宮崎県日南市南郷町の医療法人春光しゅんこう会「東ひがし病院」で、ノロウイルスとみられる集団感染が発生し、入院患者6人が死亡した問題で、同病院の加藤久仁彦院長が下痢や発熱などのノロウイルスの症状を発症していたことが分かった。
院長は発熱した2日後に診療を取りやめ、院長室から看護師らに対応を指示。同県は、十分な診療態勢が取れなかったことが感染拡大に影響した可能性もあるとみて、詳しい調査を進めている。
病院関係者や同県日南保健所によると、加藤院長は最初の死亡者が出た翌日の15日に発熱と関節痛を感じたが診療を継続。17日朝に下痢の症状が出たため、この日は患者との接触を控え、院長室から看護師らに患者への対応を指示した。18~20の3日間は同病院の非常勤医師1人が治療や診察を行った。加藤院長は21日には回復し、診療を再開したという。
県日南保健所によると、東病院の常勤医師は加藤院長1人だけ。ほかに非常勤医師が4人いたが、ノロウイルスの診療に当たったのは加藤院長と非常勤医師1人だったという。
同病院では17日、5人の入院患者が簡易検査でノロウイルスの陽性と判明し、同日から外来診療を休診。これまでに患者30人と病院職員14人が感染し、限られた職員で対応に追われた。
県は「病院側が対応可能と判断したのだろうが、院長の勤務状況などをさらに聞き取り、感染拡大に影響がなかったか調べたい」としている。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/medical/20121225-567-OYT1T01359.html