例年なら秋~冬の「RSウイルス」が夏に流行、「アデノウイルス(プール熱)」は冬から患者発生 「感染症流行の季節性が無くなってきている」医師指摘
例年だと夏にはやる感染症と、秋~冬にはやる感染症が、同時に流行しています。医師は「感染症の流行の季節性が無くなってきている」と指摘しますが、その対策についても注目すべき点が。アルコール消毒がきくウイルスと、そうでないウイルスがあるため、感染対策にも違いがあるんです。
山陰両県の感染症情報センターによりますと、島根県では、咽頭結膜熱、RSウイルスともに全域でやや流行となっています。
一方鳥取県では、咽頭結膜熱が全域で流行、RSウイルスが東部と西部で流行しています。
鳥取県米子市内の小児科医院を訪れると…
おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「咽頭結膜熱は年明けぐらいから流行があるんですけど、すごく大きな流行というよりは、継続して出ているという感じです」
咽頭結膜熱とは、アデノウイルスが原因のいわゆる「プール熱」。
感染すると、高熱やのどの痛み、結膜炎などを起こします。
厚労省によりますと、咽頭結膜熱は例年6月頃~流行し始め、7月~8月に流行のピークを迎えますが、こちらの医院では、実は年明けから継続して感染者がみられるといいます。
一方で…
おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「最近子どもであれば、RSウイルス感染症が増えてきています。例年涼しくなってからはやるんですけど、この暑い時期に流行がみられています」
例年は秋~冬にかけて流行するRSウイルス感染症も、今月に入り、早くも感染者が増えてきているといいます。
おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「明確な理由は分かりませんが、最近は感染症の流行の季節性というのが無くなってきている印象。色んな感染症でそういった傾向が見られます」
こうしたなか、感染対策の違いについても注意が必要です。
おおの小児科・内科医院 大野光洋 院長
「咽頭結膜熱の原因となるアデノウイルスは、アルコールが少し効きにくい特徴があるので、より手洗いをしっかりする必要があります。
一方、RSウイルスは咳がひどいので、より飛沫感染しやすいので、ちょっと暑いですけど、マスクによる対策も有効だと思います」
そのほか、特に咽頭結膜熱の場合は、タオルや枕、べッドのシーツなどの共有を避けた方が良いとのこと。
夏にかけてエアコンが欠かせない時期が続きますが、適度な換気も重要だということです。
山陰放送