食品や化粧品などに使われる赤色の着色料「コチニール色素」の摂取で、洗顔せっけん「茶のしずく」(旧製品)の小麦アレルギーのように急性アレルギー症状(アナフィラキシー)が出る恐れが指摘されている。消費者庁は呼吸困難など重篤な症状となる可能性もあるとして、同色素を含む化粧品を使用したり食品を摂取したりしてかゆみなどの症状が出たときはすぐ専門医を受診するよう呼び掛けている。
◆安全性高いが
同庁によると、同色素や同色素の化合物である「カルミン」を含む化粧品の使用や食品の摂取でアナフィラキシーを引き起こしたと推定される事例は、昭和40年頃から約20の論文で報告されている。
山川皮ふ科(横浜市神奈川区)の山川有子院長は、同色素によるアレルギー患者4人を診察した経験を持つ。30~50代の女性で、カンパリ入りカクテル(現在はカンパリには同色素は入っていない)やイチゴジュースなど「赤い飲み物」を飲んだ後、じんましん▽顔が真っ赤に腫れる▽顔が真っ青▽冷や汗▽下痢▽息苦しい-などの急性アレルギー症状を起こしていた。
山川院長は「コチニール色素はさまざまな食品や化粧品に使われており、基本的には安全性がかなり高い色素と考えられている。ただ、エビやカニを食べてアレルギーになる人がいるように、この色素でアレルギーとなる人もいる。まれな発症とはいえ、重症化すれば命にかかわるだけに注意が必要」と指摘する。
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