[ カテゴリー:医療 ]

コロナ急増「医療崩壊」の心配も

“医療崩壊”の心配も?──この夏「新型コロナ」が急増、ナゼ? 「熱中症」と似た初期症状 手足口病も流行

異常な暑さのこの夏、新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。初期症状は熱中症と似ているため、自己判断は禁物。時間差で症状が現れる「免疫性肺炎」にも要注意です。手足口病も同時流行し、大人が重症化するケースもあります。対策を考えます。

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そこで今回の#みんなのギモンでは、「コロナ急増 この夏の注意点は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●最新の変異株「KP.3」とは? 
●同時に流行「手足口病」

■1週間で…4万人ほどが新たに発症
日テレNEWS NNN

山崎誠アナウンサー 
「新型コロナウイルスの感染者数が、9週連続で増加しています。1か月前と比べると約2倍にまで急増しています」

「厚生労働省によると7月1日~7日の1週間に、全国の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は、1医療機関あたり平均で8.07人。これは全国にある約5000の医療機関からの報告で、1週間で4万人ほど新たに発症しているということになります」

「全ての都道府県で前の週と比べて増加しています。鹿児島県では1医療機関あたりの感染者数が1週間で20人を超え、沖縄県では29.92と30人近い状況です」 

鈴江奈々アナウンサー 
「私も6月下旬に感染し、その時も医療機関に『周りもはやってるよ』と言われました。今はさらに感染者数が増えている状況で、かつ周りでも感染の話は聞きますね」

■新型コロナの感染者増、2つの要因
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー
「東京都内のクリニックでは、このままのペースで患者が増え続けると医療崩壊が起きそうだという危機感を抱くような状況だといいます。ではなぜ今、新型コロナの感染者が増えているのでしょうか?」

「いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に聞いたところ、2つの要因が考えられるということです。1つ目は新たな変異株の流行、2つ目は今年の異常な暑さです」 

「今流行しているのがKP.3という変異株で、感染力が高く、変異株なので今のワクチンが効きにくいことから、感染者が増えているそうです」

「そして暑さについて。今年は暑さに体が慣れる前に猛暑日となるなど、異常な暑さとなっています。それによって自律神経が乱れ、食欲も落ち、免疫力も下がっていることが影響しています」

斎藤佑樹キャスター 
「疲れてきたり、暑いと寝られなかったり。そうすると免疫力が下がるので、免疫力を高めておくために、ちゃんと休んでおくのが大事かもしれないですね」

■倦怠感や頭痛…熱中症と似た初期症状
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー
「体の状態は本当に大切ですからね。伊藤院長のクリニックでは、発熱で新型コロナを疑って受診した患者さんが熱中症だったケースもあったそうです。というのも新型コロナと熱中症は、初期症状がどちらも倦怠(けんたい)感や頭痛、発熱と似ています」 

「熱中症に関しては熱が出る方も出ない方もいますが、初期症状が似ているということです。熱中症ではめまい、手足のしびれや意識障害、おう吐といった症状が現れます。新型コロナはのどの痛みやせき・たん、鼻水、下痢などの症状がある人もいます」

「初期症状について私たち素人ではなかなか見分けることができないので、自己判断はしないで受診するのがいいということです」 

森圭介アナウンサー 
「どうしても周りではやっていると、自分で決めつけて『こうじゃないか』と思われる方がいるかもしれませんが、初期の対応を誤ってしまうと、なかなか回復まで時間がかかります。なるべくお医者さんの診断を受けて早めに正しい対処をしてほしいですよね」

鈴江アナウンサー
「私も実際どっちか分かりませんでした。発熱して、でもその日暑かったので『熱中症なのかな』と疑っていました」

「自宅の検査キットで陰性だったので『やっぱり違うかな』と思いながら、一応医療機関で検査しようと思って行ったら新型コロナでした。自分では判断つかなかったですね」

■発症2~3週目でも…免疫性肺炎とは
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー 
「自己判断しないことが大切になってきます。新型コロナ患者の増加に伴って最近増えているのが、免疫性肺炎です。伊藤院長に聞きました」

「新型コロナに感染した初期に起きるのはウイルス性肺炎です。ウイルスに肺を攻撃されて肺炎が起きますが、重症化しにくいと言われています。それに対して免疫性肺炎は、発症から1週間以上経った2週目、3週目に起きる人もいるという肺炎です」

「これはウイルスが肺を攻撃しているわけではなく、体に残っているウイルスを撃退しようと免疫が頑張りすぎてしまって炎症を起こすものです。症状も強く、長引く傾向があるということです」

河出奈都美アナウンサー 
「免疫性肺炎の方が症状が強いというのは心配ですが、もし症状が回復してもまたぶり返したり、長引いたりした時には免疫性肺炎を疑った方がよさそうですか?」

山崎アナウンサー 
「そうですね。時間の経過とともに(症状が)出てきますので、そこで判断するということもできますね」

■手足口病、38都府県で警報レベル超
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー 
「小さなお子さんの間で流行しているのが、手足口病です」

鈴江アナウンサー 
「私の息子も先週なりました。保育園などでもはやっていると聞きましたし、小児科の先生もおっしゃっていました。子どもがかかるというイメージなんですけど、最近は大人もかかったという話を聞きました。だいぶ流行が進んでいるのかなという気もします」

森アナウンサー 
「大人がかかると症状がひどくなるんですよね」 

山崎アナウンサー
「感染ルートはいろいろあると思うのですが、例えば子どもから親にうつってしまうと親が重症化するケースも起きています。手足口病は、手足や口に水泡状の発疹ができるウイルス性の感染症です」

「7月1日~7日の1週間で報告された1医療機関あたりの感染者数は11.46人と、15週連続で増えています。国立感染症研究所IDWR速報データに基づき都道府県別で見ると、警報の目安とされる5人を超えているのが38都府県に上ります」

「子どもを中心に夏に流行するイメージですが、子どもから大人が感染して重症化することも多いため、改めて注意が必要です」

■医師に聞く…感染症対策の基本
日テレNEWS NNN

斎藤キャスター 
「この夏、熱中症・新型コロナ・手足口病といろんなものがはやっています。どういう対策をしたらいいんですかね?」

山崎アナウンサー 
「伊藤院長によると、まずは感染症対策として小まめに手洗いをすることがあります。ただ、手足口病のウイルスはアルコール消毒では完全に消すことができないので、石けんを使ってしっかり手を洗うことが大切です」

「外から帰ったら手洗い・うがい、さらには入浴で全身をきれいに洗うことも大切ということです」

「また新型コロナや手足口病の飛まつ感染防止にはマスクも有効ですが、熱中症予防の観点から、屋外などの暑い場所で着けているのはやはり危険。なかなかこの暑さで着けるのは難しいです」

「そこで、例えば混雑した乗り物の中や病院ではマスクをするといった、ピンポイントで使ってくださいということでした」

「熱中症予防には適切なエアコンの使用も大切ですが、冷気を逃がさないようにとずっと窓を閉め切っているのは、感染症対策としてはNGだということです。少し暑くなるかもしれませんが、小まめに換気をすることにも気を付けてほしいといいます」

鈴江アナウンサー
「家に帰ってくると中が暑いので、夜にちょっと気温が下がった時間帯に換気するようにしています。マスクをピンポイントで使うなど、夏だからこそできる感染対策は続けたいですね」

山崎アナウンサー
「換気して暑い空気が入ってくると熱中症のリスクは上がりますが、効果的に空調なども使っていきたいです。初期症状が似ていることもあります。自分だけではなく周りのお子さんや高齢者の様子にも気を配り、声をかけ合っていけたらなと思います」

(2024年7月16日 news every.「#みんなのギモン」より)


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例年なら秋~冬の「RSウイルス」が夏に流行、「アデノウイルス(プール熱)」は冬から患者発生 「感染症流行の季節性が無くなってきている」医師指摘

例年なら秋~冬の「RSウイルス」が夏に流行、「アデノウイルス(プール熱)」は冬から患者発生 「感染症流行の季節性が無くなってきている」医師指摘

例年だと夏にはやる感染症と、秋~冬にはやる感染症が、同時に流行しています。医師は「感染症の流行の季節性が無くなってきている」と指摘しますが、その対策についても注目すべき点が。アルコール消毒がきくウイルスと、そうでないウイルスがあるため、感染対策にも違いがあるんです。

山陰両県の感染症情報センターによりますと、島根県では、咽頭結膜熱、RSウイルスともに全域でやや流行となっています。

一方鳥取県では、咽頭結膜熱が全域で流行、RSウイルスが東部と西部で流行しています。

鳥取県米子市内の小児科医院を訪れると…

おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「咽頭結膜熱は年明けぐらいから流行があるんですけど、すごく大きな流行というよりは、継続して出ているという感じです」

咽頭結膜熱とは、アデノウイルスが原因のいわゆる「プール熱」。
感染すると、高熱やのどの痛み、結膜炎などを起こします。

厚労省によりますと、咽頭結膜熱は例年6月頃~流行し始め、7月~8月に流行のピークを迎えますが、こちらの医院では、実は年明けから継続して感染者がみられるといいます。

一方で…

おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「最近子どもであれば、RSウイルス感染症が増えてきています。例年涼しくなってからはやるんですけど、この暑い時期に流行がみられています」

例年は秋~冬にかけて流行するRSウイルス感染症も、今月に入り、早くも感染者が増えてきているといいます。

おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「明確な理由は分かりませんが、最近は感染症の流行の季節性というのが無くなってきている印象。色んな感染症でそういった傾向が見られます」

こうしたなか、感染対策の違いについても注意が必要です。

おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「咽頭結膜熱の原因となるアデノウイルスは、アルコールが少し効きにくい特徴があるので、より手洗いをしっかりする必要があります。

一方、RSウイルスは咳がひどいので、より飛沫感染しやすいので、ちょっと暑いですけど、マスクによる対策も有効だと思います」

そのほか、特に咽頭結膜熱の場合は、タオルや枕、べッドのシーツなどの共有を避けた方が良いとのこと。

夏にかけてエアコンが欠かせない時期が続きますが、適度な換気も重要だということです。

山陰放送

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手足口病が増加「流行の早期化」懸念 手や足、口のみならず、気をつけたい部位は?…1度かかっても2度、3度かかる可能性も

手足口病が増加「流行の早期化」懸念 手や足、口のみならず、気をつけたい部位は?…1度かかっても2度、3度かかる可能性も

夏に子どもの間で流行する感染症「手足口病」が、今年は例年より早いペースで増えています。国立感染症研究所(感染研)によると、5月20~26日の1週間に全国約3000か所の医療機関から報告された手足口病の患者数は1医療機関あたり2.13人でした。この時期としては過去10年で最も多く、専門家は、今後さらに増える可能性があるとし、注意を呼びかけています。

前回の大流行は2019年
感染研によると、国の警報基準(5人)を上回っているのは、群馬県(8.77人)、福井県(8.08人)、大分県(7.5人)、鹿児島県(7.06人)、愛媛県(7人)、奈良県(6.09人)、高知県(5.28人)です。

手足口病は、隔年で流行を繰り返すことが知られています。しかし、直近では2019年に大流行して以降、患者は増えていませんでした。新型コロナウイルスの感染拡大により、社会全体で感染予防策がとられたことが影響したとみられます。

日本小児科医会理事で峯小児科(さいたま市)院長の峯 真人まひと さんによると、23年5月に新型コロナが感染症法上の「5類」に移行してから、RSウイルスや溶連菌などさまざまな感染症が子どもたちの間で途切れることなく流行しているといいます。峯さんは「手足口病のウイルスはごく当たり前に存在していますが、コロナ禍で感染する機会が減っていました。そのため免疫を持っていない子どもが増え、通常よりも早い時期から感染が増えている可能性があります」と指摘します。さらに、「初めての感染だと症状が強く出ることが多く、体内から排出されるウイルス量も多くなるため、周りにうつしやすくなります」と指摘します。

原因となるウイルスは複数
手足口病が増加「流行の早期化」懸念 手や足、口のみならず、気をつけたい部位は?…1度かかっても2度、3度かかかる可能性も

手足口病は3~5日の潜伏期間の後、手のひらや足の裏、口の粘膜などに水 疱ほう ができます。原因となるウイルスは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど複数あり、ウイルスに免疫のない子どもの間で流行します。通常は数日で治りますが、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症が起きることがあります。ウイルスにはそれぞれ複数のタイプがあり、一度かかっても違うタイプのウイルスに感染して2回、3回かかることもあります。

峯さんは、「2~3歳までの小さな子どもだと、ひざやお尻にも発疹が出ることがあります。数年前に新しく出てきたタイプのウイルスの場合、指先や体にも水疱が出やすく、体全体に水疱が出て水ぼうそうのようにみえる患者さんもいます」と説明します。

手足口病を防ぐワクチンや治療薬はありません。峯さんは、「ウイルスが含まれている鼻水やよだれなどに触れて感染を広げることが多いので、しっかりと手洗いすることが大事です」と話しています。(読売新聞メディア局 道丸摩耶)

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「劇症型溶連菌」(人食いバクテリア)患者が過去最多

 「劇症型溶連菌」が977人で過去最多を更新 致死率約3割 今年の患者数が約5か月間で去年上回る

急速に症状が進み、致死率が高いことで知られる「劇症型溶連菌」の患者数が今年に入ってすでに977人にのぼり、過去最多を更新したことがわかりました。

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、溶連菌に感染し、まれに手足の壊死や多臓器不全を引き起こすなど急速に症状が進む感染症で、死亡することもあります。

国立感染症研究所によりますと、今年1月から今月2日までに全国で報告された患者数は速報値で977人でした。

去年の患者数は941人で、現在の方法で調査を始めた1999年以降、過去、最も多くなっていましたが、今年はわずか5か月あまりで去年1年間の患者の数を上回りました。

劇症型溶連菌の致死率はおよそ3割といわれていますが、劇症化するメカニズムはわかっていません。

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劇症型溶連菌 昨年の患者数に迫る

 【感染症ニュース】劇症型溶血性レンサ球菌感染症の今年の患者数が900人超え 約5か月で2023年の患者数に迫る勢い! 医師「7月頃までの溶連菌感染症流行に注意」

国立感染症研究所の2024年第21週(5/20-26)速報データによると、劇症型溶血性連鎖球菌感染症の報告数は30。今年の累積報告数は935となりました。去年1年間の患者報告数は941で、およそ5か月で去年の報告数とほぼ同じ患者が発生しています。致死率がおよそ30%という注意すべき感染症の流行に警戒が必要です。


◆劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは?
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は「人食いバクテリア」とも呼ばれることもある感染症です。A群溶血性レンサ球菌に引き起こされ、免疫不全などの重篤な基礎疾患をほとんど持っていないにもかかわらず突然発病する例があります。初期症状としては四肢の疼痛、腫脹、発熱、血圧低下などで、発病から病状の進行が非常に急激で、発病後数十時間以内には軟部組織壊死、急性腎不全、成人型呼吸逼迫症候群(ARDS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全(MOF)を引き起こし、ショック状態から死に至ることも多いとされています。近年では妊産婦の症例も報告されています。

◆感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、
「よく『人食いバクテリア』といわれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症ですが、原因となるA群溶血性レンサ球菌に注目していただきたいと思います。この菌はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の原因菌でもあり、溶連菌感染症は現在過去最大の流行が続いています。そのためA群溶血性レンサ球菌に接する機会が増えていることから、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症する人が増えていると考えられます。溶連菌感染症の流行がおさまるまで、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者も増え続けるのではないかと予測しています」と語っています。

◆感染経路を特定するのが難しい劇症型溶血性レンサ球菌感染症
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、通常は菌が存在しない血液、脳脊髄液、胸水、腹水、生検組織、手術創などからレンサ球菌が検出されます。傷口や皮膚の疾患などから菌が侵入するケースが考えられますが、はっきりとした原因はよくわからないことが多いとされています。また、妊婦が出産時に産道から感染する場合もあります。
安井医師は「当院でも2024年、出産時にレンサ球菌に感染したとみられる方がいました。劇症型なので発病から病状の進行が急激で、直ちに治療を行う必要がありました。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は予防が難しく、治療に急を要するので、こうした感染症の理解を深め、もしものときに備えていただきたいと思います」としています。

◆A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)は去年のピーク時とほぼ同じ流行に
一方、感染症研究所の2024年第21週(5/20-26)速報データによると、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の全国の定点当たり報告数は5.03。今年に入り最多の報告数で、去年のピーク5.04(2023年第50週、11/11-17)とほぼ同じ流行規模になっています。都道府県別では鳥取12.68、山形11.54、北海道9.35、福岡8.81、新潟8.20、宮崎7.67、千葉6.82、茨城6.81が多く、流行は全国的に広がっています。
安井医師は「溶連菌感染症は去年の秋以来流行が続いています。子どもたちの間で感染が広がる感染症ですので、例年夏休みが始まるまでは流行が続くので、2024年も7月頃まで患者数は多いままで推移するのではないかと予測しています。家族間での感染もありますので、予防に留意していただきたいと思います」としています。

◆A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは?
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)は、レンサ球菌という細菌を病原体とする感染症です。主に感染している人の口から出る飛沫(しぶき)などを浴びることによって感染する「飛沫(ひまつ)感染」や、おもちゃやドアノブなどに付着している病原体に触れた手で口や眼などから感染する「接触感染」、そして食品を介して「経口感染」する場合もあります。よく見られる疾患としては、急性咽頭炎のほか、膿痂疹(のうかしん)、蜂巣織炎、あるいは特殊な病型として猩紅熱(しょうこうねつ)があります。また菌の直接の作用ではないのですが、合併症として肺炎、髄膜炎、敗血症、あるいはリウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことがあります。いずれの年齢でもかかりますが、学童期の子どもが最も多く、学校などでの集団感染、また家庭内できょうだいの間で感染することも多いとされています。


引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ令和6年第21週(5/20-26)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは、劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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先発薬とジェネリックの差額を患者が負担する制度が盛り込まれた【クスリ社会を正しく暮らす】

 先発薬とジェネリックの差額を患者が負担する制度が盛り込まれた【クスリ社会を正しく暮らす】

【クスリ社会を正しく暮らす】

2024年度診療報酬改定では、「長期収載品の選定療養」が盛り込まれました。「選定療養」とは健康保険法に基づく医療サービスの一種で、患者さんが追加費用を負担することで、保険適用外の治療を保険適用の治療と併せて受けることができる制度です。たとえば、差額ベッド代や紹介状なしで大病院を受診することなどが挙げられます。

「長期収載品」は、再審査期間が終了していてすでに特許も切れている、ジェネリック医薬品がある先発医薬品を指します。「長期収載品の選定療養」を簡単にまとめると、国内でジェネリック医薬品が広く使われているにもかかわらず、患者さん自身が先発医薬品を希望する場合、その差額の4分の1は保険の対象にはならないので患者さん自身で支払ってください……といったイメージです。

ただし、医師が先発医薬品を指定した場合や、薬局でジェネリック医薬品の在庫がない場合などは保険の対象になります。病院や保険薬局では、ジェネリック医薬品の使用頻度が高い施設が評価される制度が数年前から導入されていて、ジェネリック医薬品の使用はかなり増えている印象です。

しかし、患者さんが先発医薬品を希望される場合、無理にジェネリック医薬品に変更することはできません。今回の改定では、「高額な先発医薬品を希望するなら自分で差額を払うように! とにかく医療費を削減したいんだ!」という国からの強いメッセージを感じます。

この制度の対象となる先発医薬品は1095品目にも上ります。施行は今年の10月1日からなのですが、ご自身の服用している薬について、「先発医薬品なのかジェネリック医薬品なのか?」「選定療養の対象医薬品が含まれていないか?」をあらためて確認する必要がありそうです。詳しくはかかりつけの薬剤師に気軽にたずねてください。

(荒川隆之/薬剤師)

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サプリで健康被害「腎疾患」とは

 【解説】“紅麹サプリ”で健康被害 「腎疾患」とは 日本腎臓学会・専門医に聞く

小林製薬の「紅麹原料」を含むサプリメントで健康被害が相次いでいます。摂取していた人が腎臓の疾患を発症し、死亡していたことも明らかになっています。日本腎臓学会の専門医である吉田啓医師に聞きました。

■毒素が排せつされず血中に蓄積
日テレNEWS NNN

森圭介キャスター
「実際に商品を飲んだ30代の男性に話を聞きましたが、今月に入ってからけん怠感の症状が出たということです。吉田医師はこの症状についてどうみましたか?」

日本腎臓学会・専門医 ひらくクリニック院長 吉田啓医師 
「腎臓から排せつされるべき毒素が排せつされずに血液の中で蓄積すると、けん怠感を生じる可能性があります」

森キャスター
「さらに、夜中起きなかったものの、夜中トイレに3~4回起きるようになってしまったということですが、こういった症状はあるんでしょうか?」

吉田医師
「腎臓には尿を濃縮して出す機能があるので、その濃縮機能が低下すると、『多尿』といいますが、お小水が多い状況になります」

森キャスター
「そういう症状もあるということですね。私は初めて聞きましたが、お酒をおいしく感じなくなるというのも腎臓関連の症状の1つなんですか?」

吉田医師
「可能性としてはあります。食欲が低下するというのが代表的な症状ですが、その部分的な症状が、お酒をおいしく感じないという症状なのかもしれません」

森キャスター
「それはいわゆる味覚に障害が出てくるということですか?」

吉田医師
「いえ、老廃物を出さないために体に入るものを制限しようとする生体反応じゃないかと思います」

■死亡事例 「ほかに病気があった可能性も…」
日テレNEWS NNN

森キャスター
「ここまで腎臓への障害、1つの症例というものが出てくるということです。今回、亡くなった人も出てきていて、1人目は腎臓の疾患を発症して今年亡くなったということです。今回の死亡事例にまで至ってしまったということについてはどうみていますか?」

吉田医師
「サプリメントの薬には変わりありませんので、注意すべきということは我々医師も認識してはいますが、ここまでの重篤な状況は今回初めてですので、我々も危機感を高めているところです」

森キャスター
「こういった死亡事例まで至るということは珍しいということですか?」

吉田医師
「ここまでは珍しいケースだと思います」

森キャスター
「腎臓の障害といってもさまざまあると思いますけど、今回はどういった症状・障害だと思いますか?」

吉田医師
「尿を濃縮できないということは、腎臓で1日に100リットルくらいの尿のもとをつくって、1日の尿は1リットルですから、腎臓・体に必要なものを再吸収するわけですけれども、その機能が失われているということですね」

森キャスター
「今回の障害は最悪、死ぬということもあるんでしょうか。それとも、もともと持病があって、こういったものが併発してしまったと考えた方がいいんでしょうか?」

吉田医師
「発見されたときの状態がよっぽど悪ければ亡くなるということもあると思いますけど、透析をすれば腎臓の機能は果たすことができますので、命まで落とすということは何かほかに病気があった可能性もあるのではないかと思っています」

森キャスター
「なにか違う異変を感じたときに透析だったり、自分で調べることができていれば、もしかすると亡くなるまで至らなかった可能性もあるということですか?」

吉田医師
「そうですね、発見が早ければ亡くならなくてすんだ可能性もあると思います」

■違和感を覚えたら病院で検査を
日テレNEWS NNN

鈴江奈々キャスター
「そうすると、早めに違和感を覚えたら病院やクリニックに行った方がいいということになると思いますが、吉田医師が診察している中でも小林製薬の対象商品を飲んだと言ってクリニックに来る人も今いますか?」

吉田医師
「先週から今週にかけて2人ほど『商品を飲んだけれども自分は大丈夫か?』と。特に症状はなかったですが、来院した人はいました」

鈴江キャスター
「心配になって来る人もいるということですね」

森キャスター
「今後、この対象の商品を飲んでいて心配している人に吉田医師から伝えられること・伝えられる対策はありますか?」

吉田医師
「腎臓症状というのはなかなか出にくいので、採血、もしくは尿検査などで病院を受診してもらう必要があると思います」

森キャスター
「受診するとすぐに採血・検査はしてもらえるものなんでしょうか?」

吉田医師
「それはできると思います」

森キャスター
「飲んでいて不安があるという人は調べていただくということですし、厚生労働省も『対象商品を購入した人は、直ちに飲むのをやめて、体に異常がある場合には医療機関を受診するか、最寄りの保健所に相談してほしい』というふうに伝えています」

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▽▲ 紅麹を含む健康食品の取扱いについて ▲▽

 ▽▲ 紅麹を含む健康食品の取扱いについて ▲▽

令和6年3月22日、小林製薬(株)から、「紅麹関連製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせ」に関する報道発表が行われ、現在、関連する食品の自主回収が行われています。
当該製品をお持ちの方は、摂食せずに自主回収の返品方法に従ってください。
また、当該製品に関する健康被害の相談は最寄りの保健所にご相談ください。

《関連リンク》
 ◎小林製薬(株)ホームページ
 ◎厚生労働省の健康被害情報サイト
 ◎消費者庁のリコール情報サイト

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新潟県 新型コロナ・インフルともに増加傾向 県が感染予防の徹底を呼びかけ

 新潟県 新型コロナ・インフルともに増加傾向 県が感染予防の徹底を呼びかけ

新潟県は7日、県内の新型コロナウイルスとインフルエンザの定点当たりの報告数がともに増加していると発表しました。

県は7日、3月3日までの1週間で新型コロナウイルスの定点当たりの報告数が「12.93」となり、前の週を上回ったと発表しました。

児童福祉施設や老人福祉施設での集団感染も確認されています。

また、インフルエンザの報告数は「18.27」で2週連続で増加。

県は、発熱や咳などの症状があるときや具合が悪いときは外出を控えるなど感染予防を徹底するよう呼びかけています。

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インフルエンザ異例の2回目ピーク、今度はB型…専門家「2度かかる恐れも」

 インフルエンザ異例の2回目ピーク、今度はB型…専門家「2度かかる恐れも」

季節性インフルエンザの感染拡大が続いている。昨年12月にピークを迎えた後、一度は減少したが、年明け以降に急増し、1シーズンで二つのピークができる異例の事態となった。専門家は「昨年流行したA型に代わってB型の感染が広がり、2度かかる恐れもある」と警戒を呼びかける。

インフルエンザは例年、年末前後に流行入りし、ピークが一つできる。しかし、今シーズンは昨年9月から流行が拡大した。大阪府の本村和嗣・感染症情報センター長は「コロナ禍ではインフルエンザがほとんど流行せず、十分な免疫を持たない人が増えた。(対策が緩和された)昨春以降、社会経済活動が活発化し、3、4か月早く感染が広がった」と指摘する。

厚生労働省は、全国5000の定点医療機関からの報告を基に1機関あたり1週間の患者報告数が10人で「注意報」、30人で「警報」とする基準を定めている。

秋からの流行は12月初旬に報告数の全国平均が33・7人と警報レベルとなった。その後は注意報レベルの12・7人にまで下がったが、年明け以降は5週連続で増加し、2月初旬に23・9人となった。地域別では福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎、奈良、京都の7府県が警報レベルとなり、大阪、愛知など4府県で29人を超えて警報レベル寸前だ。

「患者の増加が止まらない」。大阪府東大阪市のクリニック「藤戸小児科」の藤戸敬士(ひろし)院長は話す。2月初旬の1週間の患者数は1か月前の10倍近い108人にまで急増したという。

2回目のピークができた背景には、昨年末にかけて2種類のA型(H1N1型、H3N2型)が流行した後、1月以降に新たにB型が拡大している現状がある。

感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授によると、B型ウイルスはあまり変異を起こさない。多くの大人では一度かかって得た免疫が保たれて重症化しにくいが、この4年間、B型の流行がなかったため、子どもはほとんど免疫を持っていないという。2月初旬の患者の約7割を15歳未満が占めた。

菅谷氏は「B型でこの規模の感染の山ができることは珍しい。異なるウイルスが順番にピークを引き起こすのも異例だ」と指摘。「結果として、(推計感染者数約1458万人と)近年で最も大規模だった2017~18年に匹敵する流行になる可能性が高い」との見方を示した。

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