情報発信は主にNPO法人住民安全ネットワークジャパンによる情報班の活動として行われた.東日本大震災ボランティアバックアップセンター(略称:VBUC)(※1)では,あまりにも広域で現状把握ができないころから情報発信が行われた.当初から中間支援ボランティアセンターとして考えられていたVBUC(※1)であるので,非常に広域的な情報が要求されたのである.
発信情報の中身としては
- 被災地に向かう人への情報
- 現地から避難してくる方への情報
- 現地周辺の中間支援団体の情報
- 物資関連の情報
- 避難者支援の情報
- 避難所情報
と多種多様にわたり,継続的な情報発信を行った.また,VBUCにおけるホームページ制作は以下のような難題に直面した.
- (ア) いかに短期間で制作するのか?
- (イ) いかに情報収集するのか?
- (ウ) いかに情報発信するのか?
- (エ) いかに継続可能にするのか?
迅速な支援体制を構築するためにボラセンの運営には早期からホームページが不可欠であるが,ホームページをつくることは難しい.さらに,作っても運営できる人材が不足していた.そこで,VBUC情報班では「なんとしても早期からの情報配信を行うことで中間支援体制の早期構築を行う」という目標のもと,いかに短期間でホームページの制作を完成させ継続的な情報を行うのかに取り組んだ.
1 VBUCのホームページをいかにして短時間で完成させたか.
VBUCのオフィスとは別に,インターネットでつながりあった外部のWebクリエーター達にホームページを作っていただく「他力本願お願いホームページを大至急作って!プロジェクト」を実行した.
1.知り合いのWebクリエーターに理由を話して友達クリエーターを紹介してもらう
2.グループウェアを活用して「Web制作チーム」を結成
3.基本作業を複数人で同時に行う
これによって最大で10人を動員して,制作開始から公開まで24時間でおこなった.そのホームページは以下のとおり
4.このHPでは,「携帯電話」と「スマートフォン」への完全対応がなされ,ソーシャルメディアとの連携などの機能を装備し,基本デザインの修正はプロフェッショナルでなくても,普通の方の知識で行える.
さて,ホームページはできた.次はどのように更新するかということが問題である.その前にVBUCに集まる様々な情報をどのように掲載していったかを説明する.
2 VBUCにおける情報収集の流れ
震災直後から中間支援体制を敷いていたVBUCにはカウンターパートから様々な情報を収集した.その方法は,電話,メールはもちろん,Facebookを中心にソーシャルメディアを使った情報収集も大きな成果をあげた.
VBUCにおける情報収集の流れ
ソーシャルメディアを使った情報受信として,Facebook,Twitter,mixiといったツールをフルに活用して情報の収集にあたった.そこでは当初からボランティアたちが自発的に行っていたものをシステム化した.そのような中で,情報を取集する班と情報掲載を行う班を別に組織し,膨大な情報に対し掲載基準を模索しながら情報発信を行ったのである.
ソーシャルメディアによる情報収集
3 継続的な情報発信を可能にしたボランティア主体による情報発信
次に,情報班で誰がどのように情報掲載していったかについて説明する.ホームページはできたが,
ボランティアによるHP運営
それを運用する人員を割けない我々はボランティアからパソコンでメールを打てる程度の技量を持っている方を募り,ホームページの更新作業を行った.その中で,
- 掲載漏れがないシステム
- 掲載内容の再チェック機能
これらを実現する体制を構築していった.
その一つとして,日替わりでくるボランティア同士で作業手順をシェアし合い,それをマニュアル化し,日々内容の見直しをすることで,ボランティア中心で運営が行える体制を構築した.また,マニュアルの制作からシステムの構築に関してもボランティアの手に委ねたことで,それぞれにとって効率的なシステムを構築することができた.
小括
VBUCにおけるホームページ制作は以下のような難題に対し
- (ア) いかに短期間で制作するのか?
- (イ) いかに情報収集するのか?
- (ウ) いかに情報発信するのか?
- (エ) いかに継続可能にするのか?
次のように解決した.
- (ア) 外部プロフェショナル手段に作業を委託し,短期間で構築した
- (イ) カウンターパートと連携し効率的に情報収集を行った
- (ウ) 情報収集班と情報発信班をわけ,情報の錯綜を防ぎ作業の明確化を行った
- (エ) ボランティア主体の運営体制を構築するとで継続な運営を可能にした
今回のVBUCのホームページ制作運営方法は,災害発生直後の混乱期における災害時ボランティアセンターにおける情報発信のモデルケースとなりうるものと考えることができ,今後,より効率の良く誰でもが情報発信を継続的に行えるシステムを構築し,災害時における情報発信システムを構築してゆくべきであると考える.












