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新型コロナが「ただの風邪」ではない理由 コロナ病棟医師の見解

 新型コロナが「ただの風邪」ではない理由 コロナ病棟医師の見解

新型コロナワクチンの接種がすすんでいます。当初接種スピードが遅いのでは・・・と懸念していましたが、どこの自治体も頑張っておられ、子どもや職域の接種まで開始されることになりました。

第4波も落ち着きつつあるためか、「新型コロナはただの風邪」「基礎疾患がない人は軽症で済むのだから騒ぎすぎ」という意見を再びよく耳にするようになりました。

若年者や基礎疾患がない患者さんの大部分が軽症で終わることは間違いありません。その人たちにとっては、結果的に「新型コロナはただの風邪だった」と言えます。

同様の感染性を持つインフルエンザでは、国をあげてこれほど議論されることはありません。そのため、「騒ぎすぎ」という意見が出てくることも、よく理解できます。

しかし、新型コロナはただの風邪ではありません。改めて、以下にその理由を述べます。

理由1:重症化率が違う
医療従事者として実感される差は、「重症度」です。肺炎を起こす頻度が高いのです。私は長らく市中病院で呼吸器内科医をやっていますが、インフルエンザ肺炎で入院する人は、年に数えるくらいしかいません。コロナ病棟を有しているとはいえ、1施設で1年間に400例以上のウイルス性肺炎を診るというのは、異常事態です。

「周りに感染している人なんて誰もいない」という意見もあります。2021年6月12日時点での累積感染者数は約77万人なので、確かにインフルエンザほどは身近に新型コロナ感染者を目にしないはずです。しかし、もしインフルエンザと変わらないくらいの重症度なら、入院が必要な人はもっと少なくなるはずです。

「新型コロナだから入院閾値を下げている」というのは正しくなく、パンデミック初期は確かにそのような対応をしていましたが、最近は必要なケースのみにしぼって入院を引き受けています。

そのため、肺炎を起こした新型コロナ患者さんが、これだけたくさん入院しているというのは、ウイルスそのものの毒性が強いからに他なりません。

入院を要した新型コロナ患者さん8万9,530人と、季節性インフルエンザ患者さん4万5,819人を比較したフランスの研究では、死亡率はそれぞれ16.9%、5.8%という結果でした(1)。同様に、入院を要した新型コロナ患者さん3,641人と、季節性インフルエンザ患者さん1万2,676人を比較したアメリカの研究では、死亡率はそれぞれ18.6%、5.3%でした。
入院を要した患者さんだけをみているのでいずれも死亡率が高いですが、インフルエンザよりも新型コロナのほうが重症化しやすいことが分かります。なお、現時点で日本において妥当な研究は報告されていませんが、インフルエンザと新型コロナの重症化に明確な人種差はありません(2021年6月13日午後23時追記)。

季節性インフルエンザと新型コロナの違い(文献2より引用)
市中病院の医療従事者は、普段から入院が必要な患者さんばかりを診ているので、現場でインフルエンザとの違いを感じることができます。

しかし、それ以外はやはり軽症ですから、一般の人には「ただの風邪」としてうつってしまいます。たしかに「大部分は軽症」というのは決して間違いではないのですが、重症化リスクや死亡リスクが高いということがこれまでのウイルスとは違うところです。

理由2:集中治療用ベッドが逼迫する
「理由1:重症化率が違う」によって次に起こることは何でしょうか。そう、ケアを要する入院患者さんの数が増えるのです。入院しなくてもよい患者さんは、自宅やホテルで療養していただきますが、酸素飽和度が下がって酸素療法が必要になったり、食事が摂れなくなったりすると、入院が必要になります。

「日本にはたくさんベッドがあるんだから、それを新型コロナ用に転用すればよい」という意見もありますが、感染対策を講じながら診ていける急性期病床を無限に生み出せるほど、日本の診療体制は充足していません。

もし「頑張って感染対策をしなくてもよい」とすると、ケタ違いの感染者を生み出すことになります。上述したようにインフルエンザよりも重症化率が高いため、これにより重症者の絶対数が増加します。

ここで、病床逼迫に陥った大阪府の第4波を見てみましょう。大阪府には、600床あまりの集中治療用ベッドがありますが、新型コロナに使えるのは多くても224床というのが当初の試算でした。待機手術などを遅らせて捻出しても、せいぜい350床くらいではないかと思います(その他は救急患者や手術患者に使用されるため)。

この状態で、2021年5月4日に449人の重症患者さんが発生していました。重症病床に転院できない人がたくさん発生し、図の黄色の部分は軽症・中等症病床で診療せざるを得なかった重症患者さんをあらわしています。集中治療用ベッドの8割を一疾患が占めるというのは、通常の医療現場では考えられないことなのです。

大阪府の重症患者数(筆者作成)
通常使用している集中治療用ベッドのほとんどをあっという間に埋めてしまう感染症は、どう考えても「ただの風邪」ではありません。

■参考記事:新型コロナの「重症化」とは? 人工呼吸器を装着したら、実際どうなるのか?(URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20210504-00235518/

「稀な現象も起こってしまえば1分の1」
「どれだけ低い確率でも、副反応が起こってしまえば、その人にとっては1分の1になる」ことから、新型コロナワクチンに対して不安に思われる気持ちはよく分かります。

しかし、「新型コロナのほとんどが軽症で済む」という事実の裏に、「どれだけ低い確率でも、重症化してしまえばその人にとっては1分の1」という致死的な新型コロナ患者さんも存在します。

自分より年下の新型コロナの患者さんに人工呼吸器を装着しなければならなかったとき、これは他人事ではないなと痛感しました。

保険に加入している人が多いと思いますが、保険というのは、「事象が発生する確率は低いが、万が一発生してしまうと損失が大きいもの」に対してかけるという鉄則があります。ワクチンにもこういう保険的側面があって、「たぶん感染しても私は大丈夫だろうけど、万が一にそなえて打つ」という感覚を私は持っています。

そして、個人の加入する保険とは異なり、これが集団免疫という大きな盾になり、社会や国の利益につながります。

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新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表

 新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表

菅義偉首相の「7月末までに高齢者ワクチン接種完了」の方針により、大規模ワクチン接種が進んでいる。その陰に隠れる形で悲劇も起こっていた。5月下旬、政府はひっそりとワクチン接種後に急死した日本人の詳細データを公表していた。

予約が殺到し、各地で混乱が続く新型コロナウイルスワクチンの大規模接種。打った人からは「ホッとした」「打ててよかった」と、安堵の声が聞こえてくる。一方で、新聞やテレビはほとんど報じていない、ある事実がある。接種開始から約3か月強の5月21日までで85人が接種後に亡くなっていたのだ。

5月26日、厚生労働省は接種から死亡するまでを詳細に記録したデータを公表した。その《新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要》(以下、報告書)には、ワクチン接種後に亡くなった85人について、それぞれの年齢、性別、既往歴、死因などが記されている。

亡くなったのは25~102才で、男女別では女性が47人、男性38人。死因は心筋梗塞、急性心不全、くも膜下出血などさまざまだが、《ワクチン接種との因果関係》については、85件中59件が「評価不能」、6件が「不明」。約3分の2のケースで因果関係が明らかになっていない。

「遺族が解剖を望まないケースが多く、詳細な検査がされないことが、原因の特定を難しくしています。というのも、亡くなった人は、接種から24時間以内が10件以上、3日以内が約半数もいて、急死といっていいでしょう。突然の別れに死を受け止めきれず、解剖までしてほしくないというのは自然な遺族の思いです」(全国紙社会部記者)

だが、なかには因果関係を認めたケースもある。91才の女性、Aさんの急死がそうだ。4月27日、Aさんは朝食を残すことなく食べ、元気にワクチン接種会場に向かった。予診を受け、注射を打ってもらったのは午前9時45分頃。接種後、会場での40分間の観察時間にも体調の変化はなかったという。

しかし、約2時間後の12時頃、Aさんの体を異変が襲う。急に無呼吸になり、心肺停止となったのだ。すぐに蘇生措置がとられ、心臓マッサージと電気ショックを与える除細動器で一時的に心拍は回復したものの、自発呼吸はできないままだった。そして午後1時55分、家族の承諾を得て人工呼吸操作を止めると、その15分後には心拍も停止し、Aさんの死亡が確認された。ワクチン接種からわずか4時間あまり。あまりにも突然の最期だった。

Aさんにはアルツハイマー型認知症と慢性心不全などの既往歴があったが、報告書は、《アナフィラキシーの皮膚症状・粘膜症状は認められていないが、心肺機能が突然停止する原因が他に見当たらない。関与があると考える》と記し、ワクチン接種による急死の疑いを認めた。

Aさんのように90代以上の超高齢者は26人亡くなっているが、20代3人、30代1人、40代6人、50代4人と、現役世代も多く含まれている。特に若い20代のケースでは、「原因はワクチン以外あり得ない」と遺族は考えているようだ。

26才女性のBさんは看護師で、3月19日に医療従事者としてワクチンを接種した。だが、その4日後の23日、自宅リビングで食事をしているときに、体調が急変。テーブルで嘔吐したBさんは座った状態のまま仰向けに倒れこんだ。救急隊員と警察官が到着したとき、Bさんの体はすでに冷たくなっていたという。検死の結果、Bさんの死因は小脳からの脳出血と、くも膜下出血と判明。既往歴や基礎疾患はなかった。

同様に既往歴のない25才男性Cさんは、ワクチン接種後に異常行動を起こして亡くなった。Cさんは医療従事者で、4月23日にワクチンを接種。2日後、友人と一緒にいたところ、立ちくらみや手足の震えなどの異変をおぼえ、友人に送られて帰宅。37.1℃の微熱があり、家で休養していたが、27日、熱が下がったため出勤したという。

しかし、病院内の薬品庫内で無断で薬をあさるなど逸脱した様子を見せた上、居合わせた職員に質問されても受け答えがままならなかったという。そのときのCさんの様子は、資料にこうある。

《(Cさんは)言いたくない、ダメだ、ダメだ。何、やべぇ、最悪、最高です。楽しい、違う、、。わからない。返答は答えにならず、ブツブツという。誰かの声が聞こえるかと問うと、「ハイ」と。》

異常行動が見られたため、病院には両親も駆けつけた。Cさんは両親と一緒に車で自宅へ向かったが、帰途の高速道路で、突然車から飛び降りて後続車に轢かれて死亡した。Cさんの死について報告書には、死因が《精神異常、自殺》とあり、《ワクチン接種が誘因となった可能性あり》と書かれている。

女性特有の薬が思わぬリスクに
85人のうち、「因果関係あり」と報告されているのは4人で、ほとんどは「評価不能」とされている。しかし、太融寺町谷口医院院長の谷口恭さんはこう話す。

「厚労省は死因とワクチン接種について多くのケースは『因果関係ははっきりしない』という見解ですが、個人的には疑っています。

血管内の血液が固まる血栓症という副反応が起きると問題視されているのはアストラゼネカ製のワクチンですが、日本人に打たれているファイザー製にもリスクはある。今回、報告されている死因の多くは脳卒中や心不全など血管系の疾患で、ワクチンによる血栓が原因である可能性は捨てきれません。出血も“血栓がたくさんできることで、止血機能が不充分になる”から起きるのです」

では、どういった人がワクチン接種によるリスクを抱えやすいのか。厚労省のホームページには副反応についてこう書かれている。

《まれな頻度でアナフィラキシーが発生します》

アナフィラキシーとは、アレルギー反応のことで、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れ、重症になると死に至る可能性もある。そのリスクは病歴や常用薬などからもわかるという。

「アナフィラキシーが起きたとき、アドレナリンを投与して状態を改善しますが、その際、注意すべき病気や常用薬があります。高血圧や心不全、不整脈の患者さんが服用しているβブロッカーという薬です。

これは、アドレナリンの作用を遮断し、効きにくくしてしまう。さらに、ステロイド、一部の抗精神病薬、低用量ピルを含めて、副反応としての血栓が起こり得る薬剤は、ワクチンを接種することで、血栓のリスクをより高めてしまいかねません」(前出・谷口さん)

副反応は女性の方が多いが、その原因を次のように考える医師がいる。

「5月2日までにアナフィラキシーを起こした107人のうち、女性が99人と圧倒的に多い。理由ははっきりしませんが、ワクチンの原料の1つであるPEG(ポリエチレングリコール)が原因ではないかといわれています。PEGは化粧品などにも含まれていて、繰り返し使用することでアナフィラキシーを起こすことがあるからです」(コロナ病棟に勤務する医師)

この医師は、これらのリスクを踏まえさらにこう続けた。

「通常、ワクチンの開発は3年から5年はかかるものを、この新型コロナワクチンは、わずか1か月以内に初期のワクチンが作られています。リスク管理は不充分だと言わざるを得ない。私はワクチンを接種するつもりはありません」

もちろん、ワクチンの効果で感染拡大が防げるというデータがあり、一方の副反応はごく一部だ。だが、死亡者が出ているのも事実。どんな薬にもリスクがあることは知っておくべきだろう。

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ワクチン夫婦同時NG 医師解説

 ワクチン夫婦同時NG 医師解説

「コロナワクチン夫婦同時に打たないで」2回目接種後の高熱2割超 医師に聞く副反応対策

河野太郎行政改革相は先月28日、コロナワクチン接種後に副反応が生じた場合などに公務員が「ワクチン休暇」を取れるようにしたことを表明した。接種が進んでいる医療従事者らのデータから、とくに2回目の接種後に頭痛や発熱などの副反応が起きるケースが多いことが判明している。これから接種する人は何に気をつければいいのか。医師に対処法を聞いた。

【データ】発熱、頭痛だけじゃない!ワクチン接種後に確認された副反応と割合はこちら

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「朝に注射を打ち、日中は『ちょっとだるいな』という程度で普通に過ごしていたんですが、夜になってどんどん熱が上がってきました。頭痛もひどく、翌日は丸一日ベッドから動けませんでした」

神奈川県内の医療機関に勤める30代の女性はこう語る。女性は4月30日に1回目、5月20日に2回目のコロナワクチンを接種。1回目の接種後は腕に少し痛みを覚えた程度だったが、2回目は接種した日の夜に38.5度の熱が出た。それから39度近い熱が翌日の夜まで続き、頭痛とだるさで食事もとれなかったという。女性は接種翌日、翌々日と、2日間仕事を休まざるを得なかった。

「一緒に打った同僚では、ほとんど症状が出なかった人もいましたが、熱が出て仕事を休んだり早退したりした人もいました」

コロナワクチンの副反応とみられる症状。先行接種した医療従事者たちのデータから、2回目接種後に副反応を起こす人の割合が1回目よりも高まることが判明した。

厚生労働省の調べでは、接種を受けた医療従事者2万人弱のうち、副反応として38度以上の高熱がみられたケースは、1回目接種後は0.9%だったのに対し、2回目接種後は21.6%に及んだ。

山形大学医学部附属病院は、同院で接種した職員や医学部学生らの接種後の副反応について、詳細なデータを公表した。3月8日から4月9日にかけてアンケート調査を行い、1回目に接種をした1247人、2回目に接種をした974人から回答を得た。その結果、1回目接種→2回目接種で症状を訴えた人の割合は、次のように変化していた。

(1)接種部位の痛み 91.5%→91.6%
(2)接種部位の腫れ 9.7%→18.1%
(3)発熱(37.5度以上) 3.3%→43.4%
(4)疲労・倦怠感 35.4%→80.7%
(5)頭痛 19.7%→55.1%
(6)悪寒(寒気) 6.3%→51.5%
(7)吐き気・嘔吐 4.0%→10.6%
(8)注射部位以外の筋肉痛 26.1%→37.7%
(9)関節痛 6.3%→37.1%

1回目接種後の副反応について同院は「多くは接種当日から翌日に発生し、1~2日間で軽快していました。症状に対しては経過観察で済んだ例が多いですが、一部内服などの治療を要したり、日常生活に支障をきたしたりする例もありました」と説明する。

一方、2回目については、「1回目と比較して、いずれも症状の持続期間が長く、症状の程度も重くなっていました」。さらに「1回目で症状が出現した人は、2回目に同様の症状が出現する頻度が非常に高くなることが示されました」という。

37.5度以上の発熱については、1回目接種後は3.3%だったのに対し、2回目接種後は43.4%だった。調査結果を発表した同院第一内科講師・井上純人医師はこう話す。

「インフルエンザワクチンで発熱の副反応が起こる割合は1~2割です。インフルエンザワクチンを打った周りの人から、高熱が出て大変な思いをしたと聞くことはそれほど多くないと思います。それと比べると頻度が高いといえるでしょう」

また、若い人や女性に副反応の発症頻度が高いという特徴もみられたという。

「若い人に多いのは、免疫反応が強いからだと考えます。一方、女性に多いのは、あくまで推定ですが、からだが小さいため成分が取り込まれる量が多いからと言われています。また、ワクチンには化粧品にも含まれる成分・ポリエチレングリコールが含まれるため、副反応の頻度が高いのでは、とも言われています。ただし、これらはあくまで仮説として言われていることであり、真偽は定まっておらず、当院でもそれらについて検証していません」(井上医師)

一方、65歳以上の高齢者については、「今回の調査対象に含まれるのは数人だったため、副反応もこの調査と同じになるとはいえない」と井上医師は言う。

 実際に自ら副反応を経験した医師にも話を聞いた。元ファイザー社臨床開発統括部長であり、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会委員を務める川崎市立看護短期大学長の坂元昇医師は、3月23日と4月10日にワクチンを接種した。2回目接種から16時間後に発熱し、翌日は38.5度を越えたという。

「私自身は発熱していても感覚的には少し熱っぽいかなと思った程度で、食欲もありましたし、それほど苦しい気持ちもありませんでした」(坂元医師)

2回目を接種したのは土曜日。翌日に副反応が出たとしても、仕事をする月曜日には落ち着くだろうと考えての日取りだった。だが、それが誤算だった。

「月曜日の朝も発熱が続いていました。海外のデータなどで、高齢であれば副反応は比較的小さいということは承知していたのですが(注:坂元医師は68歳)、38度の発熱が2日間続くことは想定外でした。倦怠感と接種部位の筋肉痛はほぼなくなっていたのですが、発熱時は出勤できないため、会議の予定などをキャンセルしました」

ワクチン接種の際に解熱鎮痛剤をもらったという坂元医師。しかし薬を飲んでも「熱はまったく下がらなかった」という。

「看護師の中にも解熱鎮痛剤が効かなかったという人がいましたし、『いままで体験したことのない』だるさを感じ、不安だったという話も聞いています。医療従事者でさえ不安なのですから、一般の人はより不安に感じるのではないかと思います。ごく少数の人だけでなく、多くの人が同じ状況を経験しているということを知っておいてほしいと思います」

一方で坂元医師は、副反応があったことに「安心した」面もあると話す。

「データがあるわけではないのですが、副反応はおそらく体内における免疫反応の結果なので、守られているという強い安心感が得られたのも事実です。個人的な感想ですが、このワクチンには本当に効果があるんだという実感が湧きます」

自らの経験も踏まえ、坂元医師は接種の前に3つの準備が必要だと話す。

1つ目は、接種から2日間は外に出る予定を入れないこと。前述のとおり、37.5度を超える発熱の可能性があるからだ。

2つ目は、接種後に症状があったとき、相談できる相手を決めておくことだという。

「本来は医師に相談することが必要だと思うのですが、現状、接種を担当する医師は極めて多忙で、つながらない場合もあるかと思います。ワクチンを打つ予定があることをあらかじめ誰か知り合いに告げておき、副反応で不安になったときは連絡を取る。医学的な解決がなくても、話すことで不安がやわらぐと思います。もちろんひどい副反応の場合には救急受診も必要になるかもしれません。コールセンターや救急医療機関を紹介してくれるサービス機関の連絡先をあらかじめ用意しておくことも大切です。かなり希かとは思いますが、接種による発熱だと思ったのが、実はコロナの感染による発熱だったという例もあるようなので、特に1回目接種後の発熱は注意が必要かもしれません」

そしてもう一つ重要なのが、同居する家族と接種のスケジュールをずらすことだ。

「たとえば夫婦で同じタイミングで接種して発熱すると、共倒れになる可能性があるからです。ある地方では、高齢者施設の利用者や従事者に一度にワクチンを接種したところ、同時期に発熱して、介護者によるケアが回らないという事態が起きたそうです。家族の場合もこうしたことを起こさないよう、タイミングをずらすことが重要です」

前出の井上医師は、これから接種する人に注意してほしいこととして以下の2点を挙げる。まず、ワクチンは肩に注射するので、肩が出せる服装にしておくこと。スムーズな接種のために役立つ。そして、問診票を書く際、あらかじめかかりつけ医と相談の上記入すること。たとえば集団接種会場で接種する場合、初対面の医師とアレルギーや基礎疾患の病状について相談をしても判断が難しいことが多いからだ。

「自分の担当患者でアレルギーや基礎疾患がある人については、症状を把握したうえで、『それでもワクチンを打つことによる利益が大きい』いう説明をしてからワクチンを接種してもらうようにしています」(井上医師)

副反応が出るかどうかは人によって異なるが、接種を受ける前にできる限りの対策をしておきたい。
(文/白石圭)

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67歳記者の接種ルポ…「痛くない」は本当、当日のウォーキングとお酒はダメ

 67歳記者の接種ルポ…「痛くない」は本当、当日のウォーキングとお酒はダメ

新型コロナウイルスの早期収束の切り札として期待がかかるワクチン。接種の予約が殺到するなど、各地で混乱ぶりもみられるが、医療従事者に続き、65歳以上の高齢者の接種が進む。集団接種の会場は「密」になっていないか、痛みはないか、副反応はどうか――。栃木県真岡市に住む67歳の記者が、実際に同市の集団接種の予約や会場での接種を体験し、その後の体調を含めて報告する。(小堀日出春)

同市の高齢者向けの接種予約は、個別接種が4月26日から、集団接種が同30日から始まった。記者は集団接種を選び、30日午前8時半、インターネットでの予約を試みたが、希望した5月13日の予約枠はすぐに埋まり、20日の予約を何とか確保した。受け付け初日の殺到ぶりがうかがえた。

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「血栓リスク」アストラ社が反論

「リスクが増加したという証拠はない」新型コロナワクチンでアストラゼネカが反論

ヨーロッパを中心にアストラゼネカ製の新型コロナワクチン接種後、血栓の症状が相次いでいることに対し、アストラゼネカは「リスクが増加したという証拠はない」と主張した。


アストラゼネカは「1000万件以上におよぶ安全性に関するデータを分析したところ、ワクチン接種により血栓の症状のリスクが増加したという証拠はない」とする声明を発表した。さらに「ワクチン接種後に発症した件数は一般的に起こりうる件数よりはるかに少ない」としている。


アストラゼネカのワクチンをめぐっては、接種後に血栓の症状による死亡例があったことからデンマークなど一部の国が使用を取りやめている。一方、ヨーロッパ医薬品庁は、現時点で因果関係を示す証拠はないとして、接種を続けることが可能と発表している。

(ANNニュース)

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感染者が確認された市内飲食店の店名の公表について

この公表は、注意喚起及び検査に確実につなげるために行うものです。

令和3年3月8日 
新潟県医療調整本部 
新潟県長岡保健所 

次の店舗をご利用の方へのお願い 

令和3年3月8日(月)現在、次の店舗で感染者が確認されています。 
これまで調査を進めてきましたが、利用者の特定が難しい状況となっています。 
ついては、当該店舗を令和3年3月1日(月)~3月3日(水)までの間に利用された方は、「新潟県長岡保健所医薬予防課」(電話 0258-33-4932)にご相談くださいますようお願いします。 

■店舗名:ANA BAR(アナバー)
  長岡市殿町3-3-8
■利用日:令和3年3月1日(月)~3月3日(水)

○ 新型コロナウイルスは、濃厚接触者(※)に該当しない方に感染する可能性 は極めて低いと考えられます。過剰に恐れることなく、咳エチケットや手洗いの励行をお願いします。 
(※)濃厚接触者
新型コロナウイルス感染症の咳やくしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水に触れた可能性が高い人

○ 三密(密集・密接・密閉)になる場所では感染リスクが高まることから、三密を避け、マスクの着用、十分な手洗いや換気等の感染対策が重要です。 


店舗の利用にかかわらず、以下の症状があるなどご心配な方は、かかりつけ医療機関、新潟県新型コロナ受診・相談センター(電話 025-256-8275)、または、居住地を管轄する保健所にご相談ください。 
<ご相談いただく症状の目安> 
発熱、だるさ、咳、喉の痛みや違和感、味覚・嗅覚異常などがある 

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▽▲「ノロウイルス食中毒予防強化期間」▲▽

 ▽▲「ノロウイルス食中毒予防強化期間」▲▽

冬になると、ノロウイルスによる感染症や食中毒の患者が増加する傾向にあるため、県では11月から翌年3月までを「ノロウイルス食中毒予防強化期間」として、県民のみなさまへ注意を呼びかけています。この期間中には、3月末まで隔週で「ノロウイルス情報」を発行し、感染性胃腸炎の流行状況や、ノロウイルスによる食中毒予防のポイントをお知らせしています。

ノロウイルスは食品や手指を介して口から入り、1~2日後に、おう吐、下痢、腹痛などの胃腸炎症状や発熱などの症状を起こします。ノロウイルスに汚染された二枚貝を加熱不十分な状態で食べた場合や、感染している食品取扱者を介して汚染された食品を食べた場合などに感染することがあります。

ノロウイルスによる食中毒の予防法をまとめたパンフレット「防ごう!!ノロウイルス食中毒」を、県ホームページで公開していますので、食中毒・感染症の予防に役立ててください。パンフレットの冊子版をお求めの方は、お近くの保健所へお問い合わせください。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎・食中毒情報

▽▲「ノロウイルス食中毒予防強化期間」▲▽ はコメントを受け付けていません


コロナとインフル どう見分ける

症状も類似でどう見分ける?医療関係者も恐れる新型コロナとインフルエンザの「同時流行」

朝晩の冷え込みがグッと厳しくなってきました。インフルエンザの流行シーズン到来です。例年と違って今年はコロナ禍で迎えるため、危惧されるのは症状が似ていて判断しにくく、かつ「同時流行」の危険性もはらんでいることです。また通常の風邪もあり、一般の人だけでなく、戦々恐々としている医療関係者も少なくないと思います。

例年、インフルエンザは秋口から翌年3月頃にかけて流行しています。さらに、今年の場合は晩秋に入り、新型コロナの感染再拡大が危惧されています。怖いのは「同時流行」の可能性があるということ。そのためにも、インフルエンザの流行を抑えることが大切です。

Withコロナ時代の今年はインフルエンザのワクチン接種の注目も高く、10月1日からは重症化しやすいといわれている65歳以上の高齢者のインフルエンザ予防注射がスタート。10月26日からは医療従事者、妊婦、児童らを優先しながら、一般の人への接種も始まりました。一部のクリニックでは、予防注射の予約自体、困難な状況が続いているといいます。予防として、ワクチン以外にも手洗いやうがいは重要で、屋内でのマスク着用は守りましょう。

新型コロナとインフルエンザはどう見分ける?
患者さんからの質問で「新型コロナとインフルエンザはどう見極めるのですか?」というものが増えています。正直言って、医療関係者でも見極めるのは難しいです。新型コロナもインフルエンザもともに「呼吸器感染症」で、症状もよく似ています。たとえば発熱、頭痛、筋肉痛、咳といった症状はどちらにも見られます。

新型コロナの特徴的な症状の一つに「嗅覚・味覚障害」がありますが、この症状が必ず出るというものではありません。インフルエンザは38℃以上の高熱になります。新型コロナは発熱がありますが、全員が高熱を出すわけではありません。しかし、体温一つで決めつけるのは危険です。新型コロナの中にはインフルエンザ同様に38℃以上の高熱が出た人も少なくないからです。

新型コロナやインフルエンザにかかっているかどうかを知る方法は、やはり「迅速抗原検出キット」などを使った検査を受けることが必要です。

インフルエンザかなと思ったら?
頭痛、筋肉痛、頭痛、咳などの症状があり、38.5℃以上の高熱があれば、インフルエンザの可能性があります。まずは、電話でかかりつけ医や地域の受診相談センターなどに相談してください。
発症後48時間以内であれば抗インフルエンザ薬の効果が期待できます。気をつけたいのは、一般的な風邪と違い、インフルエンザは咳などで空気中に飛び散ったウイルスから感染します。感染力が強いので、出社や登校で感染が広がる可能性があります。そのため、医師などの指示を仰ぎ、外出は控えましょう。

また、インフルエンザと診断されたら、無理はせず、十分な休養をとることが大切です。水分補給や栄養面にも気をつけましょう。換気はこまめに行い、口の中の乾燥を防ぐにはマスクが効果的ですが、苦しければ、外しましょう。 

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うがい薬でコロナ改善?医師解説

『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説

大阪府の吉村府知事から、『ポビドンヨード(商品名イソジン)のうがいで新型コロナウイルスの量が減る』もしくは『重症化を防ぐ』という趣旨の発表があり波紋を呼んでいます。

発表後の状況をみると、現場からみるとちょっと心配になる情報発信ではと思い、医師の目から解説してみようと思います。

ポビドンヨードによるうがいは、『風邪予防に有効ではない』という研究結果があります

医療者のなかで、とても有名な研究があります。

『風邪を予防するために、どんなうがいをすればいいか』というテーマの研究です。

その研究には、健康な大人387人が参加しました。

そして、1)水でうがいをするグループ、2)ポビドンヨードでうがいをするグループ、3)特にケアをしないグループ(対照群)にランダムにわかれ、その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかというテーマで検討されました。

すると、水のみでうがいをすると、うがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポビドンヨードでうがいをするグループは効果が認められなかったのです。

ポビドンヨードは確かに、細菌やウイルスをつよく叩く効果があります。しかし、水のみのうがいのほうがポビドンヨードのうがいよりも有効だったということになったのです。

なぜでしょうか?

ポビドンヨードは強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらには粘膜なども痛めてしまうからと考えられています。強すぎるゆえに『総合的には効果が相殺されてしまう』のですね。

また、一般的に、ポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられますが、長期使用に関しては甲状腺機能を障害する可能性が指摘されています。

そのため、長期に使い続ける場合は定期的な検査が推奨されます。

新型コロナのPCR検査が陰性なら、新型コロナによる悪化が減らせる?

今回の報道をみるかぎり分かることはひとつです。

『ポビドンヨードによるうがいをすると、一時的に唾液(つば)の中の新型コロナの量が減るということ』です。

ここで注意したいことがあります。

『唾液(つば)の検体でPCR検査が陰性化すること』と、『新型コロナによる悪化を防ぐか』は、似ていますが、同じではないということです。

例えば、こんな有名な研究があります。

心筋梗塞の後に、症状がないもしくは症状が軽い不整脈(心室期外収縮)がある方を対象にして、不整脈を減らすための薬を使って不整脈を減らすと、亡くなる方が減るのではないかというテーマの研究です。

すると、不整脈の薬を内服された方のほうが不整脈が減ったのに、むしろ不整脈で亡くなる方は増えてしまったのです。

もちろん、不整脈薬が全部わるいという意味ではありません。

メリットが大きい場合は薬も必要なのですが、検査結果を良くしても最終的にはデメリットが大きくなってしまう可能性もあるということです。

私も、ポビドンヨードによるうがいで感染が少なくなればいいなと思っています。しかし今のところ、ポビドンヨードによりうがいに関しては、『答えを明確に出せない、もしかすると長期的な使用で害もあるかもしれない』方法かもしれないと心配しています。

『うがいでPCR検査が陰性化』をどのように捉えればいいでしょうか?

ここで、ちょっと例えをだしてみましょう。

あなたが、『インフルエンザかもしれない』と病院に行ったとしましょう。

その受診したときの医師に『ちょっとうがいをしっかりしてみてください』と指示されて、しっかりとしたうがいをしたとして、その後にインフルエンザの検査をのどで行い、その検査結果が陰性だとしましょう。

『陰性ですね。インフルエンザではありません』と、あなたは診断されました。

どう思うでしょうか?

あなたは、『鼻で検査をしたら陽性にならないんでしょうか?』

と思わないでしょうか(※※)?

繰り返しになりますが、今回の報道は、唾液の中の新型コロナが減っても、その後の新型コロナによる悪化が防がれるという研究結果ではないのです。検査の陽性率が下がった、という結果です。

うがいによって、一時的に新型コロナが検出されにくくなっただけなのかもしれないのです。

なお、新型コロナに関して、『予防的・定期的なポビドンヨードの使用が有効かどうか』は現在2本の研究が進行しているようです。これらの結果をみてからでも遅くはないように思います。

うがいは、『一時的に人に感染させるリスクを減らす』にはいいかもしれない
ポビドンヨードでうがいをする場面はどんな場合でしょうか?

たとえば、飛沫のなか含まれる新型コロナの量を短時間減らし、『飛沫による拡散を一時的に減らす』効果を期待するときでしょう。

たとえば、『新型コロナにかかっているけれども、無症状のひと』が3~4割いると推定されています。

ですので、エアロゾルが沢山でそうな処置をしなければならないなら、その前にうがいをしっかりするといいかもしれませんよね。

実際に、歯医者さんでの処置の前にうがいをしっかりすると、歯科医への新型コロナの感染リスクを低減するかもしれないという考え方も報告されています。

口の中を清潔に保つ、『口腔ケア』は重要です

一方で、体調を崩したときに、口の中の清潔をたもつ『口腔内ケア』は重要です。

新型コロナに限らず、歯磨きなどで口の中の清潔を保つと、肺炎などのリスクが下がることがわかっています。

ですので私は、PCR検査を陰性化させることが目的というより、口の中清潔を保つことの方を優先するといいのではないかと思っています。

つまり、普段から丁寧にうがいしたり歯磨きをしたりをしておくといいのではということですね。

なお、ポビドンヨードの転売は、法律違反になります。転売された製品を見かけても購入しないようにしましょうね。


※※インフルエンザによる検査は、のどで検査をすると偽陰性(ほんとうは陽性だけれども、検査では陰性と誤って出てしまう)になりやすいですので、普通は鼻から検体をとります。

※※※2020/8/4追記 初出でポピドンヨードとポビドンヨードが混在していましたが、『ポビドンヨード』に統一しました。


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うがい薬でコロナ改善?医師解説

『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説

大阪府の吉村府知事から、『ポビドンヨード(商品名イソジン)のうがいで新型コロナウイルスの量が減る』もしくは『重症化を防ぐ』という趣旨の発表があり波紋を呼んでいます。

発表後の状況をみると、現場からみるとちょっと心配になる情報発信ではと思い、医師の目から解説してみようと思います。

ポビドンヨードによるうがいは、『風邪予防に有効ではない』という研究結果があります

医療者のなかで、とても有名な研究があります。

『風邪を予防するために、どんなうがいをすればいいか』というテーマの研究です。

その研究には、健康な大人387人が参加しました。

そして、1)水でうがいをするグループ、2)ポビドンヨードでうがいをするグループ、3)特にケアをしないグループ(対照群)にランダムにわかれ、その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかというテーマで検討されました。

すると、水のみでうがいをすると、うがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポビドンヨードでうがいをするグループは効果が認められなかったのです。

ポビドンヨードは確かに、細菌やウイルスをつよく叩く効果があります。しかし、水のみのうがいのほうがポビドンヨードのうがいよりも有効だったということになったのです。

なぜでしょうか?

ポビドンヨードは強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらには粘膜なども痛めてしまうからと考えられています。強すぎるゆえに『総合的には効果が相殺されてしまう』のですね。

また、一般的に、ポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられますが、長期使用に関しては甲状腺機能を障害する可能性が指摘されています。

そのため、長期に使い続ける場合は定期的な検査が推奨されます。

新型コロナのPCR検査が陰性なら、新型コロナによる悪化が減らせる?

今回の報道をみるかぎり分かることはひとつです。

『ポビドンヨードによるうがいをすると、一時的に唾液(つば)の中の新型コロナの量が減るということ』です。

ここで注意したいことがあります。

『唾液(つば)の検体でPCR検査が陰性化すること』と、『新型コロナによる悪化を防ぐか』は、似ていますが、同じではないということです。

例えば、こんな有名な研究があります。

心筋梗塞の後に、症状がないもしくは症状が軽い不整脈(心室期外収縮)がある方を対象にして、不整脈を減らすための薬を使って不整脈を減らすと、亡くなる方が減るのではないかというテーマの研究です。

すると、不整脈の薬を内服された方のほうが不整脈が減ったのに、むしろ不整脈で亡くなる方は増えてしまったのです。

もちろん、不整脈薬が全部わるいという意味ではありません。

メリットが大きい場合は薬も必要なのですが、検査結果を良くしても最終的にはデメリットが大きくなってしまう可能性もあるということです。

私も、ポビドンヨードによるうがいで感染が少なくなればいいなと思っています。しかし今のところ、ポビドンヨードによりうがいに関しては、『答えを明確に出せない、もしかすると長期的な使用で害もあるかもしれない』方法かもしれないと心配しています。

『うがいでPCR検査が陰性化』をどのように捉えればいいでしょうか?

ここで、ちょっと例えをだしてみましょう。

あなたが、『インフルエンザかもしれない』と病院に行ったとしましょう。

その受診したときの医師に『ちょっとうがいをしっかりしてみてください』と指示されて、しっかりとしたうがいをしたとして、その後にインフルエンザの検査をのどで行い、その検査結果が陰性だとしましょう。

『陰性ですね。インフルエンザではありません』と、あなたは診断されました。

どう思うでしょうか?

あなたは、『鼻で検査をしたら陽性にならないんでしょうか?』

と思わないでしょうか(※※)?

繰り返しになりますが、今回の報道は、唾液の中の新型コロナが減っても、その後の新型コロナによる悪化が防がれるという研究結果ではないのです。検査の陽性率が下がった、という結果です。

うがいによって、一時的に新型コロナが検出されにくくなっただけなのかもしれないのです。

なお、新型コロナに関して、『予防的・定期的なポビドンヨードの使用が有効かどうか』は現在2本の研究が進行しているようです。これらの結果をみてからでも遅くはないように思います。

うがいは、『一時的に人に感染させるリスクを減らす』にはいいかもしれない
ポビドンヨードでうがいをする場面はどんな場合でしょうか?

たとえば、飛沫のなか含まれる新型コロナの量を短時間減らし、『飛沫による拡散を一時的に減らす』効果を期待するときでしょう。

たとえば、『新型コロナにかかっているけれども、無症状のひと』が3~4割いると推定されています。

ですので、エアロゾルが沢山でそうな処置をしなければならないなら、その前にうがいをしっかりするといいかもしれませんよね。

実際に、歯医者さんでの処置の前にうがいをしっかりすると、歯科医への新型コロナの感染リスクを低減するかもしれないという考え方も報告されています。

口の中を清潔に保つ、『口腔ケア』は重要です

一方で、体調を崩したときに、口の中の清潔をたもつ『口腔内ケア』は重要です。

新型コロナに限らず、歯磨きなどで口の中の清潔を保つと、肺炎などのリスクが下がることがわかっています。

ですので私は、PCR検査を陰性化させることが目的というより、口の中清潔を保つことの方を優先するといいのではないかと思っています。

つまり、普段から丁寧にうがいしたり歯磨きをしたりをしておくといいのではということですね。

なお、ポビドンヨードの転売は、法律違反になります。転売された製品を見かけても購入しないようにしましょうね。


※※インフルエンザによる検査は、のどで検査をすると偽陰性(ほんとうは陽性だけれども、検査では陰性と誤って出てしまう)になりやすいですので、普通は鼻から検体をとります。

※※※2020/8/4追記 初出でポピドンヨードとポビドンヨードが混在していましたが、『ポビドンヨード』に統一しました。


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