脂肪分解酵素を活性化させ、体脂肪減少を助ける働きを持つケルセチン。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、あるいはその予備軍にとって心強いが、実際にどれほどの効果があるのか。
サントリー食品インターナショナル商品開発部の寺本貴則開発主幹(43)によると、ケルセチンに関する研究は世界中で行われている。だが、抗酸化作用や抗炎症作用に関する文献報告は多くあるものの、肥満に関する研究は少なく、ヒトでの検証は行われていなかったという。
そこで同社は、BMI(体格指数=体重「キロ」を身長「メートル」の2乗で割った数値)が25~30の成人男女200人を対象に、ケルセチン配糖体が入った緑茶と入っていない緑茶を摂取する群に分け、12週間継続して飲む実験を実施。摂取後にCT(コンピューター断層撮影装置)で腹部の脂肪面積を調べたところ、ケルセチン配糖体を含む緑茶を飲んでいた群では、8週目から体脂肪が有意に低減することが確認された。
寺本開発主幹は「ケルセチンの効果には個人差はあるが、ヒト試験によって、ケルセチンの体脂肪低減効果が明らかになった。体脂肪が気になる人の健康維持に役立つことが期待される」と話している。(取材協力 サントリー食品インターナショナル)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131230/bdy13123008560000-n1.htm