皆さんの周りでは新型コロナウイルスの感染は、どういう状況でしょうか?
1つの医療機関に何人の新型コロナ感染者がいたか、1週間ごとの平均人数の推移を示したグラフです。
2023年5月に5類に移行した新型コロナ、それ以降は感染者全員の数を調べるのではなく、定点観測した値をとっています。
【写真を見る】新型コロナが感染拡大の兆し 感染力強い変異株「KP.3」が流行中 冷房使う夏でも「10センチ開けっ放しに」
(若狭敬一キャスター)
以前は毎日、実数で発表していたのですが、今は定点観測になっているということですね。
(山内彩加アナウンサー)
このグラフは縦軸が人数で横軸が月となっているんですけれども、5類移行に、いわゆる第9波の感染拡大があり、年末からの第10波、そして今また感染拡大の兆しがありまして、愛知県は1つの医療機関あたり9.73人です。
全国の平均は8.07人ですので、平均を上回っています。
岐阜県(7.55人)と三重県(5.62人)は平均を下回ってはいますが増加傾向です。
(若狭キャスター)
第9波や第10波あたりは岐阜県や愛知県は全国を上回っていたということですね。
感染の広がりに特徴はあるんでしょうか?
(山内アナウンサー)
今流行している新型コロナの変異株は「KP.3」と呼ばれるもので、オミクロン株の派生株です。特徴としては感染力が強い一方で重症化しにくいということです。
愛知県のゲノム解析の結果を見ていくと、新型コロナ患者のゲノム解析では「KP.3」が占める割合は6月4日の週では36%でした。
翌週には80%になり、少しずつ下がってはいますが最新のデータ、7月2日からの週では63%となっています。
(大石邦彦アンカーマン)
16日は午前中に7人の発熱外来の患者さんが来られて、4人が新型コロナの陽性でした。
皆さん、熱や倦怠感などの風邪の諸症状を訴えて来院していましたが、それぞれの自宅や職場でコロナの感染が相次いでいるので「もしかしたら、自分も感染しているかも」と思って来たという方が多かったです。
やはり増えているなと現場を取材して感じました。
(若狭キャスター)
気になるのは重症化率なんですが、数字上はどうなっているのでしょうか?
(大石アンカーマン)
今は全数調査をしていませんから、あくまでも参考値なんですが、こんなデータがあります。
厚生労働省が出している重症化率です。
比較しているのは「季節性インフルエンザ」と「新型コロナのデルタ株」そして「新型コロナのオミクロン株」です。
オミクロン株は「KP.3」派生型になりますので、この流行期の数字に近いのではと推測できます。
年代別に見ていくと「80歳以上」ではオミクロン株の重症化率は1.86%、デルタ株(10.21%)よりも低い、そしてインフルエンザ(2.17%)よりも低くなっています。
次に「60代・70代」は0.26%で、デルタ株(3.88%)とインフルエンザ(0.37%)より低くなっています。
そして「60歳未満」も0.01%でデルタ株(0.56%)よりも圧倒的に低いですし、インフルエンザ(0.03%)よりも低いことが分かります。
(若狭キャスター)
このように客観的にデータを見ると、以前よりも怖くない。
風邪と言っても過言ではないかもしれませんが、ただ重症化する方々もいらっしゃるのは事実なんですよね。
(大石アンカーマン)
医療現場の受けとめ方は少し違っていまして、例えば名古屋掖済会病院の北川院長によりますと、現在は14人が入院していて、ほとんどが高齢者。1人が重症化しているということなんですが、この方は基礎疾患がある高齢者で、やはり基礎疾患のある高齢者は重症化リスクがまだあるということでした。
(若狭キャスター)
今はエアコンをつけていて部屋が密閉状態という方も多いと思うんですが、どのように感染対策をしていけば良いのでしょうか?
(大石アンカーマン)
愛知県立大学の清水教授に聞いてみたのですが、とにかく新型コロナは空気感染なので空気を味方につけてくださいという話をされていました。
今はエアコンをつけているので窓を全部開け放すのは難しいと思いますが、10センチほど開けてくださいと、そして扇風機を使って外に室内の空気を送り出すようにしてくださいということです。
そして、もう一つは換気扇を回して、換気扇の方向に風を送って空気を送り出して循環させる換気をしっかりしてくださいと。
(若狭キャスター)
このあたりの対策は変わっていないということで、身近にできる対策から進めてもらいたいと思います。