[ カテゴリー:医療 ]

コロナ急増「医療崩壊」の心配も

“医療崩壊”の心配も?──この夏「新型コロナ」が急増、ナゼ? 「熱中症」と似た初期症状 手足口病も流行

異常な暑さのこの夏、新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。初期症状は熱中症と似ているため、自己判断は禁物。時間差で症状が現れる「免疫性肺炎」にも要注意です。手足口病も同時流行し、大人が重症化するケースもあります。対策を考えます。

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そこで今回の#みんなのギモンでは、「コロナ急増 この夏の注意点は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●最新の変異株「KP.3」とは? 
●同時に流行「手足口病」

■1週間で…4万人ほどが新たに発症
日テレNEWS NNN

山崎誠アナウンサー 
「新型コロナウイルスの感染者数が、9週連続で増加しています。1か月前と比べると約2倍にまで急増しています」

「厚生労働省によると7月1日~7日の1週間に、全国の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は、1医療機関あたり平均で8.07人。これは全国にある約5000の医療機関からの報告で、1週間で4万人ほど新たに発症しているということになります」

「全ての都道府県で前の週と比べて増加しています。鹿児島県では1医療機関あたりの感染者数が1週間で20人を超え、沖縄県では29.92と30人近い状況です」 

鈴江奈々アナウンサー 
「私も6月下旬に感染し、その時も医療機関に『周りもはやってるよ』と言われました。今はさらに感染者数が増えている状況で、かつ周りでも感染の話は聞きますね」

■新型コロナの感染者増、2つの要因
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー
「東京都内のクリニックでは、このままのペースで患者が増え続けると医療崩壊が起きそうだという危機感を抱くような状況だといいます。ではなぜ今、新型コロナの感染者が増えているのでしょうか?」

「いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に聞いたところ、2つの要因が考えられるということです。1つ目は新たな変異株の流行、2つ目は今年の異常な暑さです」 

「今流行しているのがKP.3という変異株で、感染力が高く、変異株なので今のワクチンが効きにくいことから、感染者が増えているそうです」

「そして暑さについて。今年は暑さに体が慣れる前に猛暑日となるなど、異常な暑さとなっています。それによって自律神経が乱れ、食欲も落ち、免疫力も下がっていることが影響しています」

斎藤佑樹キャスター 
「疲れてきたり、暑いと寝られなかったり。そうすると免疫力が下がるので、免疫力を高めておくために、ちゃんと休んでおくのが大事かもしれないですね」

■倦怠感や頭痛…熱中症と似た初期症状
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー
「体の状態は本当に大切ですからね。伊藤院長のクリニックでは、発熱で新型コロナを疑って受診した患者さんが熱中症だったケースもあったそうです。というのも新型コロナと熱中症は、初期症状がどちらも倦怠(けんたい)感や頭痛、発熱と似ています」 

「熱中症に関しては熱が出る方も出ない方もいますが、初期症状が似ているということです。熱中症ではめまい、手足のしびれや意識障害、おう吐といった症状が現れます。新型コロナはのどの痛みやせき・たん、鼻水、下痢などの症状がある人もいます」

「初期症状について私たち素人ではなかなか見分けることができないので、自己判断はしないで受診するのがいいということです」 

森圭介アナウンサー 
「どうしても周りではやっていると、自分で決めつけて『こうじゃないか』と思われる方がいるかもしれませんが、初期の対応を誤ってしまうと、なかなか回復まで時間がかかります。なるべくお医者さんの診断を受けて早めに正しい対処をしてほしいですよね」

鈴江アナウンサー
「私も実際どっちか分かりませんでした。発熱して、でもその日暑かったので『熱中症なのかな』と疑っていました」

「自宅の検査キットで陰性だったので『やっぱり違うかな』と思いながら、一応医療機関で検査しようと思って行ったら新型コロナでした。自分では判断つかなかったですね」

■発症2~3週目でも…免疫性肺炎とは
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー 
「自己判断しないことが大切になってきます。新型コロナ患者の増加に伴って最近増えているのが、免疫性肺炎です。伊藤院長に聞きました」

「新型コロナに感染した初期に起きるのはウイルス性肺炎です。ウイルスに肺を攻撃されて肺炎が起きますが、重症化しにくいと言われています。それに対して免疫性肺炎は、発症から1週間以上経った2週目、3週目に起きる人もいるという肺炎です」

「これはウイルスが肺を攻撃しているわけではなく、体に残っているウイルスを撃退しようと免疫が頑張りすぎてしまって炎症を起こすものです。症状も強く、長引く傾向があるということです」

河出奈都美アナウンサー 
「免疫性肺炎の方が症状が強いというのは心配ですが、もし症状が回復してもまたぶり返したり、長引いたりした時には免疫性肺炎を疑った方がよさそうですか?」

山崎アナウンサー 
「そうですね。時間の経過とともに(症状が)出てきますので、そこで判断するということもできますね」

■手足口病、38都府県で警報レベル超
日テレNEWS NNN

山崎アナウンサー 
「小さなお子さんの間で流行しているのが、手足口病です」

鈴江アナウンサー 
「私の息子も先週なりました。保育園などでもはやっていると聞きましたし、小児科の先生もおっしゃっていました。子どもがかかるというイメージなんですけど、最近は大人もかかったという話を聞きました。だいぶ流行が進んでいるのかなという気もします」

森アナウンサー 
「大人がかかると症状がひどくなるんですよね」 

山崎アナウンサー
「感染ルートはいろいろあると思うのですが、例えば子どもから親にうつってしまうと親が重症化するケースも起きています。手足口病は、手足や口に水泡状の発疹ができるウイルス性の感染症です」

「7月1日~7日の1週間で報告された1医療機関あたりの感染者数は11.46人と、15週連続で増えています。国立感染症研究所IDWR速報データに基づき都道府県別で見ると、警報の目安とされる5人を超えているのが38都府県に上ります」

「子どもを中心に夏に流行するイメージですが、子どもから大人が感染して重症化することも多いため、改めて注意が必要です」

■医師に聞く…感染症対策の基本
日テレNEWS NNN

斎藤キャスター 
「この夏、熱中症・新型コロナ・手足口病といろんなものがはやっています。どういう対策をしたらいいんですかね?」

山崎アナウンサー 
「伊藤院長によると、まずは感染症対策として小まめに手洗いをすることがあります。ただ、手足口病のウイルスはアルコール消毒では完全に消すことができないので、石けんを使ってしっかり手を洗うことが大切です」

「外から帰ったら手洗い・うがい、さらには入浴で全身をきれいに洗うことも大切ということです」

「また新型コロナや手足口病の飛まつ感染防止にはマスクも有効ですが、熱中症予防の観点から、屋外などの暑い場所で着けているのはやはり危険。なかなかこの暑さで着けるのは難しいです」

「そこで、例えば混雑した乗り物の中や病院ではマスクをするといった、ピンポイントで使ってくださいということでした」

「熱中症予防には適切なエアコンの使用も大切ですが、冷気を逃がさないようにとずっと窓を閉め切っているのは、感染症対策としてはNGだということです。少し暑くなるかもしれませんが、小まめに換気をすることにも気を付けてほしいといいます」

鈴江アナウンサー
「家に帰ってくると中が暑いので、夜にちょっと気温が下がった時間帯に換気するようにしています。マスクをピンポイントで使うなど、夏だからこそできる感染対策は続けたいですね」

山崎アナウンサー
「換気して暑い空気が入ってくると熱中症のリスクは上がりますが、効果的に空調なども使っていきたいです。初期症状が似ていることもあります。自分だけではなく周りのお子さんや高齢者の様子にも気を配り、声をかけ合っていけたらなと思います」

(2024年7月16日 news every.「#みんなのギモン」より)


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