全国で820万戸に及ぶ空き家解消を進めるため、解体勧告や行政代執行の対象となる「特定空き家」の判断基準として、国土交通省は、「建物の傾き具合が高さに比して20分の1を超える」「土台のシロアリ被害が著しい」など具体的項目を盛り込む方針を決めた。
5月の「空家対策特別措置法」(空き家法)の全面施行を前に全国の自治体に指針案として示し、意見をふまえ、正式決定する。
近隣に危険や迷惑を及ぼす特定空き家について、同法では、市区町村に解体勧告などの権限が与えられ、所有者が従わなかったり、不明だったりした場合には、行政が代わって解体することも可能となるため、国交省が判断基準作りを進めていた。
指針案ではまず、建物の傾きが「20分の1」(例えば高さ3メートルなら、屋根のずれが横に15センチ)を超える状態を「倒壊の危険がある」と位置づけた。「20分の1」は、地震で傾いた建物の危険性を測る「応急危険度判定」の基準を援用した。
このほか、「(強風などで)屋根や外壁が落ちたり、飛んだりするおそれがある」「柱などに亀裂がある」などの状況を具体的に示した。
また、屋根や外壁の劣化を調べる方法についても、橋やトンネルで用いられる「打音検査」まで行う必要はなく、目ではがれ具合などを見て、腐食などが確認できれば足りるとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150420-00050000-yom-soci
「そんなことはするべきではない」-。省庁や国の補助金を受ける団体に対して、ムダ遣いを厳しく指摘する会計検査院。しかし、逆に検査院が疑問視したのは、東京電力がやろうとした“コストカット”策だった。ほめられるはずの節約なのに、なぜ…。それは、東電が当初、サポートの終了したコンピューターの基本ソフト(OS、オペレーションシステム)を使い続けようというプランを立てていたからだった。検査院はテロの脅威なども挙げながら、苦言を呈した。
「XP」のままでもいける
会計検査院は国会や内閣、裁判所から独立し、税金などが正しく使われているかどうかをチェックする機関。検査対象は各省庁や国が出資する政府関係機関、独立行政法人などの法人、国が補助金や貸付金など、財政援助を与えている都道府県、市町村、各種団体。検査院の職員が実際に足を運んだり、書類の提出を受けたりして、検査にあたっている。
そんな検査院が今年3月下旬に取りまとめた報告書が、「東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する国の支援等の実施状況に関する会計検査の結果について」。A4サイズの冊子は200ページを優に超えた。
そのなかで、言及されたのが、OS更新時期の繰り延べ問題だった。東電が延長しようとしたのは、マイクロソフト(MS)が提供していたウィンドウズXP。平成26年4月に、サポートが終了されたが、その後、29年度まで更新を延ばし、36億円を削減しようとしていたのだ。
http://www.sankei.com/premium/news/150420/prm1504200006-n1.html
国の消費生活センターにプリペイドカードを不正に取得しようとする「詐欺業者」とのトラブル(以下、プリカ詐欺)が複数寄せられています。そこで、2015年3月26日から5月31日までを「プリカ詐欺撲滅強化期間」として設定し、本トラブルの未然、拡大防止の観点から、一般社団法人日本資金決済業協会と連携して啓発を行います。
チラシイメージ
(参考:一般社団法人日本資金決済業協会)
「業者にアダルトサイトのワンクリック請求や架空請求等により料金を請求され、その支払手段としてサーバ型プリペイドカードの購入を指示され、要求されるままにカードに記載された番号等(複数桁の数字や文字)を伝えてしまった」といった相談のように、プリペイドカードの購入を指示する手口です。
図 プリペイドカードの販売イメージ
プリペイドカードの価値がカード自体に記録されている商品券や磁気カード、ICカードと違って、サーバ型と呼ばれるプリペイドカードはその価値がプリペイドカード発行会社の管理するサーバに記録されています。ですので、物理的なカードが手元になくても、カードに記載された番号等をインターネット上で入力して使用できるものがあります。
このため、サーバ型プリペイドカードの場合、カードに記載された番号等を相手に伝えることは、購入した価値を相手に全て渡したことと同じです。後になって架空請求等によりだまされたことに気づいても、いったん相手に渡した価値を取り戻すことは非常に困難です。
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/preca-sagi.html
「うつ病」という言葉を聞くことが珍しくなくなってきました。例えば、働いている上でも「○○さんうつだって」などという話を聞く機会も増えているでしょう。実際にうつ病などの精神疾患で休暇を取得する人は増加傾向にあり、患者が増えているというよりも、精神疾患についての知識や偏見など、受け取る側の意識の変化も要因の一つとして考えられます。
以前はうつ病などの精神疾患に関し、周囲に開示することは難しいという風潮がありました。専門的には「スティグマ」とも呼ばれ、それが精神疾患の患者数を少なくしていたと考えられています。
現在は情報も氾濫し、そのようなスティグマも減少。逆に、積極的にうつ病であるということを開示する人が増えてきました。インターネットで調べると、どうすればうつ病だという診断書がもらえるかとの情報まで存在します。では、そのような情報をもとに安易に診断書を取得した場合、どのような事態が考えられるでしょうか。
1.周囲からの信頼を損なう
嘘をもとにした診断書では、いつか周囲に露見してしまいます。例えば、復職後に飲み会でどうすればうつの診断書をもらうことができるか、吹聴し回った人がいるとします。そのような場合、同僚や上司、会社からの信頼を取り戻すことは難しいでしょう。
2.困難に直面化したときにまた同じことを繰り返す
一度困難に直面した時、うまく逃げる手段として診断書を入手して休むことを覚えてしまえば、再び困難に直面した際に立ち向かうことができなくなってしまいます。長期的に見て、自身のためにならないことは明白です。
3.転職の際にも不利になる
転職活動をしている時、過去に体調を崩して休んだことがあるかどうかを聞かれることがあります。そうした時に休職していたことがあれば、採用で不利に働きます。また、そのような際に虚偽申告をすれば、後々明らかになった時に懲戒事由になることがあります。
体調が悪いと感じれば、医師にかかり適切な診断を受けることは大切です。もちろん、きちんと症状を伝え、適切な診断を受けるべきです。
しかしながら、インターネットで書いてある情報を鵜呑みにして安易に病状を装うのは、周囲はもちろん自身のためにも絶対に慎むべきです。長期的に見れば自分自身の首を絞めることになりかねません。
(植田 健太/社長専属カウンセラー)
http://news.goo.ne.jp/article/jijico/bizskills/healthcare/jijico-17284.html
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)について、福井地裁の樋口英明裁判長は14日、再稼働を差し止める仮処分決定を出した。原発の運転をただちに禁じる司法判断は初めて。2基の原発は当面動かせず、関電がめざす11月の再稼働も難しくなる可能性がある。
原発の新規制基準「合理性欠く」
仮処分を申し立てたのは福井、京都、大阪、兵庫4府県の住民9人。
住民側は、高浜原発の使用済み核燃料プールは原子炉のように堅固な施設に囲われていないなどとして、その安全性は「確たる根拠がない脆弱(ぜいじゃく)なものだ」と主張。「重大事故が起きれば、生存権を基礎とする住民らの人格権が侵害される」と訴えていた。
一方、関電側は、津波の被害を受けても原子炉の冷却ができるよう発電装置を準備していることなどを挙げ、安全性を強調。「具体的な危険はない」と申し立ての却下を求めていた。
樋口裁判長は昨年5月、関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転をめぐる訴訟で差し止めを命じる判決を出した。だが、関電が控訴して判決は確定せず、原子力規制委員会が新規制基準にすべて適合すると判断すれば再稼働できる状態にある。
このため住民らは昨年12月、より法的な即効力がある仮処分の手続きをとり、大飯、高浜両原発の再稼働差し止めを求めて訴えた。樋口裁判長は、再稼働に向けた規制委の審査に今年2月に合格した高浜原発についての判断を先行させる考えを表明。慎重な検討を求める関電側の主張を退け、3月に審理を打ち切っていた。(室矢英樹、太田航)
http://www.asahi.com/articles/ASH3X43MLH3XPTIL00M.html
NTTコミュニケーションズは、訪日外国人をターゲットにしたプリペイドSIMの自販機を関西国際空港と東京のアクアシティお台場に設置しました。今後日本国内の空港などに設置場所が広げられる予定です。
さて、この自販機導入はMVNO事業者として2社目となりますが、NTTコミュニケーションズはこの自販機で“世界初”になるという“SIMの ユーザー登録機能”も搭載させました。それだけでもすごいことなのですが、実はもっとすごいことになっているのです。なんとこの自販機はSIMだけじゃな くスマホも買えるんですよ!
↑アクアシティお台場へSIMを買いに行こう。 |
さっそく東京の設置場所、アクアシティお台場へ向かいました。設置場所は3Fのインフォメーションのすぐ隣。なお、アクアシティお台場は平日は10時30分から、土日は10時から開店なのでそれより早い時間に行ってもSIM自販機にご対面することはできません。
↑プリペイドSIM自販機はインフォメーション横。 |
10時30分の開店と同時に中に入ると、ありましたよ!プリペイドSIMの自販機が!日本はSIMの買いにくい国ってのはもう遠いむかしの話になったんですねぇ。
↑SIMは2種類3サイズを用意。 |
プリペイドSIMは、7日用と14日用でそれぞれに標準サイズ(ミニ)、マイクロ、ナノと3種類ずつ、合計6タイプが販売されます。価格は7日用が3726円、14日用が5346円。1日100MBの利用上限があります。
↑操作パネルの言語に日本語はなし。 |
購入する際は自販機右にあるタッチパネルを使って操作します。言語は英語、簡体字中国語、繁体字中国語の3言語のみ。日本語がないのはターゲットを外国人にしているからでしょうか。
↑アクセサリーセットも販売している。 |
プリペイドSIMはモバイルバッテリーやSIMカードケースとのセット品も販売。SIMカードケースは取り外したSIMの紛失防止にもなるので便利ですよ。
↑スマホやルーターが自販機で買えちゃう! |
さて、自販機の下のほうを見てみると、SIMではないパッケージが見えますね。そう、スマホとルーターも売っているんですよ。おそらく日本でスマ ホが自販機で買えるのは初めてのことではないでしょうか?スマホは1機種だけで、freetelの3Gのみ対応の『priori』。ルーターは2種類で、 ひとつはNECの『Aterm MR03LN』でLTE/3G対応、もうひとつがAvoxの『AWR-100T』でこちらは3Gのみ対応。それぞれ単体での購入はできず、7日用または 14日用SIMとのセット販売となります。
↑SIMを買う場合はサイズも選ぶ。 |
プリペイドSIMを買う場合は、操作パネルで“Prepaid SIM Cards”を選択後、7日用か14日用を選択。そして、次の画面でサイズを選びます。そのあとクレジットカードを端末のカードリーダーに通せば購入でき ます。なお購入後は、このパネルから続けてSIMも登録できます(後述)。
↑スマホを買ってみよう。 |
でも、今回はせっかくなので、スマホを買ってみることにしました。パネルで“Device and Accessory Kits”を選択すると商品一覧が表示されます。ここに表示される商品はSIMとデバイスやアクセサリーのセット。そしてセットとなるSIMが7日用か 14日用となるので、同じ商品でも2種類ずつが存在します。なお、スマホやルーターを買う場合は、SIMサイズは端末ごとに決まったものが選択されるので SIMサイズを指定する必要はありません。
↑スマホとSIMが別々に出てくる。 |
価格は7日SIMセットの場合、prioriが1万6684円、Atermが2万7486円、Avoxが1万2906円。さすがに、LTEルー ターはちと高めですが、スマホとAvoxのルーター程度なら3Gながらも日本に来た海外からの友人などにお勧めできそうな価格です。また、購入すると、最 初にスマホ(またはルーター)が商品出口に出てきて、それを取り出すと続けてSIMが出てきます。
↑買ったSIMも自販機を使って登録可能。 |
プリペイドSIMは登録が必要ですが、こちらもタッチパネルを使って簡単に作業を進められます。トップ画面から“Activate SIM Here”をタッチして、あとは指示に従うだけです。
↑世界初の自動登録機能ですぐに使える。 |
方法は以下のとおり。SIMカードをパネル右下のリーダーでスキャン→SIMカード番号が画面に出る→出ない場合は手入力→パスポートの写真ペー ジをパネル右上の大型画面を使いスキャン→メールアドレス入力→日本の電話番号入力(任意)→登録確認画面が出るので“Finish”をタッチ→登録完了 の画面が出る。これでSIMをスマホにいれれば、すぐに使えます。登録したメールアドレスにも登録完了のメールが届きます。
↑端末はブラックのみ。注意書きは日本語のみ。 |
priori本体の色はブラック。購入時に色が選択できるわけではなく、見本も黒だったのでそのまんまです。なお、prioriは付属のマイクロ USBケーブル以外では充電できないケーブルがあり、その注意書きが本体のマイクロUSB端子にはられています。しかし、製品版そのままのようで日本語の み。この仕様はちょっとクセがあるので英語の注意書きもほしいところです。
↑SIMのAPNは海外機では手動修正が必要かも。 |
このprioriに登録を済ませたプリペイドSIMを入れればすぐに使い始めることができます。一方、ほかの端末の場合はAPNが自動設定されな いこともあります。また、APNが自動設定されるのに、パスワードとユーザー名が入らない端末もあるようです。このあたりは手動での設定や修正が必要です が、APN設定はSIMパッケージ内のマニュアルにしっかりと記載されているので大丈夫でしょう。
↑アメリカではMVNOのスマホ自販機がある! |
NTTコミュニケーションズが国内展開を始めたプリペイドSIM自販機は、実はスマホの販売にも対応したマルチ販売機だったのです。今回販売され ているスマホはエントリーモデルでしたが、将来はミッドレンジモデルも売られるようになるかも?なんて期待もできますね。というのも実はアメリカではすで に同じ自販機を使ったMVNOキャリアのスマートフォン販売機があるんです。この自販機では2〜3万円のミドルレンジ系端末も販売。Zenfoneクラス の製品が売られているわけです。
↑日本のスマホを世界へアピールできる。 |
今やSIMフリーかつ低価格なスマホを単品で買える時代になりました。そんな製品に日本オリジナルのカバーを付けて「日本のお土産にスマホはいか が?」と売ったら、外国人観光客に人気のとなりそうです。海外ではブランドなどとコラボしたスマホもいろいろな国で販売されています。先日筆者はローマでサッカーチームのオフィシャルスマホを買いました。日本は世界に誇る自販機文化の国、日本らしさをアピールするスマートフォンが空港の自販機でずらりと販売される、そんな時代がやってくるかもしれません。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/325/325595/
トレンドマイクロ株式会社は、サポート終了から1年が経過したWindows XPが、依然として多くのユーザーに利用されているとして、注意を促した。
Windows XPは2014年4月9日にサポート終了となったが、各種調査によると現在でも多くのユーザーがWindows XPを使用している。
Windows XPが利用されている割合の推定値は調査により異なるが、「Net Market Share」の調査では、2015年3月時点でWindows XPのシェアを約17%と推定している。「StatCounter」ではその数字を11%以上としており、米国政府のウェブサイトを訪問したユーザーの分析では、Windows XPの割合は5%以下となっている。
トレンドマイクロでは、Windows XPに提供された更新プログラムは、2014年4月に確認されたゼロデイ脆弱性に対する更新プログラムが最後で、セキュリティ上の危険が残っていると指摘。また、後継OSに搭載されたさまざまなセキュリティ対策も、Windows XPには適用されていないため、危険な状態にあるとしている。
更新プログラムが適用されていないWindowsを使用しているユーザーに対しては、マイクロソフトが提供している無料の脆弱性緩和ツール「Enhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET)」が利用できると説明。また、トレンドマイクロのサーバー向け総合セキュリティ製品「Deep Security」では、Windows 2000は2017年まで、Windows XPおよびWindows Server 2003では2020年までサポートするとともに、エンドポイント向け製品ではこれらのOSを2016年までサポートするとしている。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150413_697447.html
「世界の子どもたちにワクチンを届けよう」と呼びかけて、ペットボトルのキャップのリサイクルを進めるNPO法人が、2013年9月以降、回収したキャップの売却益をワクチン代として寄付していなかったことが明らかになり、批判の声があがっている。
問題となっているNPO法人「エコキャップ推進協会」(横浜市)は、2007年の設立以降、回収したキャップをリサイクル業者を通じて売却。その利益の一部を東京都の認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」に寄付していた。
ところが報道によると、協会は2013年9月以降、キャップの売却益をワクチン代として寄付していなかった。協会の矢部信司理事長は4月10日、記者会見を開いて、「売却益は障害者自立支援事業にあてた」「説明が不十分だった」と釈明した。
たしかに、協会の活動規則を記載した「定款」には、売却益はワクチン代のほか、障害者支援などにあてるとしている。ただ一方で、「エコキャップ詐欺だ」という批判の声もあがっている。はたして、今回のケースは「詐欺」にあたるのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。
●刑法上の「詐欺」に問えるのか?
「キャップの売上をワクチン代として寄付していなかったのは、活動の趣旨に賛同してキャップを提供してきた人たちの善意を踏みにじっています。
しかし、今回のケースは、立証という実務上の問題から、刑事責任、民事責任のいずれも追及しにくいものであろうと思われます」
田沢弁護士はこう切り出した。では、「詐欺」にあたらないのだろうか。
「刑法上の詐欺罪は、人を欺く『欺罔(ぎもう)行為』によって、財物をだまし取ることによって成立します(刑法246条1項)。
もう少し詳しく説明すると、
(1)『欺罔行為』により相手方が『錯誤』(勘違い)に陥る
(2)その『錯誤』を原因として、相手が『財産上の処分行為』を行う
(3)その結果、『財物の交付』がなされる
という流れが必要になります。さらに、(1)の前提として(4)相手をだまして、財物の交付を受けようという『故意』も必要です。
今回のケースで、『詐欺である』というためには、キャップが提供される前の段階で、(4)の『故意』およびこれに基づく(1)の欺罔行為が存在しなければなりません」
●「詐欺」にあたる場合でも刑事責任の追及は難しい
では、「詐欺」にあたるケースはあるのだろうか。
「もともとワクチン代として寄付する意思でキャップの提供を募っていたけども、実際にキャップが提供された後に、ワクチン代として寄付しないことに決めたという事情であれば、『欺罔行為』が存在しないことになり、詐欺にはなりません。
したがって、詐欺にあたるか否かは、ワクチン代として寄付しない意思があるにもかかわらず、寄付するように装ってキャップの提供を募り、ワクチン代として寄付されるものと信じた人たちが、実際にキャップを提供したという事実関係があるか否かにかかっているということになります。
こうした事実関係があれは、詐欺にあたるケースもあるでしょう」
しかし、田沢弁護士は、詐欺にあたる場合でも刑事責任の追及は難しいと説明する。
「捜査当局としては、だまされてキャップを提供した被害者が特定されない限り、捜査のしようがありません。
そもそも、『どのキャップが誰のものか』を特定することは困難を極めますので、善意を踏みにじられた人たちがどのようにして被害届を提出するのかという問題が立ちはだかります。
また、キャップそのものの価値が僅少で、もともと捨てるつもりでいた人であれば、わざわざ被害届を提出することもないと思われます」
●民事上の責任は問えるのか?
一方で、キャップを提供した人が「売上をワクチン代に使え」「キャップを返せ」と求めることはできないのだろうか。
「キャップの提供とその承諾・受領は、『贈与契約』ですので、民法のルールに従うことになります。
贈与契約が、売却益をワクチン代として寄付するという受贈者(協会)側の義務を課した贈与であると考えれば、贈与者(キャップ提供者)側は、受贈者に対しその義務の履行を請求できます。
あるいは、贈与契約を解除して、提供したキャップの返還を請求できることになります。
しかし、そうはいっても、自分が特定のキャップを提供したこと、そのキャップの売却益がワクチン代として寄付されていないことの証明は困難でしょうから、事実上、そのような請求は断念せざるを得ないとはいえます」
このように民事上の責任の追及も難しいということだ。キャップを提供した人は、泣き寝入りということなのだろうか。
「人の善意を踏みにじる行為に対する道義上の責任まで、うやむやにしてしまうことはありません。改善に向けてしっかりと対応していただくように、世間が監視していく必要があるといえるでしょう」
田沢弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
田沢 剛(たざわ・たけし)弁護士
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。
事務所名:新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
事務所URL:http://www.uc-law.jp
http://news.goo.ne.jp/article/bengoshi/life/bengoshi-topics-2957.html
根本的な治療法が確立していないという「難治性血管奇形」に苦しむ患者らを支援するNPO法人「県難治性血管奇形相互支援会」(通称・みらいプラネット、山口県防府市)と、山口市を拠点に活動するアイドル「Cara☆Fure」(カラフレ)が、病気の啓発活動で連携する。
支援会のテーマソングをカラフレがシングルCDとして5月中旬に発売し、益金は支援会に寄付するという。
支援会は2012年に発足し、国に病気の難病指定を求めたり、啓発活動をしたりしてきた。カラフレは県内の中学1年生から高校3年生の女子6人によるアイドルユニットで、昨年10月にデビュー。支援会とカラフレの芸能プロダクションは、病気について若い世代に親しみやすく啓発したいという思いで一致。今月1日、連携についての協定を締結した。
カラフレは、支援会のテーマソング「みんな友達じゃけぇ」を発表し、出演イベントやコンサートで披露する。CDシングル(1枚1000円)をインターネットなどで販売し、経費を差し引いた売上金を支援会に寄付する。チラシの配布や署名活動なども展開するという。
2日に県庁で記者会見を開き、カラフレは歌を披露。穏やかな曲調で「全ての人が手を取りあえば 明るい日は必ずやってくる」といった前向きなメッセージが歌われている。
支援会の有富健理事長は「取り組みを通じて、次世代への理解を広げたい」と語った。カラフレのメンバー唐谷あみさん(15)は「病気の方を始め、子どもから大人まで笑顔になれるようにとの思いを込めて、精いっぱい歌っていきたい」と語った。
難治性血管奇形 血管がねじれたり、変形したりする病気。痛みや発熱などを起こし、患部の肥大や変形、萎縮による運動機能障害も起こる。国内には1万人ほどの患者がいると推定されるが、現時点で根本的な治療法はないという。厚生労働省の専門家委員会は3月、この病気の一部を、医療費助成の対象となる「指定難病」にすることを了承した。
(2015年4月8日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=117099
小学生から大学生までの児童、生徒、教員、保護者向けに講演を依頼されることがある。小中校生向けは、LINEを使ったネットいじめ系のトラブルや ネット依存がテーマとなることが多い。小学生から高校生まではLINE、専門学生や大学生はTwitter炎上とLINEが問題視される傾向にある。
総務省情報通信施策研究所の「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」(2014年5月)によると、高校生のSNS利用率のうち一番高いのはLINEの85.5%、次いでTwitterが66.9%、Facebookが24.3%と続く。LINEの飛び抜けた利用率の高さが分かるだろう。
最近の高校生や大学生は、クラスの友だちでもお互いにメールアドレスや電話番号を知らず、LINEのみでつながっている状態だ。進学や進級などで 新しいクラスが分かった途端、新しいクラス、同じクラスの男女グループができる。そのほか仲が良い友だちのグループも複数できるので、多い子になると 100あまりのグループに参加している状態となっている。
LINEは完全にメールや電話に代替するコミュニケーションインフラと化しており、普通の子は利用しないという選択肢を持つことができない状態だ。
ある小学校では6年生女子の間でのLINEで問題が起きている。A子の様子がおかしいことに気付いた保護者がLINEでのやりとりに気づき、学校 に乗り込んできて大問題となった。保護者が見せたキャプチャには、「顔でかブス」「学校やめろ」などというA子への攻撃の言葉が並ぶ。
A子が一方的にいじめられているという口調だったが、確認するとA子も「くさいからさわるな」「デブのくせに」などと暴言を吐いていた。A子だけ でなく、クラスの女子の多くが参加するいじめの場となっていたというわけだ。担任教諭は、「LINEは小学生には難しい。いきなり文章でコミュニケーショ ンなんてできるはずがない」とため息をつく。
中学2年女子のB美は成績が急降下し、保護者が学校に呼び出される羽目になった。驚いた両親が問いただしたところ、勉強していると思っていたB美 は夜中(よるじゅう)LINEを使っていた。布団に入ってからも延々とLINEを利用し、寝るのは連日午前2時過ぎ。睡眠不足で授業中に寝てしまったり、 保健室に行ったこともあるという。
保護者が確認すると、授業中にもLINEのやりとりが行われていることが分かった。「みんな机の下でLINEしてる」と言うB美。その言葉通り、授業中にLINEのやりとりが行われていることが分かり、大問題となってしまった。
保護者はLINEを禁じてスマホを取り上げようとしているが、B美は狂ったように暴れて反対しているという。「クラスのグループがあるのに自分だけしなかったら居場所がなくなる。LINEができないなら死んだも同じ」。
LINEにはまっている中高生に聞くと、ほとんどの子が「楽しいから」と答える。「その時の気持ちとか嬉しいことをすぐに共有したり、共感してほ しい。すぐに反応が返ってくるから嬉しい」とLINEの良さを力説する。「学校が変わっちゃったり、引っ越した子とも連絡ができるから楽しい」。
大人でも同様だが、多くのSNSをティーンは楽しみのために利用している。コミュニケーションインフラとなったLINEを単純に禁止したり、利用している子から取り上げることは難しい可能性が高い。
夜中1時までLINEをやっているという小学校6年生のC奈は、「毎日寝落ち。LINEの返事が遅くてD子にキレられたことがあり、すぐに返事を するようにしているので(端末が)手放せない。自分からはやめられない」と語る。彼女たちの間ではトークを読まずに放置する「未読放置」、トークを読んだ のに返事をしない「既読スルー」ともにひどく嫌われており、した子は次の日学校で無視されたり、悪口を言われるという。ここでは、嫌われたり仲間はずれに される不安がC奈を利用に駆り立てていることが分かる。
LINEはSNSというより通信アプリだ。コミュニケーションスピードが速く、ほぼ文節単位でチャットのようにやりとりが行われる。子どもの利用端末を見ると、以下のようなやりとりが見られるだろう。
「見た?」
「ドラマでしょ」
「かっこいいよね」
「(ハートスタンプ)」
「会いたい~」
「明日も出るよ」
「見る見る!」
トークのやりとりされた時間を見ると、短時間にほぼオンラインでやりとりされたことが分かる。テレビを見ながらほぼオンタイムでチャットのようにやりとりされているというわけだ。
メールでは、挨拶、結びの文などが必要だが、LINEならいきなり要件を送ることができて効率的だ。さらに、プッシュ通知で相手にトークがきたことが通知される上、トークを送った相手が表示すると「既読」と表示されるため、必然的にやりとりのスピードは速くなる。
ティーンのコミュニケーションスピードは素早さが求められる。大人と違って可処分時間が多い上、まだ何者でもないため承認欲求が強いのが特徴だ。 それゆえ、軽んじられていると感じることに対して非常にナーバスになっており、待つことができない。軽んじられるのも嫌だし、誤解されて嫌われるのも怖い ――だからこそ、彼らは寝落ちするまでやりとりをやめることができないのだ。
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