はじめに
特別なことをしているわけではないのにとても好印象な人や、お願い事をされたら断れない人ってたまにいますよね。
それはその人が人間の心理を上手く利用しているからかもしれません。
ここではビジネスシーンはもちろんのこと普段の人間関係でも使える心理用語とその簡単な使い方をご紹介します。
好印象を残せる?ビジネスから日常でも使える心理用語まとめ
返報性の法則
何かしてもらった相手にはお返しをしてあげなければならないと感じてしまう心理のことです。それを利用して小さな親切から大きな見返りを得ることもできます。
何か借りがある人からのお願いは断りにくいですよね。
消費行動、生き方や人間関係上の重要なキーとなる「返報性の法則(原則)」について、その概要と心理学の実験内容、ビジネスや詐欺的商法での活用について記載
フットインザドア
訪問販売の人が閉められそうになったドアにつま先を入れて閉められないようにするところからきた言葉で「簡単なお願いをして聞き入れてもらった後には大きなお願いを聞き入れてもらいやすい」というテクニックのことです。
「今小銭がないから100円だけ貸して」と言われた直後に「お札もなかったから5000円貸して」と言われたら、最初から「5000円貸して」と言われた時より貸してしまう可能性が高くなるということです。

グロービスのMBA経営辞書 フット・イン・ザ・ドア・テクニックの用語解説 – 交渉や依頼の場面で、本命の要求を通すために、まず簡単な要求からスタートし、段階的に要求レベルを上げる方法。…
ドアインザフェイス
過大な要求をしてから、本来の目的である要求をすると受け入れてもらいやすいというテクニックです。
「3万貸して」と言われて断ったあとに「そしたら今日の飲み会代の5000円だけ貸して」と言われたら貸してしまいますよね。

グロービスのMBA経営辞書 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックの用語解説 – 本命の要求を通すために、まず過大な要求を提示し、相手に断られたら小さな(本命の)要求を出す方法。人間心理を…
ローボールテクニック
魅力的な条件を相手に教えて、承諾してもらってから相手のデメリットになる条件を教えるというものです。
例えば「今日すごい可愛い女の子との合コンがあるんだけど、来る?」と聞いて「行く」という返事を聞いてから「そしたら女の子の分はあなたが払ってね」というようなテクニックです。
最初から「今日の合コンはすごく可愛い女の子がいるんだけど、全部あなたのおごりでよければ来る?」と言われるよりは心象がいいような気がします。
ローボールテクニックとは 〜 exBuzzwords用語解説
ローボールテクニックとは、説得技法の一つとされる手法で、まずは魅力的な条件で相手が要求を飲む決断を促し、その後に不利な条件を提示する手法のこと。例えば、ある商品
ラポールトーク
信頼関係を築くためにする親密さを感じさせる会話のことです。商談の相手でもいきなり仕事の話をせずに、相手が親密さを感じてくれるような会話をします。
例えば相手の趣味を知っていれば「最近ゴルフはどうですか?」「昨日の野球は〇〇が勝ちましたね」など振ってみてもいいかもしれません。
あまり近しい人でなければ「ご出身はどこですか?」など相手が安心するような話題をしてみましょう。

ミラーリング効果
自分と似た動きをする相手に対しては好感を持ちやすいという心理のことです。わざとらしいと相手にも勘付かれてしまいますが、同じようにお茶を飲んでみたり、メモを広げてみたりしてもいいかもしれません。

好意を抱く相手に対してその仕草や動作を真似る行為になって表れる「ミラーリング効果」と、人間に原始的に備わる対称性(美しさ)への憧れによって好意を得る「シンメトリー効果」に関する…
単純接触効果
接触する回数が増えると相手への好感度が上がるという効果です。まったく見たことがない製品よりもCMなどで目にしている製品の方が良いような気がしてしまうことってありますよね。
上司や取引先にはきちんと挨拶しに行ったり、お礼のメールを欠かさずすることで好感度が上がるかもしれません。

好きな女性の気を引くためのテクニック「単純接触効果」とは? | nanapi [ナナピ]
好きな女性ほどなかなか振り向いてくれない…そう嘆いてはいませんか?しかし、作戦も考えていなければ、なかなか効果は出ません。どうやったら振り向いてもらえるかを考えて、実践してみま…
メラビアンの法則
アメリカの心理学者の研究によって導き出された、「言葉そのものの内容おりも見た目や表情、しぐさなどの方が相手の印象に大きく関わる」という法則です。
少し言いにくい内容を伝える時こそ身だしなみを整えて、ハキハキと伝えるなどした方が相手にマイナスな印象を与えにくいかもしれません。

人材マネジメント用語集 メラビアンの法則の用語解説 – アメリカUCLA大学の心理学者/アルバート・メラビアンが1971年に提唱した概念。人物の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、また…
セルフマニュピレーション
プレゼンなど多くの人の前で話さないといけない時に、声が震えたり無意識に体や髪の毛をいじってしまうことをセルフマニピュレーションと言い、相手に自信のなさを伝えてしまうので避けた方がいいと言われています。
アガリ症の自覚がある人は手始めに、意識的にふらふらと動いたり手や腕、髪などを触るのを抑えてみましょう。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
質問した相手が「こないだのお休みは出かけたの?」もしくは「こないだのお休みはお家と外、どちらにいたの?」などのように択一して答えられる質問のことをクローズドクエスチョンと言います。それに対してオープンクエスチョンとは「休日はどうしてたの?」などのように相手が自由に答えられる質問のことを言います。
相手の明確な考えを知りたい時はクローズドクエスチョンを、できるだけ多くの情報を知りたい時はオープンクエスチョンが効果的です。

ナビゲート ビジネス基本用語集 クローズド・クエスチョン/オープン・クエスチョンの用語解説 – 質問方法の代表的な分類。相手が「はい、いいえ」または「AかBか」の択一で答えられるような…
クレショフ効果
特につながりのない映像や写真を2つ並べると、見ている人は無意識のうちに2つに連続性を見出してしまう効果のことで、もとは映画を撮る時の手法として使われます。
例えば、食べ物の写真と無表情な男性の写真を連続で見せられると「あの人はお腹が空いているんだろうな」と思い、お墓の写真のあとに無表情な男性の写真を見れば「誰かの死を悲しんでいるんだろうな」と感じるということです。
これを応用して、自分は気の強そうな顔をしているなと思う人は積極的に飼い犬や子供などの写真を見せ、能天気そうに見られるという人は難しい本などをちらつかせると、イメージをがらっと変えられるかもしれません。
バックトラッキング
いわゆる「オウム返し」のことです。相手が話した言葉を返すことで、より「この人は私の話を聞いてくれてる」と思ってくれるそうです。
ただそのまま返すのでは不自然ですが、「昨日残業してて疲れてて…」「疲れますよね。」「家に帰ってお風呂入ったら気持ちよかった」「気持ち良いですよね。」などのように部分的に繰り返すのが効果的です。
または、相手の相談などを「〇〇ということですよね」などのように要約してから自分の意見を言うのもいいかもしれません。

バックトラッキング:NLP用語集/NLP 日本NLP協会 公式サイト・神経言語プログラミング
バックトラッキングとは、日本語で「オウム返し」と呼ばれる、相手の言ったことを返すことを指します。
プラシーボ効果
もとは、薬効成分を含まないものでも、薬だと信じて飲み続けることで実際に症状が軽減されてしまう効果のことです。
これは薬だけではなく、日常でも起こります。例えば「これはたぶん達成できない目標だけどやれるところまでやって」と言われるよりも「絶対達成できる目標値だから、ぎりぎりになってもいいからやって」と言われた方が、作業効率が上がるそうです。

デジタル大辞泉 偽薬効果の用語解説 – 偽薬(プラセボ)の投与によってみられる治癒効果。薬物そのものの効能ではなく、投薬された安心感や医師への信頼などの心理作用によって症状が改善す…
ダブルバインド
もとは「二重拘束」「二律背反」などのように、「やってもやらなくてもダメ」など矛盾をはらんだ状況のことを指す言葉でした。しかし、それをポジティブに使うこともできます。
例えば、AとBの選択で悩んでいる人がいたら「Aを選ぶと〇〇というメリットがあって、Bを選ぶと〇〇というメリットがあるよ」などのように「どちらを選んでもいい」というダブルバインドを作り出してあげることで、本当にしたい方を選べるという効果があります。
商談などでもあえて「契約してもしなくてもいい」というような状況にすることで、信頼を得て契約をとれるかもしれません。
カリギュラ効果
禁止されるとやってしまいたくなる心理のことです。もとは「カリギュラ」という映画が過激な内容であるためアメリカのある州で上映禁止になったところ、逆に他の州にまで観に行く人などが現れ世間の注目を集めたことが由来の言葉です。
テレビで、予告編やCM前などに重要なところをモザイクなマークなどで隠す手法もカリギュラ効果を狙っています。
「これは今は言えないんだけど…」などのように枕詞を置くことで、興味をそそることができます。
誤前提提示
最初に前提条件や選択肢を提示することで、あたかもそれ以外の選択肢がないかのように錯覚させることです。
例えば友人と食事に行く時に「イタリアンと中華だったらどっちがいい?」と言われたら自然とその二つの中から選んでしまいますよね。
これを応用して相手に自分の望みどおりの選択をさせることもできますが、逆に「自分は今選択肢を狭められていないか」と確認することも大事です。

使える!心理テクニック研究室 〜これであなたも騙されない!?〜
このページは様々な心理学者の理論を元に構成されています。 各ページにはそれぞれ関連キーワードのリンクが貼ってあります。あわせてご覧下さい。
クライマックス法とアンチクライマックス法
これはどちらも話術における話の順番の技術です。クライマックス法とは一番大事な部分な自分の主張を一番最後にオチとして持ってくることで、アンチクライマックス法とは一番最初に主張や重要な話を持ってくるというものです。
最初からみんながこの話に興味がある場合はクライマックス法を、プレゼンなど興味がない人も多い場合はアンチクライマックス法を使った方が人の心をつかみやすいです。

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サブリミナル効果
本来は、人間が認識できないほど短時間で視覚を通して指示を送れば、潜在意識に影響を及ぼすことができるという効果です。例えば、映画の映像の中で目では見えないほど短時間にビールの写真が何回か挟まれているだけでビールが飲みたくなるというようなことです。
これはわざわざ映像を作らなくても起きることもあります。例えば、何気なく遊園地の写真が目に入ったら遊園地に行きたくなったりすることはありますよね。
これを応用すれば多少は相手の欲求や意識をコントロールできるかもしれません。

知恵蔵2013 サブリミナル効果の用語解説 – ある知覚刺激が非常に短時間であるなどの理由で意識としては認識できないが、潜在意識に対して一定の影響を及ぼすことができるとの説があり、その…
おわりに
いかがでしたでしょうか?もちろん悪用は禁物ですが、ビジネスや人間関係をスムーズに運ぶための手助けにしてみてはいかがでしょうか?
(image by PresenPic)











