ネットでの情報交換につきものなのが、ウェブサイトのアドレス(URL)だ。「このサイト見て」「こんな写真があったよ」といった口コミメッセージに添えられたURLをクリックすれば、即座に自分で内容を見ることができる、便利な仕組みだ。
しかし、中には「ロリ」「やばい」「中●生」などと、18歳未満の「児童ポルノ」であることを臭わせるような言葉とともに、URLが書き込まれていることもある。
もしリンク先が児童ポルノに当たる画像や動画だったとしたら、単にURLを書き込んだだけでも、何らかの罪に問われる可能性があるのだろうか。ネット上の性犯罪にくわしい奥村徹弁護士に聞いた。
●児童ポルノ画像のURLを紹介したら「児童ポルノ公然陳列罪」
「見ず知らずの他人がアップした児童ポルノ画像のURLを一部改変して、自分のHPに掲載した行為について、児童ポルノ公然陳列罪の正犯にあたるとした判例(最決平成24年7月9日・最高裁サイト)が出ています」
奥村弁護士はこのように述べる。どんな事案だったのだろうか。
「事案の詳細は、大阪高裁による二審判決(大阪高判平成21年10月23日・判例時報2166号142頁)で紹介されています。概要としては、URLの『bbs』の部分を『(ビービーエス)』と改変したものを掲載して、『漢字は英単語に、カタカナはそのまま英語に、漢数字は普通の数字に直してください』と付記したという事案で、リンクも張られていませんでした」
つまり、直接リンクを張っていないどころか、URL自体が実際のものとは違っていたという。ところが、奥村弁護士によると、大阪高裁は次のように判決文で示して、児童ポルノ公然陳列罪の成立を認めたのだ。
「他人がウェブページに掲載した児童ポルノへのハイパーリンクを他のウェブページに設定する行為は、その行為又はそれに付随する行為が当該ウェブページの閲覧者に対し当該児童ポルノの閲覧を積極的に誘引するものである場合には、児童ポルノ公然陳列に該当する」
ちょっとわかりにくい言い回しになっているが、かみくだいて言えば、直接リンクを張っていない場合でも、「児童ポルノの閲覧を積極的に誘引する」行為であれば、児童ポルノ公然陳列罪に該当するということだ。
奥村弁護士は「最高裁決定の少数意見にもあるように、URLの紹介行為を公然陳列罪とするのはかなり無理のある解釈ですが・・・」と断りつつ、「最高裁も、結論としては、大阪高裁の判決を追認しました」と説明している。
●「URLを紹介するだけで犯罪になる」という判例の衝撃
さらに、この判例の「URLを紹介するだけで犯罪になる」という考え方は、児童ポルノ公然陳列罪にとどまらず、他の犯罪にも適用される可能性があると、奥村弁護士は警告する。
「この判例を前提とすると、流布犯一般(児童ポルノ公然陳列罪・わいせつ電磁的記録記録媒体公然陳列罪、名誉毀損罪、信用毀損罪、著作権法違反等)において、URLの紹介行為が問題となりえます。
すなわち、違法情報が掲載されたウェブページの閲覧を積極的に誘引するためにURLを紹介すると、流布犯の正犯(もとのURLに違法情報をアップした犯人と同等の罪)として検挙される恐れがあるということですので、十分に注意する必要があります」
ポイントは、問題となるウェブページの閲覧を「積極的に誘引」しているかどうかという点といえるが、具体的にはどのような場合に、そう認定されるのか。
「児童ポルノについていえば、児童ポルノ画像のURLに『ロリ』『やばい』『中●生』『JK・JC』などという児童ポルノをうかがわせる説明を添えて書き込むと、児童ポルノとして違法な画像の閲覧を積極的に誘引する意思が認定しやすくなりますので、検挙される危険が高まると思います」
奥村弁護士はこのように説明するが、「違法な画像のURLを紹介するだけで犯罪になる」という判例は、これまでのネットに関する考え方を根底からくつがえす可能性がある。今後、捜査機関による摘発が、児童ポルノ犯罪以外にも広がっていくのか、注視していく必要があるだろう。
(弁護士ドットコム トピックス)
【取材協力弁護士】
奥村 徹(おくむら・とおる)弁護士
大阪弁護士会。大阪弁護士会図書情報委員。大阪弁護士会刑事弁護委員。日本刑法学会、法とコンピューター学会、情報ネットワーク法学会、安心ネットづくり促進協議会特別会員。http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/
事務所名:奥村&田中法律事務所
事務所URL:http://www.okumura-tanaka-law.com/www/top.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131111-00000939-bengocom-soci
プログラミングに関する教育が今、大きな注目を集めています。サイバーエージェントの子会社である株式会社CA Tech Kidsは2013年10月から小学生向けのプログラミング学習講座を始めていますが、自分の子供をザッカーバーグ(フェイスブックの創業者)にしたいと考える親からの申し込みが殺到しているそうです。また楽天の三木谷社長もプログラミングを高校や大学の必須科目にするよう提言して話題となりました。プログラミングのスキルはこれからの時代において必須のものなのでしょうか?
現在プログラマーは全世界的に足りない状況です。米国では、プログラミングの訓練学校が学費無料で生徒を募集し、就職できたら給料から授業料を払うというシステムまで登場しました。それだけ企業からのニーズが強いというわけです。
日本でもネット企業を中心に開発現場ではプログラマー不足が深刻になっています。きちんとしたプログラミング技術を身につけた人材は、多くの企業が採用したがるでしょう。体系的にプログラムを学ぶことは自身のキャリア形成に有効に作用しそうです。
一方で、プログラマーの寿命は短いという問題もあります。確かに一部の優秀なプログラマーは長期にわたって引く手あまたとなるかもしれません。しかし新しい技術が登場すると、古い技術しか身につけていないプログラマーは簡単に使い捨てられてしまいます。
1970年代メインフレームと呼ばれる汎用機(大型コンピュータ)がブームとなり、プログラマーが大量養成された時代がありました。あまりにも人が足りないので、システム会社の社長さんが、たまたま乗ったタクシーの運転手をそのままスカウトして入社させ、プログラマーになってもらったという逸話さえあります。
しかし汎用機がなくなってしまい、パソコンやインターネットの時代になると、新しい技術を身につけられなかったプログラマーの多くは行き場を失ったといわれます。
どの仕事でも同じですが、指示された仕事をただこなすだけの能力しか持たない人は、労働市場での価値を維持することは難しくなります。それはプログラマーでも同じことです。ただ、これほどのニーズになっているという現状を考えると、プログラミングはすでに英語のような存在になっているのかもしれません。
英語ができないと仕事ができないということは決してありませんが、英語はできた方が絶対的に有利です。仮にプログラマーにならないにしても、コンピュータがどのような原理で動いているのか肌感覚で理解できることは大きな強みになります。小さいうちからプログラミングにトライしてみる価値はあるといえるでしょう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131108-00000002-wordleaf-soci
大ざっぱな性格で、読書習慣がなく記述問題や作文、感想文などがとても苦手、と悩む小3男子の保護者。同じ悩みを持つ保護者も多いのではないだろうか。平山入試研究所の小泉浩明氏にアドバイスを伺った。
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【小泉氏からのアドバイス】
普段、わたしたちが目にするいわゆる「優秀な子どもたち」の優れた作品は、多くの場合、彼らがどこかで読んだ物語や作文などの一部を無意識にマネているのだと思います。そしてそれは、決して非難されることではありません。すばらしい文章をマネることこそが、すばらしい文章を書く鍛錬の事始めといえるでしょう。
文を書くことが苦手な子どもは、たいてい、お手本となる文章をあまり目にしていないことに原因があると思います。普段から読書をしていないと、表現や文章の構成をどのように書いてよいかわからないでしょう。対策としては、小学生新聞や通信教育などもよいと思いますが、他の子どもの作文を読ませて、書き方を“マネさせる”ことも1つの方法です。
“学ぶ”ことは“マネる”ことです。お手本として、上手に書けた作品を何本か読ませ、「なぜよい文章なのか?」「どのように書けばよいのか?」を一緒に考えましょう。インターネットで検索すれば、優秀な作文や感想文を見つけられると思います。そして、お手本の作文に沿って同じような構成で、子ども自身の体験の作文を書かせてみるとよいでしょう。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/education/benesse-10229.html
東日本大震災と福島第一原発の事故で被災した福島県相馬市と南相馬市の小学生が、いっしょに絵を描く催しが新潟市で開かれています。
この催しは、新潟市が、少しの間でも、震災や事故を忘れてもらおうと震災後、招いているもので、ことしは、新潟市中央区の会場に、福島県相馬市と南相馬市にある9つの小学校からあわせて30人が集まりました。
子どもたちは、特殊なライトを当てると暗くても光る絵の具を使って、大きな紙に、いなほをトンボが飛び回る秋の様子をいっしょに描きました。
そして、描いたあと、部屋を暗くして、できあがった絵を確認し、暗い中に、幻想的な風景が浮かび上がると、子どもたちは、歓声をあげて喜んでいました。
南相馬市から参加した小学5年生の男の子は、「原発への不安はあるけれど生活は落ち着いています。みんなと活動できて楽しかったので、大勢の人と友達になりたいです」と話していました。
子どもたちは、3日午後、新潟市の水族館などを訪れ、4日、福島に戻ることになっています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1035652341.html?t=1383525405302
心理学者の小倉千加子氏は、母親は職に就かなくても家族が生きるための仕事があると「あまちゃん」後に始まったNHKドラマ「ごちそうさん」を例にこう語る。
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「あまちゃん」の後の連続テレビ小説「ごちそうさん」は、「あまちゃん」とは違った意味で今までとは異質なドラマである。
そもそもヒロインの卯野め以子を演じる杏が自分の出演するドラマについて非常によく勉強している。ドラマの主役としては普通のことだが、連続テレビ小説では異例のことである。ヒロインの女優さんはドラマについて何も知らず何の解釈もないのが通常だった。杏という人が珍しいのか、今回のドラマが変わっているのか、恐らく両方だろう。
朝からオムレツをアップで見せられるとその濃厚さに辟易して、「朝はもっと淡白な和食にしてほしい」と叫びたくなるが、「梅ちゃん先生」で食卓に並べられる料理が毎回あまりにもまずそうで、「もっとおいしそうな食事にしてほしい」と呟いていたのを思うと、贅沢な注文かとも思う(あれは特筆すべきまずさだった)。「ごちそうさん」のテーマは「食べることは生きること」であるらしい。が、「食」を司る専業主婦の人生がテーマなので、本来なら「生きることは食べること」としたかったのではないかと思う。
人間の生活の基礎は家で食べる三度の食事であり、それを作るのが専業主婦であるというのは日本では大正時代に発明された制度である。め以子がくどいほど「食いしんぼう」であることが描かれるのも、専業主婦が他から強制されて食事を作っているとなると、専業主婦制度の根幹が崩れるからである。
専業主婦の仕事は「家族が生きるための仕事」であり、それは誰かがやらなければならない忍耐力の要る仕事である。家族機能の崩壊は一言で言えば食卓の崩壊(孤食と外食の進行)に外ならない。誰かが共食の食卓を準備し続けることで家族の機能は維持される。
ホームレスの人はなぜホームレスになったかという聴きとり調査をした学生の論文を読んだことがあるが、ホームレスになるきっかけは、家族の要である母親がいなくなることだった。
母親がいなくなると夕食が家庭からなくなる。すると特に男の子は家に帰らなくなる。外をふらつき回るようになることで、進学や就職のレールから外れていく。ホームとは食事のことなのである。
犬にもホームレスドッグという表現があって、野良犬のことである。誰かが必ず食餌を与えてくれるという安心感がないと犬もやさぐれるのである。
調査では、母親がいなくなるというのは、母という実体が病気や事故でこの世からいなくなることを指している。しかし、母親不在や家族の機能不全は母という実体があっても起こり得ることである。
母には「家族が生きるための仕事」よりも「自分が生きるための仕事」が優先されることがある。家族を女手一つで養う仕事なら仕方がないが、「自己実現のための仕事」のために家族の食事を作らないことには子どもから激しい抵抗がある。子どもにとって一番安心できるのは、母親に「自己実現の欲求」のないことなのである。
め以子には「何かになりたい」という想いがない。しかも、おいしいものを作らないではいられない性分である。専業主婦になるために生まれてきたような人である。
「何かをなし遂げなくてはいけない」「自己実現しなくてはならない」というのは一種の脅迫であると感じる女性が増加している。
職業がなくてもいいのではないか。成功よりも居心地のよさを追求する方がいいのではないか。め以子とベニシアさんは、まあ、そう言っているわけである。
http://news.goo.ne.jp/article/dot/life/medical/dot-2013102400021.html
県NIE推進協議会の第20回新聞記事感想文コンクールの受賞作品から、会長賞の新潟市立鳥屋野中学校2年、知野ひなきさんの「再会へ心をひとつに」と、産経新聞社賞の同市立浜浦小学校6年、宮崎真有さんの「広島の平和宣言を読んで」を紹介する。
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□会長賞・新潟市立鳥屋野中2年 知野ひなきさん
■再会へ心をひとつに
「母ちゃん、話したいこといっぱいあるよ」。大きな見出しで書かれたある日の新聞が目にとまりました。それは、佐渡市の曽我ひとみさんと母ミヨシさんが北朝鮮に拉致されてから八月十二日で三十五年になる前に、新潟で県民集会が開かれたという記事でした。
その記事には、ひとみさんの浴衣を夜なべして縫い、枕元に置いてくれていた、心の優しい母の思い出やミヨシさんから贈られた宝物の時計をひとみさんは肌身離さず今でも大切にしていたということが書かれていました。それを読みながら私はまるで自分もその会場で聞いているような気持ちになり、涙が止まりませんでした。今までテレビや映画を見て涙を流した事はありましたが、新聞を読んで涙が止らなくなった経験は初めてでした。それにこれは物語やドラマなどではなく本当に起きたことなのです。
「もし自分だったら」と考えるだけで胸がしめつけられるように苦しくなり、恐怖心でいっぱいになりました。
私は今までも何度か佐渡へ行ったことがありましたが、いつも多勢の観光客でにぎわう様子やきれいな海が印象的でした。まさか同じ島で三十五年前に恐ろしい出来事が起きたなんて想像もつきません。
今回新聞を読んで私は、拉致の被害にあい悲しんでいる人達、苦しんでいる人達の力に少しでもなりたいと思いました。そのために自分には何ができるのかと考えました。まずは被害者の帰国に向けて県民が心を一つに活動していること、被害者とその家族の再会を願う強い思いを決して忘れないことです。署名活動も機会があれば協力したいです。そして拉致問題の解決に向けてがんばっている方々の背中を支えていける大人になりたいです。
今度佐渡を訪れた時は、以前とは違った景色に私の目には映る気がします。
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□産経新聞社賞・新潟市立浜浦小6年 宮崎真有さん
■広島の平和宣言を読んで
私は八月六日の朝、広島で行われた平和記念式典をテレビでずっと見ていました。中でも印象に残ったのは広島市長の平和宣言です。平和宣言を聞いて、初めて原爆のことについて知りました。多くの人々が被害にあった時はもちろん、今もずっと病気とたたかっていたり、家族をなくした苦しみ悲しみにたえていたりしていることも知りました。
とにかく驚きました。もう一度平和宣言を聞きたいと思いました。そこで新聞記事を探して、何度も何度も平和宣言を読みました。
生き残った人も傷つける原爆は、何も悪くない人々の心も体も傷つけるとても残酷なものです。悲しみといかりがわきあがりました。でもこれだけじゃない、もっとたくさんのことがある、と思いました。私は直接広島に行って実際にあったことを見たいと思いました。
「どんな理由があっても武器を持って戦争をすることは多くの人を傷つける事なんだよ」
お母さんの言葉が、より広島に行きたいという気持ちを強くさせました。原爆は人々に何を残したのか見て感じたいと思いました。
「広島に行きたい」と言うとお父さんもお母さんも何も言わずに次の日に広島に向かうことが決まりました。
私は広島の平和記念公園に行きました。原爆ドームに行きました。そして原爆資料館に行きました。最初は展示がこわくて目をそらしそうになりました。でも、見ておかなければと思い、全ての展示を見ました。
とても残酷でひどくてひどくて、手のふるえが止りませんでした。絶対に戦争をしてはいけない、そう深く思いました。一度戦争をすれば、おたがいに傷つけ合うということがわかりました。そんな悲しい事はなくなってほしいです。
これから、世界中で戦争がなくなって、二度と原爆が使われることがないように、いろいろな事を学んで、私にできることを考えたいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131026-00000072-san-l15
物語文は得意でも、説明文は内容がよく理解できない、と苦手意識を持つ子どもは少なくないだろう。平山入試研究所の小泉浩明氏に、説明文を読み解くコツを教えていただいた。
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【小泉氏のアドバイス】
文章を読んで理解するには、「想像力」が大切です。ただし、説明文では物語文とは違う想像力の使い方をします。文と文や段落と段落の関係を想像することで内容理解を深める必要があります。また、難しい文章であればあるほど、「筆者のイイタイコトはこんなことだろう」という想像が、最後まで読みきるための羅針盤になります。
想像する力をつける方法として、「接続語」を意識させることが有効です。文章の中に接続語が出てきたら印を付けさせ、次に何が書かれているかを想像させるのです。あるいは、いくつかの接続語を与えておいて、その間に文を埋めて文章を作らせるのもよい方法です。たとえば、だから(順接)、しかし(逆接)、たとえば(例示)などの接続語を挙げておき、それらを使って文章を作るのです。
よい文章を作る必要はありませんし、文章の流れが多少不自然でも問題はありません。重要なことは、接続語によって文章の方向性が決まるということを気付かせることです。何回か繰り返していくうちに、接続語の役割や想像することの意味を体感できると思います。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/benesse-10021.html
将来は医学部に行かせたいけれど、でもまだ小学生だから……。
いえいえ、準備に早すぎるということはありません。今のうちにやるべきことがあるのです。
医学部受験指導の“神様”による特別レクチャー。「表現力」について解説します。
■4年生のうちに「6年分の漢字」を覚えてしまおう
近年では小論文や面接を入試に取り入れる大学が増え、自分の考えを文章や発言によって表現できることが重視されるようになっています。
したがって、ここでいう表現力とは、文学的な表現力のことではなく、「自分の考えを筋道立ててわかりやすく説明する力」を指します。プレゼンテーション力といってもいいでしょう。
表現力を強化するには、子供にたくさんおしゃべりをさせる、日常の出来事について「なぜ? 」と自分なりの疑問をもつように促す、ニュース番組を一緒に見て、それについて親子で話し合ってみるといったことから始めるとよいでしょう。
また、表現力を下支えする基礎づくりとして、小学校で習う漢字すべてを4年生までに習得することをおすすめします。
というのも、人の脳には「9歳の壁」と呼ばれる現象があるからです。9歳から10歳を境にして単純思考から抽象思考へと移行していきます。漢字の習得は単純記憶の領域なので、9歳以前のほうがむしろ得意で、どんどん覚えられるのです。キャラクターの名前などと同じように頭に入るわけです。
漢字を覚えればボキャブラリーも豊富になり、言葉で表現するためのハードルがぐっと下がります。
そのようにして基礎ができてきたら、話題になっている科学トピックなどについての400字(原稿用紙1枚)ほどの説明文を書かせ、それを親がひととおり添削してやります。ここで大切なのは、子供の書いた文章が漠然としていて文意がつかめなかったときに、「まだ子供だから仕方ない」と思い込まないこと。子供であっても、自分なりの視点をもって言いたいことが何なのかを掘り下げれば、論旨の通った説明を文章化するのは不可能ではありません。理解できる知識の範囲でかまわないので、より具体的な記述ができるように、親も一緒になって直すのを手伝ってやることです。
とはいえ、文章を添削するのは大人にとっても難しいことですから、アンチョコを利用してもいいでしょう。『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者として知られる樋口裕一さんの著作には、小論文や作文トレーニングの指南書も多数ありますので、参考になると思います。
目標は小学5、6年生くらいで、1つのテーマについて大人と話ができるようになること。例えば「iPS細胞って何? 」という問いに対し、自分が知っていることを秩序立てて説明できればOKです。
表現力は入試だけでなく、実際に医師になったときにもとても大事な能力です。例えば池上彰さんのような人が医師だったとしたら、患者の満足度は高いでしょう。病状や治療法をわかりやすく説明できる医師は、それだけ患者に信頼されるのです。
入試に限らず、これからの時代を生き抜くために必須の能力として、表現力はますます重要になっていくはずです。
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和田秀樹
精神科医。東京大学医学部卒業。診療を続ける一方、著書『受験は要領』がベストセラーとなって以来、受験指導の権威としても知られる“受験の神様”。
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石田純子=構成 教える人:和田秀樹
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131021-10010907-pfamily-bus_all
医師という聖職への憧れか、はたまた就職不安の裏返しなのか、医学部人気は過熱の一途をたどっている。その第1関門となる医学部受験は、学力に自信のある志望者が集中するハイレベルな戦いになること必至。参戦するなら相応の準備は不可欠だ。
「医学部合格の極意」シリーズほか、受験関連書のベストセラーを多数上梓し、“受験の神様”の異名をとる和田秀樹氏によれば、「勝負は小学生のうちから始まっている」という。中学受験を目指すかどうかは別として、早いうちから学力の基礎を固め、医師に通じる職業観を養ってこそ、医学部受験に対応できる学力と胆力が身につくのである。
氏自身も難関・灘高から東大医学部へと進学し、現役の精神科医として活躍しているだけに、実感を踏まえたアドバイスとしてぜひ参考にしてほしい。
医学部合格にはセンター試験で9割以上得点できるレベルが求められます。
しかし英語、国語、社会などはもともと完璧を期すのが難しい科目です。勉強次第で満点を目指せる数学や理科で点を稼ぐのが9割への近道になります。
そのために重要なのが計算力です。
大学入試の理数科目の得点は、小学校で学ぶ計算をいかに速く正確に行えるかがカギを握ります。
三角関数や微分積分が出てくるのは大学入試でも数II、数IIIと物理くらいのもの。化学や生物で使う計算は、複雑になっているとはいえ、元をたどれば小学校で習う四則演算の発展形です。
しかも算数はすでに習った知識を基礎にして次のステップへ進む積み上げ式の教科なので、1度つまずくとその後に習う内容も身につきません。だからこそ、すべての土台となる計算力を小学生のうちに確実にしておく必要があるのです。
大切なのは計算力より思考力だという反論もあるでしょう。しかし、計算が得意な子は1つの解法を試してダメだったときに、すぐ別の解法を試そうとします。ところが計算が苦手な子は試行錯誤を面倒に感じて、次の一手になかなか移れません。当然そこで思考も途切れてしまいます。計算力があるからこそ、思考力も伸びていくのです。
また、計算力は訓練を重ねれば着実に身につきますので、中高生に比べて時間の余裕がある小学生のうちに、しっかりと補強しておきたいものです。
難しい文章題や図形の問題は解けるのに、計算ミスをしてばかりいる子がときどきいますが、うっかりミスだからとそのままにしておくといつまでも直らないので、ドリルなどで毎日練習させたほうがよいでしょう。
とくに小数・分数の計算では誤答率が高くなりがちです。長い計算などで、最初の計算で出た答えを利用して2段階、3段階と計算を重ねる問題の場合、1つでも間違えれば正答できません。複雑な計算や、小数・分数はとくに留意して強化を心がけましょう。
ドリルをやるときはノーミスで正答できるのはもちろん、記載されている制限時間を2割短縮するのを目標としたいものです。入試では、ちょっとした計算ミスが大きな痛手になるという理由もありますが、それ以上に人の命を預かる医師という仕事にミスは許されず、スピードも求められることを、子供のうちから実感しておいてほしいのです。
また、私は医学部を目指す子に対して、中学受験をしなくても、小学校で習うすべての計算を5年生の終盤までに習得し、6年生になったら中学入試レベルの難易度の高い問題にチャレンジすることを勧めています。
学校の授業を先回りすることになりますが、仕組みがわかれば自分で先に進めるのが計算問題の良さなので、小学校時代の計算の総仕上げとしてやってみる価値はあるでしょう。
次回(10月20日更新予定)は「読解力」について解説します。
計算力と並んで重要なのが読解力です。医学部志望なのに読解力が大事というのは意外に思われるかもしれません。しかし今の子供を取り巻く環境は、親の時代とは様変わりし、文章に触れる機会が格段に少なくなっています。
そのため子供たちの読解力の低下は著しく、結果として物理や数学の文章題を読みこなせなかったり、解答の解説文が理解できずに正解への過程がわからなかったりする事態がたびたび起こっています。
語学のみならず、すべての学問は読解力があるからこそ伸びていくものなのです。
実際に、ある小学校で調査を行ってみたところ、読解力と各教科の成績はきれいに正比例していたそうです。「読解力はないが算数はできる」などという子はいないのですね。
もっとも、大事だからといって、読解力とされる能力をまんべんなく鍛えろというのではありません。
医学部を志望する子の場合は、理数系科目の理解に必要な「論理的読解力」にたけていることが大事ですから、物語や詩の理解を問う「心情読解」は後回しで構わないでしょう。
さてその論理的読解力ですが、論説文、つまり初めに問題提起や現状説明がなされ、論理展開を経て結論へと導かれる構成の文章を、繰り返し読むことで訓練できます。
小学校の高学年であれば新聞、とくに社説がよい題材になります。
一般紙が難しければ、小学生新聞でかまいません。6年生の終わりまでに社説程度の長さ、つまり1400字前後の論説文を読んで内容をきちんと理解し、論理展開の因果関係を把握しながら要約できるようになるのを目標にしましょう。
また読書が好きな子なら、新書やブルーバックスのような科学読み物もおすすめです。最近では新書にも平易な文章で書かれたものが増えており、小学生でも理解しやすくなっています。
新聞や新書類がまだまだ難しい小学校低学年の子であれば、書き言葉に慣れることから始めるとよいでしょう。物語、図鑑、歴史漫画など、ジャンルは何でもいいので、まずは文字に触れる機会を増やすことが大事と考えてください。
一般に小学校の国語教育は物語の解釈や心情読解が中心で、医学部受験に必要な論理読解にはさほどウエートが置かれていません。したがって医学部を目指すなら、たとえ国語の成績が良かったとしても、あとで家庭でフォローする必要があると私は考えています。
例えば、子供が本を手に取りやすい環境が家庭の中にある、あるいは新聞の社説や記事を子供が読んでいたら「内容を要約してごらん」と親が促してみる。そして要約した内容が、文章のエッセンスをきちんとつかんでいるか確認する。
そんなふうに親が手伝って文章理解のきっかけをつくってやることが、子供の読解力を伸ばすのです。
次回(10月21日更新予定)は「表現力」について解説します。
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和田秀樹
精神科医。東京大学医学部卒業。診療を続ける一方、著書『受験は要領』がベストセラーとなって以来、受験指導の権威としても知られる“受験の神様”。
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(石田純子=構成 教える人:和田秀樹)
http://news.goo.ne.jp/article/president/life/education/president_10906.html
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