれがコストだという考え方をしないのがイケアです。何と言ったらいいか難しいところですが、トレーニングのようなものだと思います。成長するうえで、当たり前に行われなければいけないものだと考えているのです。
この制度が組織全体にもたらすメリットもあります。多くの従業員がいろいろな部署を経験していると、誰かが急に欠けたときに対応しやすいということがあります。本社勤務でも、ストアの人員が足りなければ急にキャッシャーやレストランの対応をするとか、そういうこともあります。チームワークがよくなるのです。
また、イケアのキャリアの描き方は「ジャングルジム」なのですね。横方向が部署で、縦方向がキャリア。同じ部署を一直線に上がっていくわけではなくて、いろいろな部署を平行に移動したり、少し上がったり、ライフプランによっては少しペースを落として下がったり。
……といっても、上がる下がるという言葉自体がおかしくて、マネジャーになることイコール「上がる」ということではないと思います。責任の範疇が重くなるから、それだけ支払われるということであって、それを選択するかしないかは、自分のキャリアをどこへ持っていきたいかによります。
それぞれの人間が異なるライフステージを行くときに、それを受容する受け皿が会社にはあります。それがジャングルジムです、そういうメッセージなのです。
「大学生の頃からイケアでアルバイトしていて、その後、チームリーダーになって、マネジャーになって、ストアマネジャーを目指します」という人がいてもいいし、「転職してストアの部長になりました。子どもを産んだけれど同じペースで仕事をします。子どもが大きくなったので、ストアマネジャーをやります。でもその後は、もう一度大学に戻りたいので少しペースを落とします」という人もいていいよと。
日本だと、大学を出たら就職するという人が大多数ですよね。でもスウェーデンなどでは、高校を出て大学に行かず、何年か仕事をしてから大学に行くという人がいたり。その人の選択次第なのですね。そういう考え方を、イケアではすごく尊重しています。だから、「私はこうしたいと思っているけれど、会社側としてはどのような選択肢がありますか?」と従業員がはっきり聞いたり、言ったりできるのです。そのことは、日本においてはユニークだと思われることも多いと感じますね。
今日も、育休中の女性社員から「復帰まであと半年ですけど、将来的な話をしたい」と言われて話をしてきました。お互いの意思確認やポジションの相談といったことです。復帰までの間、何度か話し合い、復帰に臨みます。
これまではマネジャーで短時間勤務を選んでいる人がいなかったのですが、昨年9月に短時間正社員制度を打ち出したので、これからはそれも変えていきたいですね。短時間勤務の正社員2人がストアマネジャーを務める、というような例をつくっていきたいと思っています。
(構成:小川たまか、撮影:梅谷秀司)
※次回は4月1日(水)に公開します
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-63084.html
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-63084.html?pageIndex=2
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-63084.html?pageIndex=3
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-63084.html?pageIndex=4
ここ数年で、様々な国の人が日本を訪れるようになりました。日本と外国の1番の違いは宗教かもしれません。お盆と正月を祝いながら、クリスマスを楽しんでいる日本人にとっては、宗教というのはなじみがあまりありませんが、外国には熱心に宗教を信仰している人がたくさんいます。これから、ますます外国から日本にやってくる人が増える中で、日本の文化を理解してもらうだけでなく、相手の文化を理解することも大切です。そこで、今回はいろいろな宗教の基礎知識を紹介したいと思います。東京オリンピックに向けて今後も外国からのお客さんが増えると予想されます。今のうちにしっかり宗教について知識を身につけておきましょう!
■ キリスト教
◎ 1:概要
全世界に20億人以上の信者を擁する、最大の宗教です。イエスはキリスト(救世主)であるとされ、神の子であるイエスによって人類の罪が許されたという一連の話が記された「新約聖書」が信仰の対象となっています。一方で、「旧約聖書」を教典とするユダヤ教ではイエスは救世主ではなく預言者とされています。
◎ 2:信仰されている国
・アメリカ
・南米
・イギリス、フランスなどのヨーロッパ諸国
・ロシア
・アジア
キリスト教は多くの国と地域で信仰されており、その数は世界人口の約1/3ほどにものぼります。同じキリスト教でも様々な宗派に分かれています。アメリカではプロテスタントが主流で、ヨーロッパではカトリックが多く、ロシアでは正教会が大半と、地域によって信仰している宗派が異なります。
◎ 3:戒律やタブー
キリスト教が全世界的に広まった背景として、食事などに厳しい制限がないということが1つの要因として考えられています。例えば、「汝殺すなかれ」や「汝隣人を愛せ」などの教えはありますが、具体的な戒律として、なにかを禁じられるということは基本的にありません。キリスト教徒には菜食主義の人もいますが、キリスト教の戒律だからというわけではないようです。性欲に任せた性行為は好ましくないものと考えられており、出産のための性行為が人間らしいと考えられています。また中絶に関しては、神からの授かり物である命を奪ってしまうということから厳しい見解を持っており、禁じられていることが多いです。13という数字が忌み嫌われる由来には諸説ありますが、イエスの最後の晩餐で、13番目の席に座ったユダによってイエスが裏切られたことに由来しているようです。ちなみにアメリカで多くの人が属しているプロテスタントでは、「天職」という概念が発達し、労働によって神に奉仕することができるという考えが、資本主義経済を成長させたという説があります。
◎ 4:宗派によっての違い
・カトリック
キリスト教の伝統的な宗派です。教会には神父や修道女がおり、生涯を通して結婚をしません。お祈り後に十字を切ったり、洗礼名があるのもカトリックの特徴です。ローマ法王を頂点に組織されています。
・プロテスタント
16世紀の宗教改革の際にカトリックから分派した宗派です。カトリックと違いプロテスタントとしての組織はなく、プロテスタントの中の宗派ごとに組織があります。プロテスタントの教会には牧師がおり、結婚することができます。洗礼名や十字を切るといったことはしません。
・正教会
聖職者のことを神品と呼びます。婚姻の禁止などをはじめとして、戒律が一切ないのが特徴です。聖書は神の言葉として重んじており、神品の教導から離れた解釈をしないように促します。正教会は、ロシア・ギリシア・日本などヨーロッパから見て東方面で多く信仰されているため、東方教会とも言われます。
■ イスラム教
◎ 1:概要
預言者ムハンマドを開祖とする世界的宗教です。コーランを経典としています。アッラーを信仰しており、イスラム教に帰依する人をムスリムといいます。一日に5回メッカに向かって礼拝をささげることや、食べられる食事などについて、戒律で厳しく定められています。教義は、神・天使・啓典・使途・来世・定命の六信と信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼の五行からなっています。また、偶像崇拝や女性の肌の露出など、様々な禁止事項があります。
◎ 2:信仰されている国
・アラブ諸国
・イラン
・トルコ
・パキスタン
・アフガニスタン
・旧ソ連中央アジア各国
・インドネシア
・マレーシア
中東を中心に広がっている宗教です。ヨーロッパの移民層や中国のウィグル自治区などでもイスラム教は盛んです。ただし、インドはイスラム教ではなくヒンドゥー教が盛んな地域です。
◎ 3:戒律やタブー
【食事】
イスラム教では、食べてよいものと食べてはいけないものを法令によって定めています。食べていいものを「ハラル」と呼び、細かく定めています。酒と豚肉を口にしてはいけないことは有名ですが、ハラル(食べてもよい)食材である鶏肉であっても、飼育方法や屠殺方法によってはハラルとならないことがあります。野菜類や魚介類は、毒のあるものなどを除いて基本的にハラルですが、国などの地域によって規定が微妙に異なっていることがあります。
【礼拝】
ムスリムは一日に5回、メッカに向かって礼拝(サラート)を行います。礼拝する場所は特に決まりはなく、時間などに余裕があれば礼拝堂(モスク)まで足を運ぶようです。また、礼拝にあたって、礼拝するところと礼拝者が清潔ではなければなりません。なので、礼拝に移る前に手や口を清める手水(ウドゥー)が行われます。
礼拝の時間
・明け方から日の出まで
・正午から昼過ぎまで
・昼過ぎから日没まで
・日没直後
・就寝前
日の出、日の入り、正午には礼拝をしてはいけません。また、旅行中などのやむをえない場合は、いくつかをまとめて行うことができます。
【断食】
ラマダーンと呼ばれる断食月は、イスラム暦の9月の新月を確認したその日から始まり、翌月の新月まで続きます。その間は、黎明(日の出の1時間20分ほど前)から日没まで飲食物(タバコを含む)をまったく口にしてはいけません。
【女性の服装】
ムスリムの女性は肌を露出することを禁じられています。なので、ヒジャブという布で首元などの肌を隠しています。最近は、カラフルなヒジャブが増えてきており、戒律を守りながらおしゃれを楽しむ人が増えてきているようです。
◎4:注意
「イスラム国」は、イラクとシリアのイスラム国(ISIS)という過激派武装組織を前身とする国家的組織です。イスラム教を基本原理としており、イスラム教のための国をつくろうとしています。独裁的な統治体制をしいており、いまだ多くの国から承認を得ていません。構成員はイスラム教徒ですが、イスラム教のすべてではありません。
■ ユダヤ教
◎ 1:概要
唯一神ヤハウェを神として信仰しています。選民思想やメシア信仰などの特色をもつ、ユダヤ人の民族宗教です。タナハと呼ばれる書物を聖典としており、これはキリスト教の旧約聖書にあたります。ただし、キリスト教とは書物の配列が異なっています。
◎ 2:信仰されている国
・イスラエル
・アメリカ
ユダヤ教徒が多数を占める国は、イスラエルしかありませんが、ユダヤ教徒は世界中に点在しています。アメリカはイスラエルについでユダヤ人の人口が多く、この二つの国に住むユダヤ人は全ユダヤ人の81%を占めています。
◎ 3:戒律やタブー
【食事】
ユダヤ教ではカシュルートという律法によって食べてよいものと食べてはいけないものが定められています。食べてよい食べ物は一般的にコシュールと呼ばれています。コシュール(食べてもよい)であるためには、動物なら草食動物で割れたひづめと反芻することが条件です。また、魚介類ならひれと鱗があることが条件です。つまり、ライオンなどの肉食動物はもちろん、豚は草食動物ですが、反芻しない動物なので食べることができません。魚介類では、エビ、貝類、タコなどは食べることができません。さらに、肉と乳製品を一緒に食べるのも戒律に違反するため、一方を食べたら数時間の間隔をあけなければもう一方を口にすることができません。ワインは古代において偶像崇拝によく用いられたため、厳格なユダヤ教徒は異教徒が触れたワインを口にすることはありません。ワイン以外の果実酒やウィスキーなどは問題ありません。
【安息日】
日曜日から始まる7日間を一週間として、最終日にあたる土曜日が安息日になります。ユダヤ教徒にとって安息日はとても重要な意味を持ち、日本人にとってのお盆や正月に近い感覚のようです。安息日に行ってはいけない仕事のことをメラハーといいます。タルムードという聖典の中で、39種類のメラハーが禁じられており、中には薬や車の使用なども禁じているものがありますが、解釈や優先順位によって例外を設けることがあるようです。
■ ヒンドゥー教
◎ 1:概要
インドやネパールで多数派を占める民族宗教で、世界で3番目に人口の多い宗教です。ヒンドゥー教の特徴はバラモン教の聖典から引き継がれたカースト制度や、土着の神々を吸収しながら形成されてきた多神教があげられます。業(カルマ)や輪廻(サンサーラ)などの独自の概念を持っています。また、ヒンドゥー教では河川崇拝が行われており、特にガンジス川はシヴァ神の身体を伝って流れ出た聖水とされています。
◎ 2:信仰されている国
・インド
・ネパール
・スリランカ
・インドネシア
ネパールは世界で唯一ヒンドゥー教を国教と定めている国です。また、インドは仏教発祥の地ですが、国民のほとんどがヒンドゥー教徒です。ヒンドゥー教徒はインドだけで約8億人の信者がおり、世界最大です。
◎ 3:戒律やタブー
【食事】
ヒンドゥー教では先祖の魂が動物の形に生まれ変わっているかもしれないという考えのもと、動物を食べたり殺したりすることを忌避しています。なので、肉全般、特に牛・豚、また魚介類や卵を食べずに野菜などを中心に食べる人が多いです。ただし、五葷(ごくん:ニンニク、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)と呼ばれる野菜類に関しては食べることが避けられます。肉食をする人もいますが、牛は神聖な動物として崇拝されており、食べる場合は鶏肉、羊肉、ヤギ肉などが一般的です。魚介類全般を忌避している場合は、鰹節の出汁なども対象になっています。ただし、食べる食材はカースト制度や社会的地位に影響されている部分もあり、異なるカーストにある人と食事することを良しとしない場合もあります。
【その他の風習】
頭は神の宿るところなので触ってはいけません。なので、例え相手が子どもだとしても頭をなでてはいけません。また、左手は不浄なもの(排泄物など)を触るためのものなので、握手などをする場合も右手を使います。足は不浄とされているので、靴や足が触れたら謝る風習があります。
■ 仏教
◎ 1:概要
日本人にもっともなじみ深い仏教ですが、厳格な仏教徒である日本人は少ないと思います。仏教はキリスト教、イスラム教と並んで世界三大仏教に数えられています。一般には仏陀の説いた教え、また自ら仏陀になるための教えであるとされています。仏教の世界観では人の一生は苦であり、永遠に続く輪廻から抜け出す(解脱)ことなどが目的とされています。また、因果論などの様々な教えがあります。
◎ 2:信仰する国
・タイ
・カンボジア
・ベトナム
・ビルマ
・スリランカ
・中国
・韓国
・タイ
・カンボジア
仏教を国教としているのはタイとカンボジアだけです。日本は中国についで世界で二番目に仏教徒が多い国です。ちなみに、仏教発祥国であるインドでは、弾圧を受けた歴史などを背景に、現在、仏教徒は1%程度にとどまっているようです。
◎ 3:戒律やタブー
【食事】
殺生や、生き物を傷つけることを慎むという傾向があります。よって特に厳格な僧侶の場合は肉食を避けることが多いです。菜食が中心ですが、五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)は臭いが強く、修行の妨げになるため、食べることを禁じられています。また、僧侶などの厳格な仏教徒にとっては、食事も一つの修養として捉えられているため、食事作法が存在します。
■ お互いに気持ちのいい付き合いをするために
宗教というのは、生活を律する役割や日々の道標になっていたりします。なので、宗教が生活の土台になっている地域もあります。お祈りの習慣に馴染みのない日本人だと、いきなりイスラム教徒の礼拝に遭遇すると面食らってしまうかもしれませんが、だからといって避けていてはお互いを理解することはできません。文化も言葉も違いますが、だからこそ会話でしっかりコミュニケーションをとっていきたいもの。いろいろな宗教が交じり合っている中で生活している私たちだからこそ、宗教に関係なく多くの人と仲良くしていきたいですね。
(著&編集:nanapi編集部)
http://news.goo.ne.jp/article/nanapi/life/nanapi-7809.html
すっかり春めいてきましたね。花粉がたくさん飛んでいるようなので、娘には花粉症予防のためマスクをつけてほしいのですが、嫌がってすぐに外してしまいます。また、日差しがとても強いため、顔にベビー用のUVカットクリームを塗るのですが、保育園に着くとママと離れるのを嫌がって涙でクリームを流し去ってしまいます。地球環境とうまくやっていくための親心が効力を発揮するのはいつごろになるのでしょうか…。
先月20日に川崎市で中学1年生の上村遼太さんが殺害された事件が日本中に衝撃を与えています。私も胸がつぶれる思いで、ニュースを見るのも辛つらいです。犯行の残忍さもさることながら、上村さんが犯行グループから度々暴力を受け、顔などに傷を負っていることに複数の周囲の人が気付いていたり、上村さんが「殺されるかもしれない」と言っていたりしたことから、「なぜ救うことができなかったのか」と悔やむ声が多いです。地域柄のことなどは分かりませんが、学校、友達、家庭など上村さんの周囲の人たちにできることはなかったか、と考えるのは当然の感情だと思います。
ところが、一部の人たちの間で上村さんの母親を非難する声が上がっていると聞き、「またか…」と暗い気持ちになりました。以前、幼い子どもがベビーシッターの男に殺されるという事件が起こった時も被害者の母親がやり玉にあげられましたが(以前の記事「ベビーシッター事件、責められるべきは母親か?」を参照してください)、既視感を感じます。
被害者も加害者も未成年という事件で、保護者の存在に目を向けるのは分かりますが、百歩譲って親を責めるにしても、なぜ加害者ではなく被害者の母親なのでしょう。上村さんの母親は通夜の日に弁護士を通じてコメントを発表していますが、このような事態になってしまったことをとても悔やんでおられますし、女手ひとつで子どもを育てるために朝早くから夜遅くまで一生懸命働いていたため子どもと十分に接する時間が無かった様子がうかがえます。シングルマザーに対し自己責任論的な厳しい意見を持つ人は以前から少なくありませんが、安全圏から、最も傷ついて悔やんでいるであろう被害者の母親を責められるのはどのような神経の持ち主なのでしょうか。
人は様々な理由で離婚したり、シングルマザー・シングルファザーになったりします。そのすべてが回避したり我慢したりすることが可能な理由ではないし、むしろDVやモラハラのように我慢して婚姻関係を保つことが子どもにとって悪影響となり得ることだって多いです。また、実家とは絶縁状態だったり、経済状態がよくなかったり、むしろ親の方が頼ってきたりすることもよくあり、シングルで子どもを育てる人に頼れる実家があるとは限りません。シングルマザーの貧困、子どもの貧困という決して自己責任や怠慢なだけではない背景については長い間社会問題となっているので関連書籍やインターネットの記事も多く、少しでも他者の立場を理解したいという気持ちがあればその助けとなるものは簡単に手に入ります。
これに限らず社会に根ざしている問題をいつまでも「心構え」や個人の努力でなんとかなるはずだと言い続ける人は、想像力も勉強する力も両方ないことをアピールしているのと一緒だと思います。残念ながら、私の使っているSNSでは、社会的に恵まれ、いろんな意味で強い立場にいる人ほど「正論」と称して個人責任を糾弾するのが多くみられます。人は持って生まれた恵まれしものは当然と捉え、自分の努力で得たものは過大評価しがちなものです(医師にそういった人が多いのも自然なことなのかもしれません)。
しかし、著名人でなくとも、自分の考えを身内や世界中にSNSで発信できる今、見識の足りなさを露呈する結果になっていないか、少し気をつけた方がいい時代なのかもしれないと思います。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114795
体と頭を同時に使い、認知症を予防しようとする取り組みが広がっている。神奈川県綾瀬市では市民有志が企画した「歌体操」、県はウォーキングと計算などを組み合わせた「コグニサイズ」の普及を目指す。
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるという厚生労働省の推計値がある中、元気な高齢者を増やすことが狙いだ。
「もっと大きく動いて。広い花畑に舞うチョウチョのイメージでね」。講師がアドバイスすると、参加者から笑いが起こった。
今月2日、綾瀬市深谷中の市立中村地区センターで行われた「認知症にならない、させない! 楽しい歌体操」の一コマだ。笑いには、免疫力を高める効果があるとされる。
集まったのは、60~80歳代の女性約40人。「早春賦」や「花の街」「冬景色」など昔懐かしい唱歌などを歌いながら、腕を伸ばしたり足を開いたりする体操を約30分行った。幼少期や青春時代に親しんだ歌を歌うことで、当時の記憶や楽しかった思い出がよみがえり、脳の活性化につながる効果が期待できるという。
講師を務めた同市在住の認定心理士吉川ひろみさん(56)は「筋力の維持や有酸素運動だけでなく、歌を歌うことで滑舌や頭の訓練にもなる」と歌体操のメリットを話す。参加した市内の主婦(79)は「歌いながら楽しくできた。きつい運動ではないので、続けられそう」と笑顔を見せた。
超高齢化社会の到来で、元気な高齢者を増やすことは待ったなしの課題。厚労省は今年1月、10年後の25年には認知症の高齢者数が700万人に達し、5人に1人が認知症になるとの推計値を明らかにしている。これを受け、政府は同月、医療・介護分野の支援強化や社会参加の促進などを盛り込んだ認知症対策に関する初の国家戦略を決定した。
横浜市戸塚区では、06年頃から料理や旅行、パソコンなどのテーマに分かれ、グループワークを行うことで認知症予防を図る取り組みを続けている。人と交流しながら、手先を動かしたり、計画や手順を考えたりすることで脳を鍛える効果があるとされる。
県も認知症予防に向けた取り組みを14年度からスタートさせている。ウォーキングなどの運動に、しりとりや簡単な計算などの頭の体操を組み合わせる「コグニサイズ」だ。コグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせた造語で、すでに小田原市や箱根町など県西地域2市8町で体験教室などを実施。15年度予算案には「コグニサイズ」の全県展開に向け、約900万円の予算を計上した。県高齢社会課は「研修などで市町村のバックアップをしていきたい」としている。(坂場香織)
(2015年3月16日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114675
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