スマートフォンの操作ミスが原因の119番の誤通報が増えているとして、広島市消防局が注意を呼びかけている。
画面のタッチパネルに誤って指が触れてしまったケースなどが目立ち、市消防局が7月に調査したところ、通報全体の約4%に上っていたという。
市消防局によると、スマホの普及に伴い、119番の誤通報が増えてきたことから、7月12~22日に調査した。その結果、期間中にあった通報の約2600件のうち、誤通報は約240件(9%)で、昨年同期の2・5倍だった。通報者に聞き取りをしたところ、約100件(4%)がスマホ絡みで、単純な操作ミスのほか、ポケットやかばんの中で指が触れたり、子どもが親のスマホで遊んでいて通報したりしたものもあった。
市消防局が苦慮するのは、通報した人が誤りに気付いて、電話を切ってしまうケースだ。
119番の受信や出動指令は通常9人で対応しているが、誤通報の場合でも、通報者本人に間違いであることを必ず確認するようにしている。
しかし、電話を切られた場合は、発信番号にかけ直す必要があり、それでもつながらない場合は、携帯電話会社に照会して家族に連絡を取ったり、全地球測位システム(GPS)で場所を特定して救急車を出動させたりすることもあるという。
スマホの中にはロックを解除した後、「119」「110」などの緊急通報番号が自動表示されてワンタッチでつながる機種もあったが、「誤通報につながる」という同消防局などの要請で、携帯電話会社は9月からワンタッチ方式を改めた。
市消防局は「誤通報が増えれば、緊急性の高い通報への対応に支障が出る恐れがある。スマホの管理の徹底をお願いするとともに、もし誤通報しても、電話を切らずに『間違い』と伝えてほしい」としている。
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