原子力発電所の新規制基準が決まった19日、稼働停止中の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)を抱える県内では原発の安全性向上への期待が高まった。
柏崎市の会田洋市長は同日発表したコメントで、新基準について「内容は多岐にわたり、極めて専門的だ。私どもが理解し判断できるようにしてほしい」と注文を付けたものの、「安全対策がより厳しくなり、安全性は相当高まるものと期待する」と一定の評価をした。
柏崎市では、昨年3月に原子炉全7基が停止して以降、市内経済だけでなく、市財政にも影響が及んでいる。同市では稼働中の原発に課税する「核燃料税」が、原子炉が動いていた平成23年度は2億2835万円を歳入に計上していたが、24年度以降はゼロ。25年度予算でも電源立地地域対策交付金など原発関連交付金は24年度比2・1%減少した。
柏崎商工会議所の西川正男会頭も産経新聞の取材に「新基準ができたことは再稼働に向けての一つのステップだ」と述べ、再稼働申請に向けた東電の動きを注視する考え。刈羽村の品田宏夫村長は「以前にも増して進化した規制体制になったと思う」と話した。
柏崎刈羽原発は「新基準に適合するよう引き続き原発の安全性向上に努めたい」とコメントを出した。再稼働申請の時期について言及しなかった。
一方、新基準を先取りして県の了解なしに一部の安全対策工事を進める東電の姿勢に難色を示す泉田裕彦知事は、19日開会した県議会で「福島第1原発事故の検証・総括がないまま規制基準が策定されても、安全を確保することにはならない」と従来の主張を強調。閉会後も記者団に「安全基準から規制基準へと(安全の文字を外して)名称を変えたことに象徴されるように、事故があることを前提にした基準だ」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130619/ngt13061922400006-n1.htm










