■女性の健康寿命を延ばすための「女性のミカタ」プロジェクト
骨の内部が、すかすかになり骨折を起こしやすくなる「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」。自覚症状がないまま骨が弱ってくる病気であるが、50代以上の女性の3人に1人がかかっているという。骨が弱ってくるとはどういうことなのか。「骨にはカルシウムをためる働きがあります。カルシウムは骨や歯を形成し筋肉を動かすもとになるものです。しかし、骨にためておいたカルシウムは、血液中のカルシウムが減ってくると引き出されてしまいます。すると、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ骨量の減少が起こり、骨粗鬆症になり骨が弱ってくるのです」と獨協医科大学産科婦人科教授の望月善子氏は話す。
骨粗鬆症は男性もかかる病気であるが40歳以上の国内推定患者数が男性300万人、女性980万人と、女性患者数は男性の3倍に上る。その原因として、骨量を増やす働きがある女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が50代以降の閉経後に急激に減少することが挙げられる。骨折と疾病の関係について、望月氏は「骨粗鬆症になった人によく見られるのは、股関節(大腿骨近位部)骨折と椎体(背骨や腰)骨折です。股関節の骨折は寝たきりの原因に、椎体骨折は消化器系の疾患にかかりやすくなったり、背中が曲がる直接的な原因になったりします」と警告する。「この病気は遺伝的要素があります。親が骨粗鬆症になっている場合、その子や孫もかかってしまう可能性が高い。また、最近は、骨粗鬆症にさまざまな合併症もあることがわかってきました。高血圧患者の約半数、糖尿病患者の約10%が骨粗鬆症にかかっているというデータがあります。積極的に、家族一緒に検査を受け、治療もしてほしい」と早めの検診・治療を勧めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140502-00000530-san-hlth