子どもの頬が赤くなるリンゴ病として知られる「伝染性紅斑」の患者数が、この冬、過去10年で最も多くなっていることが国立感染症研究所のまとめでわかった。
妊婦が感染すると、流産や死産につながることもあるため、感染研では予防を呼びかけている。
まとめによると、昨年1年間に、全国約3000か所の小児科から報告された患者数は9万8500人と過去10年で最多だった。今年に入っても、小児科1か所当たりの患者数は4~10日で0・83人、11~17日で0・8人と過去10年で最多の水準で推移している。
伝染性紅斑はウイルスを含む飛まつを吸い込んだり、物に触れたりすることで感染する。1~2週間の潜伏期間後、発熱や筋肉痛などを訴え、その1週間後に両頬が赤く腫れる典型的な症状が表れる。患者の9割以上を9歳以下の子どもが占めるが、大人の集団感染事例もある。妊娠中に感染した69人のうち、35人が流産し、14人が死産だったとの報告もある。
感染研感染症疫学センターの砂川富正第二室長は「4年ぐらいの周期で流行する傾向があり、今年も流行する可能性がある。妊婦が、体調を崩している子どもの世話をする場合、食器を別にし、しっかり手洗いしてほしい」と話している。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129606
処方薬が高い滝から水がどっと流れるように増えていくことを、医師の間で「処方の滝(カスケード)」と呼んでいます。高齢になると様々な病気にかかることが多いので自然に薬が増えていきます。新しい薬剤の開発が進むことでも薬は増えます。けれども、薬の飲み過ぎでかえって体調を崩す人も少なくないのです。
施設に入所中の80歳代男性は発熱がみられたため病院の総合診療科に紹介入院となりました。既往に統合失調症があり、抗精神病薬が数種類処方されていました。それに加えて様々な種類の薬剤が処方されており、合計で15種類となっていました。
胸部の聴診で肺炎の所見があり、ものをのみ込む機能が落ちていました。口の中の細菌が唾液と共に肺に流れ込んで起きる誤嚥ごえん性肺炎でした。ただちに細菌を殺す抗生物質の点滴を開始しました。
全身の診察で、男性にはその他にもいろいろな異常があることが判明しました。手足の筋肉が硬くなるパーキンソン症状、記憶力や理解力などの認知機能の低下、ひどい下痢、などでした。
パーキンソン症状は抗精神病薬によるものでした。そのパーキンソン症状を抑えるために処方されていた薬が原因で認知機能の低下がみられました。認知機能の低下に対して処方されていた薬が原因でひどい下痢が起きていました。
入院してこれらの薬を終了し、最終的に4種類に調整しました。ポリファーマシー(多剤投与)という問題が最近注目されています。一般的には5種類以上の薬を長期継続している場合を意味します。5種類以上になると副作用が出やすいというデータがあるからです。男性はその後、自力で食事摂取や移動ができるようになり、元気に退院されました。(徳田安春・地域医療機能推進機構顧問)
(2016年1月28日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129344
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)が今年に入り、4年半ぶりに全国的な流行の兆しを見せていることが、国立感染症研究所のまとめでわかった。
まとめによると、今月4~10日に、全国約3000の小児科から報告のあった患者数は3771人で、1か所当たり1・2人となった。1か所あたり1・0人を超えるのは、2011年7月以来。
1か所当たりの患者数が多い都道府県は、佐賀(5人)、宮崎(4・23人)、石川(3・31人)で、各県とも流行注意報を発令した。
おたふく風邪はムンプスウイルスの感染で起きる。2~3週間の潜伏期間後、耳の下が腫れ、発熱する。通常は1~2週間で治るが、無菌性髄膜炎や脳炎などを引き起こすことがあり、0・1~1%の確率で難聴になる。
感染研感染症疫学センターの砂川富正・第二室長は「おたふく風邪の流行は4~5年周期で起こる傾向があり、今年は流行する可能性がある。ワクチンを接種して予防することも重要だ」と話している。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129305
日本気象協会は14日、花粉飛散のピークの予測を発表し、東京ではスギ花粉が3月上中旬、ヒノキ花粉が4月上中旬で、いずれも例年並みとした。
同協会によると、スギ花粉の飛散のピークは、福岡が2月下旬~3月上旬、東京と名古屋、大阪、広島、高松が3月上旬~中旬、仙台と金沢が3月中旬~下旬になる見込み。ヒノキ花粉は、福岡が3月下旬、大阪と広島、高松が4月上旬、東京が4月上旬~中旬、名古屋は4月中旬がピークとなる見通しで、仙台と金沢では飛散量が少なく、はっきりとしたピークはないとみられる。同協会は、関東甲信や東海などでは2月上旬から花粉のシーズンが始まると予測している。
(2016年1月15日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129124
突然の高熱で気づくことが多いインフルエンザ。いったん流行すると、学校や職場で集団感染してしまったり、子供やお年寄りが死亡する例があったりと、油断すると怖い病気でもあります。
しかし「症状が悪化するとどうなるの?」「予防接種のワクチンを受けたのにインフルエンザにかかってしまったのはなぜ?」「いつから流行するの?」など、意外と知らないことも多いですよね。
そこでここでは、医師に教えていただいたインフルエンザの基礎知識や予防方法、治療方法について、徹底的にご紹介します。
インフルエンザは、風邪ウイルスの1つである「インフルエンザウイルス」によって引き起こされる病気です。A、B、C型の3つのタイプがあり、主にA、B型が流行します。
風邪疾患の中でも重症化することが多く、また感染力も強いため、しっかりと予防することが必要です。
ウイルスの感染後、数日の潜伏期間があり、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状が突然現れます。
併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。
発熱・咳・くしゃみといった症状は、ウイルスを排出するために現れるものです。そのため、こうした症状が出ている間は、まだ体内にインフルエンザウイルスが残っているということになります。
日本では例年12月~3月頃に流行します。
感染した人の咳やくしゃみといった飛沫感染、ウイルスのついた手で目や口、鼻を触るといった接触感染によって、ウイルスに感染します。
身体がつらいだけでなく、感染を防ぐために1週間ほど外出できないこともあるインフルエンザ。なるべくウイルスに感染しないように気をつけたいですよね。
こちらでは、普段の生活習慣からインフルエンザを予防する方法をご紹介します。特にインフルエンザが流行する冬に心がけるとよいでしょう。
インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。したがって、飛沫を浴びないようにすれば、インフルエンザに感染する機会は大きく減少します。
流行シーズンに入ったら、まずはしっかりとマスクをすることを心がけることが大切です。
手洗いは、手指など体についたインフルエンザウイルスを除去するために有効な方法です。インフルエンザに限らず、接触感染による感染症対策の基本は手洗いですので、外出後の手洗いを習慣づけるといいでしょう。
空気が乾燥すると、気道粘膜での防御機能が低下するため、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。
インフルエンザが流行してきたら、人混みや繁華街への外出を控えましょう。特に高齢の方や持病のある方、妊婦、疲労気味、睡眠不足の方は、要注意です。
やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、飛沫などを防ぐことができる不織布製マスクを着用するといいでしょう。
普段から予防を心がけていても、完全にインフルエンザを防ぐのは難しいもの。マスクや手洗いだけでは心配な人には、予防接種のワクチンをおすすめします。しかし、予防接種って本当に効くの?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、インフルエンザの予防接種を受けたからといって、必ず感染しないというわけではありません。
インフルエンザにかかるときは、ウイルスが口や鼻から体の中に入ってきて、細胞に侵入して増殖します。この状態を「感染」といいますが、ワクチンにはこれを抑える働きはありません。
しかし、インフルエンザの予防接種を受けておいて損はありません。ここでは予防接種の効果と、受けるにあたって知っておくべきポイントをご説明します。
感染後に発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が起こることを「発症」といいます。予防接種のワクチンは、「発病の可能性を減らす効果」を持っていて、阻止率は60%といわれています。
また3年連続でワクチンを受けた人のほうが効果が高いという報告もあり、毎年予防接種を受ける方が発病リスクを減らすことができるといわれています。
インフルエンザ発症後、多くの方は1週間ほどで回復しますが、中には肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院治療が必要になる場合や、最悪の場合は死に至る場合もあります。
これをインフルエンザの「重症化」といいます。特に基礎疾患のある方や高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。
予防接種の効果で重要なのは、この「感染の重症化を防ぐことができる」点にあります。
季節性インフルエンザワクチンでは、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した2週間後~5カ月程度までと考えられています。
インフルエンザは例年12月~3月頃に流行しますので、12月中旬までにワクチン接種を終えてください。
インフルエンザで比較的多く見られる副反応には、以下のものがあります。
症状 | 発症率など |
---|---|
接種した場所の赤み、はれ、痛みなど | 10~20%・通常2~3日でなくなる |
発熱、頭痛、寒気、だるさなど | 5~10%・通常2~3日でなくなる |
副反応が出て気になるときは、接種した医師に相談するとよいでしょう。また、大したことない症状でも、2~3日経過したのによくならない場合は、医師に相談してください。
また、まれに発疹、じんましん、赤み、掻痒感、呼吸困難など、アナフィラキシー様症状のショック反応などが起こることがあります。この場合はすぐに病院を受診しましょう。
インフルエンザにかかってしまった場合は、下記の2点に気をつけましょう。
インフルエンザかもと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。インフルエンザだと診断されたら、さらなる感染を防ぐために自宅で安静にして、休養をとります。特に睡眠を十分にとることが大切です。
インフルエンザの際に処方される抗インフルエンザウイルス薬には以下のようなものがあり、症状を半日〜1日ほど短くする効果が報告されています。
これらの薬物のうちどれを処方するかは、ウィルスの耐性具合や副作用の違いを考えて、医師が判断します。
また、抗インフルエンザウイルス薬だけでは、発熱や頭痛・咳・くしゃみなどの症状を抑えることはできません。
身体のだるさや痛みは発熱によるものが大きいため、抗インフルエンザウイルス薬とあわせて解熱剤などを使うことで、身体の痛みは多少改善されます。
お茶でもスープでも、飲みたいもので構いませんので、水分をしっかり摂りましょう。ウイルスは湿気に弱いので、加湿器などで部屋の湿度を上げて、体内にも水分を摂取することで、ウイルスを弱体化させることができます。
咳やくしゃみ等の症状のあるときは、周りの方に移さないために、不織布(ふしょくふ)製のマスクを着用しましょう。
また、以下のような「咳エチケット」を守ることも大切です。
抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内に服用を開始することが大事です。
インフルエンザの場合、排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。
排出期間の長さには個人差がありますが、今までの統計から、1週間もしくは解熱してから2日経っていればウイルスは排出されたものと考えられています。
ですので、「発症から1週間もしくは解熱から2日」が経過するまでは、基本的に外出してはいけません。
会社員の場合、インフルエンザなど感染症での欠勤に関して、就業規則に記載されていることが多いです。発症時・復職時に診断書は必要なのか、休む場合の連絡方法をどうするかなどは、あらかじめ確認しておきましょう。
小児・未成年者は、インフルエンザにかかると、急に走り出す・部屋から飛び出そうとする・ウロウロと歩き回るなどの異常行動を起こす恐れがあります。
インフルエンザは予防接種をすれば安心というわけではありませんが、普段の生活の中で感染を避ける努力はできそうですね。
寒さが本格化する前に、インフルエンザを寄せ付けない知識を身につけてくださいね。
夏の間は暑く、汗をかくのでたくさんの水を飲むけれど、冬はあまり水分を取らないという人は多いのではないでしょうか?
実は、夏に比べ警戒感が下がって油断していると脱水症状に陥りやすくなります。四季を問わず、高齢者や乳幼児は脱水症にかかる可能性が高いので注意が必要です。
ここでは、冬の脱水症状の症状やその予防法についてご紹介します。
一般的に冬は、野菜や果物から摂取する水分量が夏に比べて少ないと言われており、水分摂取量が減りがちです。さらに、冬になるとエアコンや暖房などにより皮膚の乾燥に悩まされる人も多いのではないでしょうか?
実はこれも脱水の原因とされていて、乾燥すると体から水分が失われやすくなります。
かくれ脱水の症状としては、まず肌の乾燥が気になったら要注意です。 その他にも、
といった症状も脱水が起きている可能性があります。似たような症状があれば、注意してみてください。
まずは水分摂取を心がけるようにしましょう!冬になると食べたくなる「鍋」なども脱水予防には有効です。
乾燥を予防するために、お風呂上がりに体に保湿クリームを塗ったり、加湿器などで部屋の中の湿度を高く保つようにしましょう。外気は室内に比べて10~20%程湿度が高いので、寒くても窓を空けて空気の入れ替えをするのも有効です。
冬の脱水症状には、なかなか気づかないことも多いです。特に高齢者や乳幼児への脱水症状対策は大切です。
水分補給をこまめにするよう心がけてみてください。
寒くなってくると風邪かな?と思うことが多くなると思います。「風邪」といっても症状には種類があり、風邪という名称も正式なものではなく多くの病気の総称であることは広く知られています。だからこそ、どのように対処すればいいのかわからないことがありますよね。
特に風邪薬については、市販薬でもいいのか、どんなものを選べばいいのかなど、意外にわからないことだらけです。早く治すためにも、しっかりと知識をつけて対処したいところ。
そこでここでは、「風邪かな?」と感じたときにどうするべきなのか、医師に聞いた対処法と風邪薬の選び方、そして予防方法までご紹介します。
風邪の対処法として科学的に良いとされているのは、安静にすることとビタミンCを摂取することの2つです。
無理に学校や会社に行かず、静かに身体を休めるのが一番です。
ビタミンCの推奨摂取量は1日に1~2gとなっています。摂取しておけば、風邪をひいたときに症状が成人で8%、小児で14%も抑えられることがわかっています。
とはいえ、ビタミンC・1~2gを食事から摂取するのは大変なこと。仮にレモンだと、10~20個分ほど食べなければいけません。それは現実的でないので、食事とともにサプリメントや栄養ドリンクなども活用して、ビタミンCをしっかり摂りましょう。
小児科医に実施したアンケートによると、88%の医師が2~4歳の小児が風邪を引いた場合の入浴を認めています。
以下の3つの条件を満たしていれば、風邪を引いていてもお風呂に入ってもよいようです。
風邪をひいたときの入浴について決まりはありませんが、上記の条件を参考にすると、大人の場合でも熱があるときやぐったりしているときは、なるべく避けたほうが無難です。
逆に、微熱程度であれば基本的に入浴してもいいということです。ただし、熱い湯に浸かると体力を消耗してしまうので、ぬるま湯にするか、シャワーのみでとどめておくといいでしょう。
風邪をひいたとき、処方薬や市販薬を服用する方もいるかと思いますが、服用の際に知っておきたいポイントがあります。
実は風邪のウイルスに直接作用する薬はあまりなく、薬による対症療法の間に自然治癒を待つのが一般的です。
「抗生剤(抗菌薬)」が処方されることがありますが、抗生剤では風邪のウイルスは減少しません。もし、風邪と思われる症状がウイルスではなくバイキン・細菌によって引き起こされるものであった場合に、抗生剤で対処する必要があるので、念のために処方されるのです。
抗生剤が処方されたら医師の指示にしたがって服用する必要がありますが、抗生剤によって大腸菌など体内の常在菌が殺されてしまい、下痢などの症状が出ることがありますので、注意が必要です。
解熱剤や咳を止める薬など、対症療法の薬が処方されたら、薬を服用しながら安静にして、自然治癒を待ちましょう。
お医者さんにかかるほどではないな、というときは、市販薬を購入される方もいるかと思います。その場合は、特に辛い症状を抑えてくれるものを選びましょう。
たとえば、鼻水やくしゃみといった症状が辛い場合は、花粉症の薬にも入っている「抗ヒスタミン薬」がおすすめ。また、高熱や喉の痛みが辛い場合は、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤がいいでしょう。
市販されている「葛根湯」「麻黄湯」といった漢方でもOKです。葛根湯は全身の血流をよくしてくれるので、身体のあらゆる状態を整えてくれます。
風邪の予防には手洗い・うがいというのは常識ですね。水やイソジンなどうがいに使用するものには種類がありますが、結論からいうと「水」が一番効果があるとされています。しかし、1日3回、1回15秒以上うがいをしなければ予防はできません。
イソジン等のうがい薬を使った場合、うがいをしないときと予防効果があまり変わらないということが科学的に証明されています。うがいをしないで風邪をひく人を100人中26人とするなら、イソジンでうがいをしていて風邪をひく人は24人と、ほぼ変わらない数値が出ています。
手洗いは非常に簡単で、お金のかからないとても効果的な予防法とされています。その効果は凄まじく、手洗いをするだけで咳や肺炎、下痢などの発症率が50%も減少します。
科学的には証明されていないのですが、やはりマスクは予防方法としておすすめ。また、実際に風邪をひいてしまったときも、エチケットとして必ずマスクをするようにしましょう。
マスクは、ガーゼのものより不織布のものの方がウイルスを通しにくくなっています。また、鼻のところに針金が入っているものの方がよりフィットするので、密封効果が高いです。
風邪の症状は、しっかりと栄養を摂って安静にしていれば、自然治癒で治すことができます。無理せずに身体を休めて、早く風邪を治しましょう!
冬の寒い時期、インフルエンザや風邪といった病気とともによく耳にするのが、「ノロウィルス」。つらい症状が出るので、子どもも大人もしっかり予防しておきたい病気です。
しかし、下痢や嘔吐をともなう感染症の原因として知られるノロウィルス、実際のところ「症状がよくわからない」「どうやって治すの?治療法はあるの?」などといった疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、ノロウィルスの基礎知識や予防方法・治療方法について、お医者さんに詳しく教えていただきました。
秋の終わりから春先にかけ流行する嘔吐・下痢症の原因として、ノロウィルスやロタウィルスがあります。これらは冬に流行するという特徴を持っています。
症状 | 突如はじまる嘔気・嘔吐・下痢(発熱・血便はなし) |
---|---|
症状 | 子どもは嘔吐/成人は下痢が症状として多く見られる |
潜伏期間 | 数時間から数日 |
潜伏期間が短いですが、症状も数日以内に治まります。
下痢を引き起こすウィルスはほかにも多数あります。そのなかでノロウィルスが特にピックアップされる理由は、人から人へ感染する力が非常に高く、とても流行しやすいためなんです。
実のところ、下痢などの症状が出ても、その原因がノロウィルスなのかほかのウィルスなのかは見た目ではわかりません。
かかったウィルスがどんなものであっても、対処法や治療法は同じです。ウィルス感染の疑いがある場合は、まずノロウィルスを疑って対処するのがいいでしょう。
ノロウィルスに汚染された飲料水・食物による感染=食中毒をさします。特に、火の通っていない生ガキやカキ、アサリといった貝を内臓ごと摂取することで、発症することがあります。
最近では、調理従事者や配膳者がノロウィルスに汚染された手指で食材を触ることによる、集団食中毒も報告されています。
接触後、汚染された手指や物品を口に入れたり、舐めたりすることにより、ノロウィルスが口の中に入ってしまい、感染します。
ノロウィルスによる症状を発症している患者の吐しゃ物や下痢便が床などに飛び散ったとき、その小さな水滴が1~2mほど飛ぶことがあります。それを吸い込むことによって感染するのが、「飛沫感染」です。
吐しゃ物や下痢便を片付ける場合にもその飛沫は発生するため、気をつけて処理をすることが必要です。
また吐しゃ物や下痢便が放置されると、ウィルスを含む汚物が乾燥し、かけらやほこりが風に乗って舞い散ります。それを吸い込み、飲み込んでしまうことでも、感染する恐れがあります。
特効薬や治療法のないノロウィルスの一番の予防策は、ズバリ「手洗い」!風邪などさまざまな病気予防の基本ではありますが、何よりも大切で効果のある方法なのです。
会社や学校・家においても、石けんによる手洗いの徹底をおこないましょう。液体の石けんでも、固形の石けんでも構いません。
ちなみに石けんは「抗菌」である必要はないです。というのも、石けんは手についたウィルスを殺菌しているわけではなく、手に付着したウィルスや吐しゃ物のかけらを泡で落としているためです。特に抗菌でなくても、泡だてば十分に効果があります。
経口感染を防ぐために、なるべく該当する魚介類を生で食べないようにしましょう。また周囲に感染者が出ているときは、ひとつの料理やお菓子を大人数で食べるのも避けたいところです。
たとえば職場に差し入れで届いたホールケーキや、宅飲みで食べがちな鍋。みんなで同じものをつつくという状況は、可能な限り避けましょう。職場や学校だけでなく、家庭に感染者がいた場合でも、回し食べをしたことで、ノロウィルスにかかる確率はグッと上がります。
ウィルスへの感染に関係なく、下痢をした人はとりあえずトイレを拭いておきましょう。
ふき取った後の紙や雑巾は使いまわさず、できるのであればビニール袋に入れて捨てます。紙の場合は、トイレに流せるタイプのものだと処理が楽でいいですね。
また、下痢をしたあと水を流す際には、フタを閉めてから水を流すのも効果的です。ウィルスが飛び散るのを防いでくれます。水を流した後に、便座とフタはしっかり拭いておきましょう。
会社や家で嘔吐・下痢をした人がいた場合、汚物の処理にも気をつけたいところです。
特に家族内で感染者が出た場合、食器や料理器具を触ることの多いお母さんは気をつけてくださいね。
薄めた塩素系消毒剤で5分間消毒ができればなお良いですが、現実的には難しいところです。ウェットティッシュが応急処置としておすすめです。
ふき取った後の紙や雑巾はそれぞれビニール袋に入れて捨てるか、可能であればトイレに流すのがベストです。すべての処理が終わったら、しっかり丁寧に手を洗いましょう!
そもそも、ノロウィルスには治療法や特効薬はありません。というのも、ウィルスは何もしなくても勝手に体外へ出て行くためです。症状も数日以内に治まることがほとんどです。
しかし気をつけたいのが、脱水症状です。下痢によって排出される水分をきちんと補給することがなによりも重要になってきます。
水を飲むのが大事とはわかっていても、飲めば飲むほど下痢や嘔吐が激しくなってしまうこともあります。そんなときは、スプーンですくって、食べるようにして水分を摂取するのがおすすめです。
スポーツドリンクを使用する場合は、薄めて飲みましょう。粉状のスポーツドリンクも、普段より薄めて飲むようにします。ほかの製品では、ナトリウムなどがきちんと含まれている経口補水液「OS1」などがおすすめです。
とはいえ、買うとなると経済的にも負担が大きいため、基本は水そのもので大丈夫です。可能であれば、経口補水液を作ってみましょう!分量については、WHOが公式に発表しているものがあります。
材料 | 分量(水1リットルに対して) |
---|---|
砂糖 | 40グラム(大さじ4.5) |
食塩 | 3グラム(小さじ3分の1) |
既製品のよりもこちらのほうが吸収しやすく、かつ経済的な負担も少ないため、経口補水液を手作りしてみてはいかがでしょうか?
ノロウィルスに特別な治療法や特効薬はありません。症状がおさまるまでは、自宅療養でも大丈夫です。
しかし、「病院に行くべきタイミング」はあります。どうしてもダメで苦しい・だるいと感じたときは、無理をせず病院にいきましょう。
また、下記のような症状の場合もすぐ病院へ。
いずれも、点滴が必要なほど脱水が前面に出ている症状です。できるだけ早く病院に行きましょう。
スプーンで水分を摂取することすら難しいような状況だと、点滴で水分を補給するのが最も現実的な方法です。どうしても辛いときは、ためらわず点滴をお願いしましょう。
正しい知識があればノロウィルスの予防・治療そして処理も、正しく行うことができますね。
これからの季節に猛威を振るいはじめるノロウィルスですが、とにかく「手洗い予防」を徹底しましょう!帰宅時の手洗い、食事前の手洗い…手についたウィルスを洗い落として、健康で楽しい冬をすごしましょう!
インフルエンザ流行のピークを前に予防接種が本格化している。今季はインフルエンザワクチンに含まれるウイルスの型が増え、ワクチン代が値上がり。各自治体は重症化しやすい高齢者らを対象に接種費の助成を行っているが、財源に限りがあるなどの理由で個人負担額の格差が広がっている。助成の負担増に悩む自治体からは「国も含めた制度の見直しが必要」との声も上がり始めた。(遠藤信葉)
■高齢者は「負担ゼロ」も
「町外のかかりつけ病院では3000円かかるが、ここなら無料なのでありがたい」。11月20日、インフルエンザの予防接種のため、福岡県上毛こうげ町の野中内科クリニックを訪れた町内の女性(82)は、こう語った。大分県中津市との境に住む女性は普段、自宅に近い中津市の病院に通っているが、予防接種は毎年、上毛町内で受けている。
2005年から65歳以上に、予防接種費用の全額を助成している上毛町。町子ども未来課の垂水英治課長は「インフルエンザは高齢者の死亡率が高い。町民の命を守るため、全員が受けられるよう個人負担をゼロにしている」と説明する。
町で昨年度、予防接種を受けた高齢者は1615人。接種率は国の平均より約10ポイント高い62・8%だった。垂水課長は「町内でインフルエンザが蔓延まんえんした記憶はほとんどない」と話す。
■各自治体の裁量
高齢者のインフルエンザ予防接種は、01年から予防接種法に基づく定期接種の対象になった。しかし、予防接種は保険がきかない自由診療のため、接種費は医療機関によって異なり、一般的には2000円台~5000円台。費用の約3割に地方交付税が充てられるが、それ以上の助成の有無や額は自治体の裁量に委ねられている。
宮崎県五ヶ瀬ごかせ町では1人あたり1600円を助成しているが、窓口での個人負担額は2400~2778円になる。担当者は「町の予算規模や、子供を対象にした助成とのバランスを考えると、高齢者を対象に、町がこれ以上負担することは難しい」と話す。
■ワクチン値上がりの影響
今季はワクチン価格が上昇し、さらに格差が拡大する傾向にある。北九州市や熊本市、鹿児島市などは、昨季1000円だった個人負担額を1500円に引き上げた。一方、昨季と同様、大分県別府市は1000円、佐賀県多久市は1200円に据え置いた。
各県医師会のまとめなどによると、九州での個人負担額は0~3000円と大きな開きがある。個人負担額が小さいのは福岡県の上毛町や川崎町(0円)、佐賀県の玄海町や基山町(500円)など。大きいのは熊本県宇城市(最大で3000円)などだ。
上毛町では、今年度の当初予算で1人あたりの助成額を3000円とし、1900人分の570万円を計上した。その後、ワクチン値上がりが判明したが、昨年度の接種人数から、助成を500円上乗せしても予算内に収まると判断。地元医師会と交渉し、個人負担ゼロの方針を変えずに対応した。
しかし、こうした手厚い助成も、いつまで続けられるかは不透明だ。上毛町の垂水課長は「いずれ高齢化が進み、税収が更に減少する時期がくる。その時まで今の助成を維持できるかどうか」と不安を漏らす。
厚生労働省の担当者は「限りある交付税の中で、財源措置はすでに行っている。予防接種はあくまで自治体の所管事業なので、自治体の判断に任せるしかない」と説明している。
インフルエンザはもともと予防接種法の対象だったが、接種効果を疑問視する指摘があり、1994年に対象から外れた。その後、高齢者の集団感染や死亡が相次いだことなどから01年、65歳以上を対象に同法で定める「定期接種」の対象となった。しかし高齢者以外は原則、定期接種の対象になっていない。
高齢者と同じように抵抗力が弱く、集団感染を起こしやすい子供のワクチン接種については、一部の自治体が独自に助成を行っているものの、多くの自治体では全額自費で接種しなければならない。生後半年から13歳未満の子供は、2回の接種が推奨されているため、家計への負担は少なくない。
◇
インフルエンザワクチン 国立感染症研究所で開かれる検討会で毎年、流行が予想されるウイルスの種類を選定し、厚生労働省が決定、国内4メーカーが製造する。ウイルスを鶏卵で増殖させて作る。従来はA型2種類とB型1種類の「3価ワクチン」だったが、今季からB型を2種類含む「4価ワクチン」になり、製造コストが増えた。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127680
「目にいつもいつも頑強な痛みがあって何もできない」「家の中でも眩まぶしさがあって外出はおろか、自分の移動もままならない」という方が眼科を訪れることは、決して珍しくありません。
原因となる目の異常がわかれば、眼科医としてはありがたく、必要な治療を施すことで改善すれば患者も医師も平和です。
ところが眼球をくまなく診察しても、そういう強い訴えに対応する所見が得られないことが結構あります。
そういう場合、医師は「どこも悪くありません。心配ないです」などと言うでしょう。ところが、患者さんとしては、それで症状が取れるわけではなく、納得がゆきません。
もしかすると医師は、眼精疲労とか、ドライアイとか、何か理由をつけて点眼薬を処方するかもしれません。効くと信じて使用すると心理的効果で症状が軽減する「偽薬効果」を期待している場合もあります。
こうした不明で頑固な症状の原因のひとつとして私が見つけたのは、薬物の副作用でした。
自覚症状の程度には軽重がありますが、こうした症状を持っている症例のかなりの人々が共通して使用している薬があったのです。それは、安定剤や睡眠導入薬として多用されているベンゾジアゼピン系あるいは同等の薬理作用を持つ薬の連用でした。
同等の薬理作用というのは脳内の神経伝達物質受容体のうち、「GABA」の受容体に作用する薬物で、ほとんどの睡眠導入薬が含まれます。
ただし、この種の薬物を長期連用している例には、薬への依存性があって容易には中止できません。無理に突然中止すると「離脱症候群」といって、予期できない身体のいろいろな症状が出現したり、今出ている症状が重症化したりすることがあります。ですので、慎重にゆっくり、場合によっては補助薬などを使用しながら何か月もかけて減量、そして中止にもってくる必要があります。
こうして減量中止が成功した例の中に、劇的に頑固な症状が改善し、喜び一杯の笑みで再来される患者さんを何十人もみて、やはり薬物の副作用だったのだと確信するに至ります。
ところが、これらの副作用は、眼科医にも、処方している科の医師にもほとんど知られていませんし、薬物の添付文書にも明確な記載はありません。
全例とはゆきませんが、減量中止で改善させられる可能性がある副作用だけに、これを「ベンゾジアゼピン眼症」として広めていかなければならないと、この副作用に気づきはじめた眼科医たちと相談しているところです。
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