[ カテゴリー:医療 ]

うがい薬でコロナ改善?医師解説

『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説

大阪府の吉村府知事から、『ポビドンヨード(商品名イソジン)のうがいで新型コロナウイルスの量が減る』もしくは『重症化を防ぐ』という趣旨の発表があり波紋を呼んでいます。

発表後の状況をみると、現場からみるとちょっと心配になる情報発信ではと思い、医師の目から解説してみようと思います。

ポビドンヨードによるうがいは、『風邪予防に有効ではない』という研究結果があります

医療者のなかで、とても有名な研究があります。

『風邪を予防するために、どんなうがいをすればいいか』というテーマの研究です。

その研究には、健康な大人387人が参加しました。

そして、1)水でうがいをするグループ、2)ポビドンヨードでうがいをするグループ、3)特にケアをしないグループ(対照群)にランダムにわかれ、その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかというテーマで検討されました。

すると、水のみでうがいをすると、うがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポビドンヨードでうがいをするグループは効果が認められなかったのです。

ポビドンヨードは確かに、細菌やウイルスをつよく叩く効果があります。しかし、水のみのうがいのほうがポビドンヨードのうがいよりも有効だったということになったのです。

なぜでしょうか?

ポビドンヨードは強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらには粘膜なども痛めてしまうからと考えられています。強すぎるゆえに『総合的には効果が相殺されてしまう』のですね。

また、一般的に、ポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられますが、長期使用に関しては甲状腺機能を障害する可能性が指摘されています。

そのため、長期に使い続ける場合は定期的な検査が推奨されます。

新型コロナのPCR検査が陰性なら、新型コロナによる悪化が減らせる?

今回の報道をみるかぎり分かることはひとつです。

『ポビドンヨードによるうがいをすると、一時的に唾液(つば)の中の新型コロナの量が減るということ』です。

ここで注意したいことがあります。

『唾液(つば)の検体でPCR検査が陰性化すること』と、『新型コロナによる悪化を防ぐか』は、似ていますが、同じではないということです。

例えば、こんな有名な研究があります。

心筋梗塞の後に、症状がないもしくは症状が軽い不整脈(心室期外収縮)がある方を対象にして、不整脈を減らすための薬を使って不整脈を減らすと、亡くなる方が減るのではないかというテーマの研究です。

すると、不整脈の薬を内服された方のほうが不整脈が減ったのに、むしろ不整脈で亡くなる方は増えてしまったのです。

もちろん、不整脈薬が全部わるいという意味ではありません。

メリットが大きい場合は薬も必要なのですが、検査結果を良くしても最終的にはデメリットが大きくなってしまう可能性もあるということです。

私も、ポビドンヨードによるうがいで感染が少なくなればいいなと思っています。しかし今のところ、ポビドンヨードによりうがいに関しては、『答えを明確に出せない、もしかすると長期的な使用で害もあるかもしれない』方法かもしれないと心配しています。

『うがいでPCR検査が陰性化』をどのように捉えればいいでしょうか?

ここで、ちょっと例えをだしてみましょう。

あなたが、『インフルエンザかもしれない』と病院に行ったとしましょう。

その受診したときの医師に『ちょっとうがいをしっかりしてみてください』と指示されて、しっかりとしたうがいをしたとして、その後にインフルエンザの検査をのどで行い、その検査結果が陰性だとしましょう。

『陰性ですね。インフルエンザではありません』と、あなたは診断されました。

どう思うでしょうか?

あなたは、『鼻で検査をしたら陽性にならないんでしょうか?』

と思わないでしょうか(※※)?

繰り返しになりますが、今回の報道は、唾液の中の新型コロナが減っても、その後の新型コロナによる悪化が防がれるという研究結果ではないのです。検査の陽性率が下がった、という結果です。

うがいによって、一時的に新型コロナが検出されにくくなっただけなのかもしれないのです。

なお、新型コロナに関して、『予防的・定期的なポビドンヨードの使用が有効かどうか』は現在2本の研究が進行しているようです。これらの結果をみてからでも遅くはないように思います。

うがいは、『一時的に人に感染させるリスクを減らす』にはいいかもしれない
ポビドンヨードでうがいをする場面はどんな場合でしょうか?

たとえば、飛沫のなか含まれる新型コロナの量を短時間減らし、『飛沫による拡散を一時的に減らす』効果を期待するときでしょう。

たとえば、『新型コロナにかかっているけれども、無症状のひと』が3~4割いると推定されています。

ですので、エアロゾルが沢山でそうな処置をしなければならないなら、その前にうがいをしっかりするといいかもしれませんよね。

実際に、歯医者さんでの処置の前にうがいをしっかりすると、歯科医への新型コロナの感染リスクを低減するかもしれないという考え方も報告されています。

口の中を清潔に保つ、『口腔ケア』は重要です

一方で、体調を崩したときに、口の中の清潔をたもつ『口腔内ケア』は重要です。

新型コロナに限らず、歯磨きなどで口の中の清潔を保つと、肺炎などのリスクが下がることがわかっています。

ですので私は、PCR検査を陰性化させることが目的というより、口の中清潔を保つことの方を優先するといいのではないかと思っています。

つまり、普段から丁寧にうがいしたり歯磨きをしたりをしておくといいのではということですね。

なお、ポビドンヨードの転売は、法律違反になります。転売された製品を見かけても購入しないようにしましょうね。


※※インフルエンザによる検査は、のどで検査をすると偽陰性(ほんとうは陽性だけれども、検査では陰性と誤って出てしまう)になりやすいですので、普通は鼻から検体をとります。

※※※2020/8/4追記 初出でポピドンヨードとポビドンヨードが混在していましたが、『ポビドンヨード』に統一しました。


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「光線過敏症」強い日光に注意を

皮膚に赤いブツブツが...強い日光には要注意の「光線過敏症」って?

初夏から夏にかけて日差しが強くなると、増える皮膚トラブル。日焼けのほか、皮膚が腫れる、赤いブツブツが出る、かゆみを伴うなど異常な皮膚反応を起こしていたら、「光線過敏症」かもしれません。そこで、ひふのクリニック人形町院長の上出良一(かみで・りょういち)先生に、「光線過敏症」の原因や対処法について教えていただきました。
原因によって症状やメカニズムが違う
「光線過敏症」は日光に当たって起こるアレルギーが主ですが、様々な原因があります。
別の原因で起こっている「脂漏性皮膚炎」や「皮膚筋炎」などの皮膚病が、光線に当たることで誘発されたり、悪化したりする場合もあり、光線過敏症と思い込んでいる方も少なくありません。
光線過敏症で多いのは「多形日光疹」、「日光蕁麻疹」、「薬剤性光線過敏症」です。
多形日光疹は紫外線の刺激で皮膚中の成分が変化することで起こるアレルギー反応で、日焼け止めで予防することができます。
日光蕁麻疹は日光を浴びるとできる成分へのアレルギー反応です。
可視光線が原因のことがほとんどなので、日焼け止めだけでは予防できません。
強い日光に当たらないことが大切です。
中高年で多いのは、薬剤性光線過敏症です。
貼り薬や内服薬が原因で起こります。
貼り薬では、抗炎症成分ケトプロフェンを含む湿布薬が挙げられます。
はがした後、貼った部位を日光(紫外線)に当てると赤く腫れ、水ぶくれなどを起こします。
貼った部位は、はがした後少なくとも4週間は日光に当てないようにします。
他人から譲られた湿布を使わない、医師から指示された部位以外に貼らないことも大切です。
飲み薬では、チアジド系の降圧利尿薬が配合されている降圧剤が挙げられます。
医療機関と相談して、原因となる薬剤の服用をやめ、1〜3カ月間は直射日光を避けます。
光線過敏症の種類とは?
●多形日光疹
 [症 状] 紫外線を浴びて約半日後に、赤くて小さい粒状の湿疹とかゆみが出る
 [原 因] 紫外線
 [対処法] 数日たっても症状が治まらない場合はステロイド薬を外用する
●日光蕁麻疹
 [症 状] 肌が赤いミミズ腫れのようになる紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [原 因] 紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [対処法] 直射日光を避けると症状は治まる。症状が治まらない場合は、抗ヒスタミン薬を服用する
●薬剤性光線過敏症
 [症 状]
 ①湿布薬を貼ったところが赤く腫れ、水ぶくれなど強い症状が出る
 ②薬を服用後に日光に当たり、顔や首周りに日焼けに似た症状が強く出る
 [原 因]
 ①貼り薬(ケトプロフェンを含む湿布薬など)
 ②内服薬(チアジド系の降圧利尿薬が配合された降圧剤など)
 [対処法] 原因となっている薬の服用や湿布の使用をやめる 1〜3カ月は直射日光を避ける
主な予防法って?
・強い日光に当たらないようにする
・日焼け止めを塗る(可視光線では無効)
・肌のバリア機能を保つ
・原因薬剤の使用をやめる
予防のためにできること
日光に直接当たらないことが大切です
・日光が強い時間帯に外出しない
・日焼け止めを塗る
・汗をかいたときにこすらない
・日傘や帽子を使う
・薄手の長袖を着る
・日陰を通る
受診前の簡単テストで診断しやすくなる
かゆみは冷やすと治まります。
かきむしると全身に症状が広がったり、アレルギー反応が強くなったりする可能性もあるので、注意が必要です。
受診する場合は、症状が起きたときの様子(いつから、どのような症状が、いつまで続いたか)を医師に伝えられるよう、事前にメモを用意しておきます。
下に自分でできる簡単なテスト法を紹介したので、やってみてください。
日光を避けることが最も有効ですが、長時間野外にいるときは別として、日常生活に支障を来すほど神経質になる必要はありません。
受診前に試しておきたいテスト
・晴れた日の昼前後に20〜30分間、腕を日光に当てる。
・衣類で覆う部分、日焼け止め(SPF50+、PA++++)をしっかり塗る部分、露出する部分に分ける。
《部分ごとに症状をチェック!》
●どのような症状が出たか
全体が赤い、ボコボコと虫刺されのように腫れる、赤いブツブツ、 かゆみ、ヒリヒリ痛いなど
●いつ頃出たか
日光に当てているうちか、時間がたってからかなど
●いつまで続いたか
1〜2時間以内、2〜3日続いたなど
※日光を当てている間、直後、15分後、夕方、翌日などのタイミングで写真を撮影して、受診の際に持参するとよい。

取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子
ひふのクリニック人形町院長
上出良一(かみで・りょういち)先生
1973年、東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医。東京慈恵会医科大学客員教授。「アトピー性皮膚炎」「光線過敏症」「スキンケア」の論文多数。

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「光線過敏症」強い日光に注意を

皮膚に赤いブツブツが...強い日光には要注意の「光線過敏症」って?

初夏から夏にかけて日差しが強くなると、増える皮膚トラブル。日焼けのほか、皮膚が腫れる、赤いブツブツが出る、かゆみを伴うなど異常な皮膚反応を起こしていたら、「光線過敏症」かもしれません。そこで、ひふのクリニック人形町院長の上出良一(かみで・りょういち)先生に、「光線過敏症」の原因や対処法について教えていただきました。
原因によって症状やメカニズムが違う
「光線過敏症」は日光に当たって起こるアレルギーが主ですが、様々な原因があります。
別の原因で起こっている「脂漏性皮膚炎」や「皮膚筋炎」などの皮膚病が、光線に当たることで誘発されたり、悪化したりする場合もあり、光線過敏症と思い込んでいる方も少なくありません。
光線過敏症で多いのは「多形日光疹」、「日光蕁麻疹」、「薬剤性光線過敏症」です。
多形日光疹は紫外線の刺激で皮膚中の成分が変化することで起こるアレルギー反応で、日焼け止めで予防することができます。
日光蕁麻疹は日光を浴びるとできる成分へのアレルギー反応です。
可視光線が原因のことがほとんどなので、日焼け止めだけでは予防できません。
強い日光に当たらないことが大切です。
中高年で多いのは、薬剤性光線過敏症です。
貼り薬や内服薬が原因で起こります。
貼り薬では、抗炎症成分ケトプロフェンを含む湿布薬が挙げられます。
はがした後、貼った部位を日光(紫外線)に当てると赤く腫れ、水ぶくれなどを起こします。
貼った部位は、はがした後少なくとも4週間は日光に当てないようにします。
他人から譲られた湿布を使わない、医師から指示された部位以外に貼らないことも大切です。
飲み薬では、チアジド系の降圧利尿薬が配合されている降圧剤が挙げられます。
医療機関と相談して、原因となる薬剤の服用をやめ、1〜3カ月間は直射日光を避けます。
光線過敏症の種類とは?
●多形日光疹
 [症 状] 紫外線を浴びて約半日後に、赤くて小さい粒状の湿疹とかゆみが出る
 [原 因] 紫外線
 [対処法] 数日たっても症状が治まらない場合はステロイド薬を外用する
●日光蕁麻疹
 [症 状] 肌が赤いミミズ腫れのようになる紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [原 因] 紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [対処法] 直射日光を避けると症状は治まる。症状が治まらない場合は、抗ヒスタミン薬を服用する
●薬剤性光線過敏症
 [症 状]
 ①湿布薬を貼ったところが赤く腫れ、水ぶくれなど強い症状が出る
 ②薬を服用後に日光に当たり、顔や首周りに日焼けに似た症状が強く出る
 [原 因]
 ①貼り薬(ケトプロフェンを含む湿布薬など)
 ②内服薬(チアジド系の降圧利尿薬が配合された降圧剤など)
 [対処法] 原因となっている薬の服用や湿布の使用をやめる 1〜3カ月は直射日光を避ける
主な予防法って?
・強い日光に当たらないようにする
・日焼け止めを塗る(可視光線では無効)
・肌のバリア機能を保つ
・原因薬剤の使用をやめる
予防のためにできること
日光に直接当たらないことが大切です
・日光が強い時間帯に外出しない
・日焼け止めを塗る
・汗をかいたときにこすらない
・日傘や帽子を使う
・薄手の長袖を着る
・日陰を通る
受診前の簡単テストで診断しやすくなる
かゆみは冷やすと治まります。
かきむしると全身に症状が広がったり、アレルギー反応が強くなったりする可能性もあるので、注意が必要です。
受診する場合は、症状が起きたときの様子(いつから、どのような症状が、いつまで続いたか)を医師に伝えられるよう、事前にメモを用意しておきます。
下に自分でできる簡単なテスト法を紹介したので、やってみてください。
日光を避けることが最も有効ですが、長時間野外にいるときは別として、日常生活に支障を来すほど神経質になる必要はありません。
受診前に試しておきたいテスト
・晴れた日の昼前後に20〜30分間、腕を日光に当てる。
・衣類で覆う部分、日焼け止め(SPF50+、PA++++)をしっかり塗る部分、露出する部分に分ける。
《部分ごとに症状をチェック!》
●どのような症状が出たか
全体が赤い、ボコボコと虫刺されのように腫れる、赤いブツブツ、 かゆみ、ヒリヒリ痛いなど
●いつ頃出たか
日光に当てているうちか、時間がたってからかなど
●いつまで続いたか
1〜2時間以内、2〜3日続いたなど
※日光を当てている間、直後、15分後、夕方、翌日などのタイミングで写真を撮影して、受診の際に持参するとよい。

取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子
ひふのクリニック人形町院長
上出良一(かみで・りょういち)先生
1973年、東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医。東京慈恵会医科大学客員教授。「アトピー性皮膚炎」「光線過敏症」「スキンケア」の論文多数。

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「光線過敏症」強い日光に注意を

皮膚に赤いブツブツが...強い日光には要注意の「光線過敏症」って?

初夏から夏にかけて日差しが強くなると、増える皮膚トラブル。日焼けのほか、皮膚が腫れる、赤いブツブツが出る、かゆみを伴うなど異常な皮膚反応を起こしていたら、「光線過敏症」かもしれません。そこで、ひふのクリニック人形町院長の上出良一(かみで・りょういち)先生に、「光線過敏症」の原因や対処法について教えていただきました。
原因によって症状やメカニズムが違う
「光線過敏症」は日光に当たって起こるアレルギーが主ですが、様々な原因があります。
別の原因で起こっている「脂漏性皮膚炎」や「皮膚筋炎」などの皮膚病が、光線に当たることで誘発されたり、悪化したりする場合もあり、光線過敏症と思い込んでいる方も少なくありません。
光線過敏症で多いのは「多形日光疹」、「日光蕁麻疹」、「薬剤性光線過敏症」です。
多形日光疹は紫外線の刺激で皮膚中の成分が変化することで起こるアレルギー反応で、日焼け止めで予防することができます。
日光蕁麻疹は日光を浴びるとできる成分へのアレルギー反応です。
可視光線が原因のことがほとんどなので、日焼け止めだけでは予防できません。
強い日光に当たらないことが大切です。
中高年で多いのは、薬剤性光線過敏症です。
貼り薬や内服薬が原因で起こります。
貼り薬では、抗炎症成分ケトプロフェンを含む湿布薬が挙げられます。
はがした後、貼った部位を日光(紫外線)に当てると赤く腫れ、水ぶくれなどを起こします。
貼った部位は、はがした後少なくとも4週間は日光に当てないようにします。
他人から譲られた湿布を使わない、医師から指示された部位以外に貼らないことも大切です。
飲み薬では、チアジド系の降圧利尿薬が配合されている降圧剤が挙げられます。
医療機関と相談して、原因となる薬剤の服用をやめ、1〜3カ月間は直射日光を避けます。
光線過敏症の種類とは?
●多形日光疹
 [症 状] 紫外線を浴びて約半日後に、赤くて小さい粒状の湿疹とかゆみが出る
 [原 因] 紫外線
 [対処法] 数日たっても症状が治まらない場合はステロイド薬を外用する
●日光蕁麻疹
 [症 状] 肌が赤いミミズ腫れのようになる紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [原 因] 紫外線の場合もあるが、可視光線がほとんど
 [対処法] 直射日光を避けると症状は治まる。症状が治まらない場合は、抗ヒスタミン薬を服用する
●薬剤性光線過敏症
 [症 状]
 ①湿布薬を貼ったところが赤く腫れ、水ぶくれなど強い症状が出る
 ②薬を服用後に日光に当たり、顔や首周りに日焼けに似た症状が強く出る
 [原 因]
 ①貼り薬(ケトプロフェンを含む湿布薬など)
 ②内服薬(チアジド系の降圧利尿薬が配合された降圧剤など)
 [対処法] 原因となっている薬の服用や湿布の使用をやめる 1〜3カ月は直射日光を避ける
主な予防法って?
・強い日光に当たらないようにする
・日焼け止めを塗る(可視光線では無効)
・肌のバリア機能を保つ
・原因薬剤の使用をやめる
予防のためにできること
日光に直接当たらないことが大切です
・日光が強い時間帯に外出しない
・日焼け止めを塗る
・汗をかいたときにこすらない
・日傘や帽子を使う
・薄手の長袖を着る
・日陰を通る
受診前の簡単テストで診断しやすくなる
かゆみは冷やすと治まります。
かきむしると全身に症状が広がったり、アレルギー反応が強くなったりする可能性もあるので、注意が必要です。
受診する場合は、症状が起きたときの様子(いつから、どのような症状が、いつまで続いたか)を医師に伝えられるよう、事前にメモを用意しておきます。
下に自分でできる簡単なテスト法を紹介したので、やってみてください。
日光を避けることが最も有効ですが、長時間野外にいるときは別として、日常生活に支障を来すほど神経質になる必要はありません。
受診前に試しておきたいテスト
・晴れた日の昼前後に20〜30分間、腕を日光に当てる。
・衣類で覆う部分、日焼け止め(SPF50+、PA++++)をしっかり塗る部分、露出する部分に分ける。
《部分ごとに症状をチェック!》
●どのような症状が出たか
全体が赤い、ボコボコと虫刺されのように腫れる、赤いブツブツ、 かゆみ、ヒリヒリ痛いなど
●いつ頃出たか
日光に当てているうちか、時間がたってからかなど
●いつまで続いたか
1〜2時間以内、2〜3日続いたなど
※日光を当てている間、直後、15分後、夕方、翌日などのタイミングで写真を撮影して、受診の際に持参するとよい。

取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子
ひふのクリニック人形町院長
上出良一(かみで・りょういち)先生
1973年、東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医。東京慈恵会医科大学客員教授。「アトピー性皮膚炎」「光線過敏症」「スキンケア」の論文多数。

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抗原と抗体 検査で何がわかる?

「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

COVID19の感染者数がまた増加に転じ、これからどうなるのだろうと不安な日々を過ごしている方が多いと思います。
3、4月の頃と違い、現在はPCR検査のほかに「抗原検査」や「抗体検査」という用語をよく耳にするようになりました。
PCR検査は特定の医療機関や保健所を通じて行うため実施のハードルが上がりますが、「抗体検査」は簡易検査キットも流通しており、自費診療のため取り扱いのある医療機関で受けたり、一部ネットでも入手でき、自宅でも検査ができるようになっています。
検査キットは5月頃に流通が始まり、検査が受けられるようになってすぐの頃は「受けてみたいかも!」と思いましたが、この抗体検査、果たして必要なものでしょうか?
今回は、抗原と抗体の違い、それに抗原検査と抗体検査についてわかりやすく説明します。

抗原と抗体=泥棒と警察?

そもそも抗原と抗体の違いをご存知ですか?
「抗原」とは、ウイルスや細菌のほかアレルギーを引き起こす花粉や卵などの、体に免疫反応を起こす物質そのものを指します。
一方「抗体」は免疫グロブリンというたんぱく質のことで、体に入ってきた異物(ウイルスや細菌、花粉など)にぴったりと適合して、その異物を排除するように働きかけるものです。
つまり、「抗原」は外部から体内に侵入してくるもの、「抗体」は異物が入ってきた時に体の中で作られる警察のようなものだと思ってください。
コロナウイルス感染症の場合を考えてみましょう。
「抗原検査」では咽頭ぬぐい液やだ液の中にCOVID19そのものがいるかどうかを調べています。
一方「抗体検査」では、抗体というたんぱく質ができているかどうかを調べています。

<抗原検査>
① 現在コロナウイルスに感染している → 抗原(+)
② 過去にコロナウイルスに感染していたが治癒した → 抗原(−)
③ 一度も感染したことがない → 抗原(−)

抗原検査では「過去に感染したかどうかはわからないけれど、現時点でコロナウイルスは体内にいない(感染していない)」という判断ができます。
一方、抗体検査では以下の通りです。

<抗体検査>
① 現在コロナウイルスに感染している→(+)(−)両方のパターンの可能性
② 過去にコロナウイルスに感染していた→(+)(−)両方のパターンの可能性
③ 一度も感染したことがない→(−)

抗体検査において①と②はどうして両方のパターンが出てしまうのでしょうか。
COVID19はまだ十分に全容が把握できていない感染症です。
そのため、感染してからどのくらいの時間で抗体ができるのか、また、感染して獲得した抗体が一体どのくらいの期間続くのかがわかっていません。
麻疹などのように一度子どもの時にかかってしまえばずっと免疫が続くものなのか、それとも感染して抗体を獲得しても数ヶ月〜数年で消失してしまうものなのかがわからないのです。
そのため①の場合、実は感染しているけれど、感染のごく初期でまだ抗体ができていない可能性も考えられますし、②の場合は過去に感染したことがあるけれどすでに抗体が消失している可能性があるため、+と−両方のパターンが考えられます。

抗体検査だけでは不十分

他の感染症の話ですが、たとえば「C型肝炎」は、現在とても良く効く薬ができたのでほとんどのケースで治るようになりました。
しかし、治って体の中にウイルスがいなくなったとしても抗体はなくならないので、血液検査で調べると抗原(−)、抗体(+)という結果になります。
これは、ウイルスそのものはいなくなっても、肝炎ウイルスに対する反応としてできた抗体は基本的になくならないからです。
そのため、肝炎の検査では抗体検査だけを行っても現在感染していないことの証明にはならないので、必ず抗原検査・抗体検査をセットで行なって、過去に感染していたのか、現在感染していないかということを調べます。

抗体検査は何のため?

では、コロナウイルスの抗体検査にまったく意味がないかというと、そういう訳ではありません。
日本では、東京都、大阪府、宮城県で計7,950人を対象に大規模な抗体検査を実施しました。
これは個人個人が「感染の可能性を知る目的」で行なったものではなく、無作為に対象者を抽出して検査を行うことで、市中感染の広がりや抗体保有率を調査する目的で行われたものです。
結果は、東京都0.1%、大阪府0.17%、宮城県0.03%でした。
症状のあるコロナウイルスが疑われる人に実施したPCR検査の数と陽性率を調査しても、実際に日本でどのくらいの人が感染している(もしくは感染していた)かが十分に把握できないからです。
このように、抗体検査は研究や調査のために用いたり、抗原検査とセットで補助的に実施することに意味があります。
安易に抗体検査だけを受けて陰性だったから大丈夫!と思うことが一番心配で、もしかしたら感染のごく初期かもしれないし明日感染するかもしれないということを十分に心に留めていただきたいなと思います。

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抗原と抗体 検査で何がわかる?

「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

COVID19の感染者数がまた増加に転じ、これからどうなるのだろうと不安な日々を過ごしている方が多いと思います。
3、4月の頃と違い、現在はPCR検査のほかに「抗原検査」や「抗体検査」という用語をよく耳にするようになりました。
PCR検査は特定の医療機関や保健所を通じて行うため実施のハードルが上がりますが、「抗体検査」は簡易検査キットも流通しており、自費診療のため取り扱いのある医療機関で受けたり、一部ネットでも入手でき、自宅でも検査ができるようになっています。
検査キットは5月頃に流通が始まり、検査が受けられるようになってすぐの頃は「受けてみたいかも!」と思いましたが、この抗体検査、果たして必要なものでしょうか?
今回は、抗原と抗体の違い、それに抗原検査と抗体検査についてわかりやすく説明します。

抗原と抗体=泥棒と警察?

そもそも抗原と抗体の違いをご存知ですか?
「抗原」とは、ウイルスや細菌のほかアレルギーを引き起こす花粉や卵などの、体に免疫反応を起こす物質そのものを指します。
一方「抗体」は免疫グロブリンというたんぱく質のことで、体に入ってきた異物(ウイルスや細菌、花粉など)にぴったりと適合して、その異物を排除するように働きかけるものです。
つまり、「抗原」は外部から体内に侵入してくるもの、「抗体」は異物が入ってきた時に体の中で作られる警察のようなものだと思ってください。
コロナウイルス感染症の場合を考えてみましょう。
「抗原検査」では咽頭ぬぐい液やだ液の中にCOVID19そのものがいるかどうかを調べています。
一方「抗体検査」では、抗体というたんぱく質ができているかどうかを調べています。

<抗原検査>
① 現在コロナウイルスに感染している → 抗原(+)
② 過去にコロナウイルスに感染していたが治癒した → 抗原(−)
③ 一度も感染したことがない → 抗原(−)

抗原検査では「過去に感染したかどうかはわからないけれど、現時点でコロナウイルスは体内にいない(感染していない)」という判断ができます。
一方、抗体検査では以下の通りです。

<抗体検査>
① 現在コロナウイルスに感染している→(+)(−)両方のパターンの可能性
② 過去にコロナウイルスに感染していた→(+)(−)両方のパターンの可能性
③ 一度も感染したことがない→(−)

抗体検査において①と②はどうして両方のパターンが出てしまうのでしょうか。
COVID19はまだ十分に全容が把握できていない感染症です。
そのため、感染してからどのくらいの時間で抗体ができるのか、また、感染して獲得した抗体が一体どのくらいの期間続くのかがわかっていません。
麻疹などのように一度子どもの時にかかってしまえばずっと免疫が続くものなのか、それとも感染して抗体を獲得しても数ヶ月〜数年で消失してしまうものなのかがわからないのです。
そのため①の場合、実は感染しているけれど、感染のごく初期でまだ抗体ができていない可能性も考えられますし、②の場合は過去に感染したことがあるけれどすでに抗体が消失している可能性があるため、+と−両方のパターンが考えられます。

抗体検査だけでは不十分

他の感染症の話ですが、たとえば「C型肝炎」は、現在とても良く効く薬ができたのでほとんどのケースで治るようになりました。
しかし、治って体の中にウイルスがいなくなったとしても抗体はなくならないので、血液検査で調べると抗原(−)、抗体(+)という結果になります。
これは、ウイルスそのものはいなくなっても、肝炎ウイルスに対する反応としてできた抗体は基本的になくならないからです。
そのため、肝炎の検査では抗体検査だけを行っても現在感染していないことの証明にはならないので、必ず抗原検査・抗体検査をセットで行なって、過去に感染していたのか、現在感染していないかということを調べます。

抗体検査は何のため?

では、コロナウイルスの抗体検査にまったく意味がないかというと、そういう訳ではありません。
日本では、東京都、大阪府、宮城県で計7,950人を対象に大規模な抗体検査を実施しました。
これは個人個人が「感染の可能性を知る目的」で行なったものではなく、無作為に対象者を抽出して検査を行うことで、市中感染の広がりや抗体保有率を調査する目的で行われたものです。
結果は、東京都0.1%、大阪府0.17%、宮城県0.03%でした。
症状のあるコロナウイルスが疑われる人に実施したPCR検査の数と陽性率を調査しても、実際に日本でどのくらいの人が感染している(もしくは感染していた)かが十分に把握できないからです。
このように、抗体検査は研究や調査のために用いたり、抗原検査とセットで補助的に実施することに意味があります。
安易に抗体検査だけを受けて陰性だったから大丈夫!と思うことが一番心配で、もしかしたら感染のごく初期かもしれないし明日感染するかもしれないということを十分に心に留めていただきたいなと思います。

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抗原と抗体 検査で何がわかる?

「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

COVID19の感染者数がまた増加に転じ、これからどうなるのだろうと不安な日々を過ごしている方が多いと思います。
3、4月の頃と違い、現在はPCR検査のほかに「抗原検査」や「抗体検査」という用語をよく耳にするようになりました。
PCR検査は特定の医療機関や保健所を通じて行うため実施のハードルが上がりますが、「抗体検査」は簡易検査キットも流通しており、自費診療のため取り扱いのある医療機関で受けたり、一部ネットでも入手でき、自宅でも検査ができるようになっています。
検査キットは5月頃に流通が始まり、検査が受けられるようになってすぐの頃は「受けてみたいかも!」と思いましたが、この抗体検査、果たして必要なものでしょうか?
今回は、抗原と抗体の違い、それに抗原検査と抗体検査についてわかりやすく説明します。

抗原と抗体=泥棒と警察?

そもそも抗原と抗体の違いをご存知ですか?
「抗原」とは、ウイルスや細菌のほかアレルギーを引き起こす花粉や卵などの、体に免疫反応を起こす物質そのものを指します。
一方「抗体」は免疫グロブリンというたんぱく質のことで、体に入ってきた異物(ウイルスや細菌、花粉など)にぴったりと適合して、その異物を排除するように働きかけるものです。
つまり、「抗原」は外部から体内に侵入してくるもの、「抗体」は異物が入ってきた時に体の中で作られる警察のようなものだと思ってください。
コロナウイルス感染症の場合を考えてみましょう。
「抗原検査」では咽頭ぬぐい液やだ液の中にCOVID19そのものがいるかどうかを調べています。
一方「抗体検査」では、抗体というたんぱく質ができているかどうかを調べています。

<抗原検査>
① 現在コロナウイルスに感染している → 抗原(+)
② 過去にコロナウイルスに感染していたが治癒した → 抗原(−)
③ 一度も感染したことがない → 抗原(−)

抗原検査では「過去に感染したかどうかはわからないけれど、現時点でコロナウイルスは体内にいない(感染していない)」という判断ができます。
一方、抗体検査では以下の通りです。

<抗体検査>
① 現在コロナウイルスに感染している→(+)(−)両方のパターンの可能性
② 過去にコロナウイルスに感染していた→(+)(−)両方のパターンの可能性
③ 一度も感染したことがない→(−)

抗体検査において①と②はどうして両方のパターンが出てしまうのでしょうか。
COVID19はまだ十分に全容が把握できていない感染症です。
そのため、感染してからどのくらいの時間で抗体ができるのか、また、感染して獲得した抗体が一体どのくらいの期間続くのかがわかっていません。
麻疹などのように一度子どもの時にかかってしまえばずっと免疫が続くものなのか、それとも感染して抗体を獲得しても数ヶ月〜数年で消失してしまうものなのかがわからないのです。
そのため①の場合、実は感染しているけれど、感染のごく初期でまだ抗体ができていない可能性も考えられますし、②の場合は過去に感染したことがあるけれどすでに抗体が消失している可能性があるため、+と−両方のパターンが考えられます。

抗体検査だけでは不十分

他の感染症の話ですが、たとえば「C型肝炎」は、現在とても良く効く薬ができたのでほとんどのケースで治るようになりました。
しかし、治って体の中にウイルスがいなくなったとしても抗体はなくならないので、血液検査で調べると抗原(−)、抗体(+)という結果になります。
これは、ウイルスそのものはいなくなっても、肝炎ウイルスに対する反応としてできた抗体は基本的になくならないからです。
そのため、肝炎の検査では抗体検査だけを行っても現在感染していないことの証明にはならないので、必ず抗原検査・抗体検査をセットで行なって、過去に感染していたのか、現在感染していないかということを調べます。

抗体検査は何のため?

では、コロナウイルスの抗体検査にまったく意味がないかというと、そういう訳ではありません。
日本では、東京都、大阪府、宮城県で計7,950人を対象に大規模な抗体検査を実施しました。
これは個人個人が「感染の可能性を知る目的」で行なったものではなく、無作為に対象者を抽出して検査を行うことで、市中感染の広がりや抗体保有率を調査する目的で行われたものです。
結果は、東京都0.1%、大阪府0.17%、宮城県0.03%でした。
症状のあるコロナウイルスが疑われる人に実施したPCR検査の数と陽性率を調査しても、実際に日本でどのくらいの人が感染している(もしくは感染していた)かが十分に把握できないからです。
このように、抗体検査は研究や調査のために用いたり、抗原検査とセットで補助的に実施することに意味があります。
安易に抗体検査だけを受けて陰性だったから大丈夫!と思うことが一番心配で、もしかしたら感染のごく初期かもしれないし明日感染するかもしれないということを十分に心に留めていただきたいなと思います。

抗原と抗体 検査で何がわかる? はコメントを受け付けていません


抗原と抗体 検査で何がわかる?

「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

COVID19の感染者数がまた増加に転じ、これからどうなるのだろうと不安な日々を過ごしている方が多いと思います。
3、4月の頃と違い、現在はPCR検査のほかに「抗原検査」や「抗体検査」という用語をよく耳にするようになりました。
PCR検査は特定の医療機関や保健所を通じて行うため実施のハードルが上がりますが、「抗体検査」は簡易検査キットも流通しており、自費診療のため取り扱いのある医療機関で受けたり、一部ネットでも入手でき、自宅でも検査ができるようになっています。
検査キットは5月頃に流通が始まり、検査が受けられるようになってすぐの頃は「受けてみたいかも!」と思いましたが、この抗体検査、果たして必要なものでしょうか?
今回は、抗原と抗体の違い、それに抗原検査と抗体検査についてわかりやすく説明します。

抗原と抗体=泥棒と警察?

そもそも抗原と抗体の違いをご存知ですか?
「抗原」とは、ウイルスや細菌のほかアレルギーを引き起こす花粉や卵などの、体に免疫反応を起こす物質そのものを指します。
一方「抗体」は免疫グロブリンというたんぱく質のことで、体に入ってきた異物(ウイルスや細菌、花粉など)にぴったりと適合して、その異物を排除するように働きかけるものです。
つまり、「抗原」は外部から体内に侵入してくるもの、「抗体」は異物が入ってきた時に体の中で作られる警察のようなものだと思ってください。
コロナウイルス感染症の場合を考えてみましょう。
「抗原検査」では咽頭ぬぐい液やだ液の中にCOVID19そのものがいるかどうかを調べています。
一方「抗体検査」では、抗体というたんぱく質ができているかどうかを調べています。

<抗原検査>
① 現在コロナウイルスに感染している → 抗原(+)
② 過去にコロナウイルスに感染していたが治癒した → 抗原(−)
③ 一度も感染したことがない → 抗原(−)

抗原検査では「過去に感染したかどうかはわからないけれど、現時点でコロナウイルスは体内にいない(感染していない)」という判断ができます。
一方、抗体検査では以下の通りです。

<抗体検査>
① 現在コロナウイルスに感染している→(+)(−)両方のパターンの可能性
② 過去にコロナウイルスに感染していた→(+)(−)両方のパターンの可能性
③ 一度も感染したことがない→(−)

抗体検査において①と②はどうして両方のパターンが出てしまうのでしょうか。
COVID19はまだ十分に全容が把握できていない感染症です。
そのため、感染してからどのくらいの時間で抗体ができるのか、また、感染して獲得した抗体が一体どのくらいの期間続くのかがわかっていません。
麻疹などのように一度子どもの時にかかってしまえばずっと免疫が続くものなのか、それとも感染して抗体を獲得しても数ヶ月〜数年で消失してしまうものなのかがわからないのです。
そのため①の場合、実は感染しているけれど、感染のごく初期でまだ抗体ができていない可能性も考えられますし、②の場合は過去に感染したことがあるけれどすでに抗体が消失している可能性があるため、+と−両方のパターンが考えられます。

抗体検査だけでは不十分

他の感染症の話ですが、たとえば「C型肝炎」は、現在とても良く効く薬ができたのでほとんどのケースで治るようになりました。
しかし、治って体の中にウイルスがいなくなったとしても抗体はなくならないので、血液検査で調べると抗原(−)、抗体(+)という結果になります。
これは、ウイルスそのものはいなくなっても、肝炎ウイルスに対する反応としてできた抗体は基本的になくならないからです。
そのため、肝炎の検査では抗体検査だけを行っても現在感染していないことの証明にはならないので、必ず抗原検査・抗体検査をセットで行なって、過去に感染していたのか、現在感染していないかということを調べます。

抗体検査は何のため?

では、コロナウイルスの抗体検査にまったく意味がないかというと、そういう訳ではありません。
日本では、東京都、大阪府、宮城県で計7,950人を対象に大規模な抗体検査を実施しました。
これは個人個人が「感染の可能性を知る目的」で行なったものではなく、無作為に対象者を抽出して検査を行うことで、市中感染の広がりや抗体保有率を調査する目的で行われたものです。
結果は、東京都0.1%、大阪府0.17%、宮城県0.03%でした。
症状のあるコロナウイルスが疑われる人に実施したPCR検査の数と陽性率を調査しても、実際に日本でどのくらいの人が感染している(もしくは感染していた)かが十分に把握できないからです。
このように、抗体検査は研究や調査のために用いたり、抗原検査とセットで補助的に実施することに意味があります。
安易に抗体検査だけを受けて陰性だったから大丈夫!と思うことが一番心配で、もしかしたら感染のごく初期かもしれないし明日感染するかもしれないということを十分に心に留めていただきたいなと思います。

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「手足口病」昨年の100分の1、過去最低水準…「コロナ予防で手洗い徹底」

「手足口病」昨年の100分の1、過去最低水準…「コロナ予防で手洗い徹底」

手足や口の中に発疹ができる手足口病の患者数が過去最低の水準となっている。子どもに多い病気だが、7月上旬のデータで、今年は大流行した昨年のわずか100分の1。新型コロナウイルスの感染予防が奏功したとみられている。

国立感染症研究所によると、7月6~12日の1週間に全国約3000の小児科から報告のあった患者数は436人(昨年同期約4万人)。1医療機関あたり0・14人(同12・64人)だった。例年7月下旬から8月上旬がピークだが、この時期としては、1981年に統計を取り始めて以来、最低水準という。

過去の統計でも流行の翌年は患者数が減る傾向がある。感染研の藤本嗣人・感染症危機管理研究センター第3室長は「ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)といった夏に流行する他の感染症も低水準で推移している。新型コロナの感染予防で手洗いなどを徹底していることが影響している」と分析する。

子どもの感染症に詳しい峯小児科(さいたま市)の峯真人院長は「感染予防に神経質になり過ぎるのもよくない。子どもの心身の発達には社会生活も大事なので、登校や登園も含め、通常通りの生活を送ってほしい」と呼びかけている。


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抗精神病薬、知的障害児の8人に1人に 長期で副作用も

知的障害のある子どもの8人に1人に、統合失調症の治療に本来使われる抗精神病薬が処方されていることが、医療経済研究機構(東京)などの研究チームの調査でわかった。うち半数で年300日以上も処方されていた。研究チームは「自傷行為や暴力などの行動障害を抑制するためとみられるが、長期の使用は体重増加など副作用のリスクが高まる」と指摘している。

 研究チームは、健康保険組合の加入者約162万人の診療報酬明細書(レセプト)のデータベースを分析。2012年4月~13年3月に知的障害と診断された3~17歳の患者2035人の薬物療法について、1年間、追跡した。

 その結果、抗精神病薬が1回以上処方された人は12・5%。年齢別では3~5歳が3・7%、6~11歳が11・0%、12~14歳が19・5%、15~17歳が27・0%と年齢が上がると、処方割合が高くなった。1年あたりの処方日数は小学校入学以降に長期化していた。処方された子どものうち、2種類以上を1カ月以上連続で出される「多剤処方」の割合は16・9%だった。

 統合失調症の発症年齢のピークは10代後半から30代中ごろとされる。世界精神医学会の診療指針では、精神疾患が原因でない行動障害には、子どもの特性に応じた環境の整備など薬物に頼らない治療を推奨している。

 同機構の奥村泰之主任研究員(臨床疫学)は「医療や教育現場で適切な支援を普及させるため、日本でも早急に診療指針をつくる必要がある」と話している。(黒田壮吉)
朝日新聞社

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