[ カテゴリー:生活, 食育 ]

日常の減塩、心がけて 医療ルネサンス盛岡

「減塩のすすめ」をテーマに、「医療ルネサンス盛岡フォーラム」(読売新聞社主催、県、盛岡市、県医師会、県栄養士会、テレビ岩手、エフエム岩手後援)が28日、盛岡市盛岡駅西通のアイーナホールで開かれた。

医師や栄養士などの専門家が、食塩の過剰摂取が健康に及ぼす高血圧などの悪影響や、食事の塩を減らす工夫について語り合った。約150人が来場し、普段の食生活に生かそうと熱心に聞き入っていた。

前半は、国立循環器病研究センター(大阪府)の生活習慣病部門長・河野雄平さん(63)が登壇。「健康長寿へ 食塩とのつきあい方」と題して基調講演を行った。

河野さんは、過剰な食塩摂取が、高血圧を招くことを解説。世界的に見てもほとんど塩を取らない北極圏のイヌイットには高血圧がほぼゼロで、米国や欧州に比べ、日本、特に東北地方で食塩摂取量が多いことを指摘した。

日本高血圧学会の指針で、高血圧患者の1日摂取目標が6グラム未満なのに、約50年前の東北では1日30グラムを摂取、高血圧患者が40%もいたと紹介。また、塩の取りすぎが心不全や脳卒中といった血管にかかわる病気だけでなく、腎結石、骨粗しょう症、胃がんも招きやすいとした。

食塩を1グラム減らすと、血圧が0・5~1下がるというデータも示し、「減塩に取り組めば、血圧は下がる」と力を込め、血圧を下げるアドバイスとして、ウオーキングなどの規則的な運動や、減量も有効だとした。

続くディスカッションでは、河野さん、県立中央病院診療部長の川村実さん(62)、県栄養士会会長の福田禮子さん(66)に、読売新聞東京本社の南砂(みなみまさご)編集局総務を交え、減塩の工夫や心がけを語り合った。

川村さんは、最近の1日の3食を写真で公開。食塩が多く、避けているものとして漬物とみそ汁を挙げた。尿から塩分を簡易に測定する方法を紹介し、「塩を減らせば血圧が急にコントロールできるようになる患者がほとんど。高血圧の薬は補助的なもので日常生活の減塩が基本」と述べた。

基調講演を行う河野さん

奥州市の病院で、日々高血圧患者と接する福田さんは、「力仕事で汗をかくために、塩を取らなければいけないと考える人が多い。まず食塩の取りすぎが健康に悪いという認識が必要だ」と話し、汁を減らして野菜を増やした具だくさんの「食べるみそ汁」を薦めていた。

来場者からは、質問が相次いだ。食塩と骨粗しょう症の関係について尋ねられると、河野さんが「食塩を取りすぎると尿からカルシウムが出て、骨粗しょう症になりやすくなる」と答えた。

ディスカッションの最後には、各自が考える減塩のこつを紙に書いて披露。河野さんは「おいしい減塩食」、川村さんは「楽しく減塩」、福田さんは「味覚は変えられる」と記した。

テレビ岩手「5きげんテレビ」に出演中のフリーアナウンサー高橋佳代子さんが総合司会を担当し、会場を盛り上げた。

パネリストの紹介

河野雄平さん  国立循環器病研究センター生活習慣病部門長

1949年、福岡県生まれ。九州大学医学部を卒業、国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門医員などをへて、2010年から現職。高血圧、腎臓病、循環器病に詳しく、日本高血圧学会減塩委員会委員長を務めている。

川村実さん 県立中央病院診療部長

1951年、岩手県生まれ。大阪市立大医学部を卒業、国立循環器病センター勤務、岩手医科大助教授をへて、12年から現職。食塩とカリウムの1日の摂取量が適切かを評価する方法を確立するなど、塩分と健康の関係を研究テーマにしている。

総合司会の高橋さん

福田禮子さん 県栄養士会会長

1947年、岩手県生まれ、東北栄養専門学校卒業。2008年から奥州病院(奥州市)保健指導室長を務め、13年から県栄養士会会長。看護師養成校の講師を務めるほか、一般向けにも生活習慣病予防の講演活動をしている。

来場者 思い新た

汗かいても控える/外食減らす

来場者からは、普段の食事の味付けを反省する声や、減塩の重要性を再認識したとの意見が聞かれた。

2006年に右腕の血栓を除去する手術を受けた盛岡市東新庄、無職蛇口旭也さん(83)は、妻の良子さん(64)と参加。「妻の料理にしょうゆや塩をかけてしまう。毎日散歩で汗をかくので、塩分が必要と思っていたが、これからは控えなければと思った」と話していた。

大船渡市大船渡町、栄養士菊池絵美さん(35)は「避難所生活でしょっぱいレトルト食品に慣れてしまった被災者も多い。福田会長から『味覚は変えられる』とお話も聞けたので、地域の栄養士たちと協力して減塩指導を積極的にしたい」と語った。

高血圧が続いている東京都東村山市、会社員蟹江健二さん(43)は「父も高血圧で薬を飲んでおり、明日は我が身。外食を減らすなどして本気で減塩に取り組みたい」と思いを新たにしていた。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=88821

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

コメントする

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

団体理念  │  活動展開  │  団体構成  │  定款  │  プライバシーの考え方  │  セキュリティについて  │  事業  │  メディア掲載  │  関連サイト  │  お問い合わせ

copyright © JMJP HOT TOWN Infomaition Inc. All Rights Reserved.   NPO法人 住民安全ネットワークジャパン

〒940-0082 新潟県長岡市千歳1-3-85 長岡防災シビックコア内 ながおか市民防災センター2F TEL:0258-39-1656 FAX:020-4662-2013 Email:info@jmjp.jp