冷え込む日には、体を温める煮込み料理がお薦めだ。具には肉や野菜をたっぷりと使うと、うま味が合わさり栄養バランスもいい。一品だけで満足できる。
料理研究家の川上文代さんは、「身近な材料で簡単にできます」と勧める。まず、市販の調理済みのトマトソースを活用する鶏もも肉のトマト煮。骨つき肉、トマト、タマネギ、キノコと、うま味が出る食材を集めた煮込みだ。
〈鶏肉は、骨に沿って切り込みを入れ、塩、コショウをふり、小麦粉をまぶす。鍋にオリーブ油とバターを熱し、鶏肉を皮の側から入れる。表面が香ばしく焼けたら、鍋から取り出しておく〉
鶏肉の脂が落ちた同じ鍋で、さらに調理を進める。
〈一口大に切ったエリンギと、ほぐしたシメジを鍋でいため、酢タマネギ(刻んだタマネギの酢漬け)=材料表の写真=、トマトソース、チキンブイヨン、黒オリーブを入れてひと煮立ちさせる。鶏肉を鍋に戻し、蓋をして10分、さらに蓋をとり5分煮る。塩、コショウで味を調える〉
「酢タマネギ」は、刻んだタマネギ1個を酢1カップに半日以上漬けた手作り調味料。「ドレッシングの材料にするほか、納豆に混ぜても」と川上さん。今回は隠し味として大さじ3杯加えた。「煮込みにうま味をプラスできます」
出来上がったトマト煮。とろりとした煮汁を鶏肉に絡めながら食べる。トマトのうま味にほのかな酸味も加わって絶妙の味わいだ。
クリーム煮込みハンバーグは、ハンバーグをジューシーに仕上げておくのがコツ。
〈フライパンを火にかけてバターを入れ、茶色くなるまで熱する。みじん切りにしたタマネギをさっといため、ボウルにあけて冷ます。ハンバーグの残りの材料をすべてボウルに入れ、へらで混ぜ合わせて4等分。両手でキャッチボールをするように空気を抜きながら小判形に整える〉
タマネギは、いためすぎると水分が抜けてしまうので気を付ける。
〈ニンジンは5ミリ幅の輪切りにし、角を面取りする。カボチャは1センチ幅のくし形に切る。アスパラガスはゆでる〉
〈鍋にバターを溶かし、ハンバーグの表面だけ焼いて取り出す。同じ鍋で、ニンジンとカボチャをいためる。ボウルに市販のホワイトソースと牛乳を入れ、泡立て器で混ぜてから、鍋に注ぎ入れる。煮立ったらハンバーグを戻し、弱火に落として蓋をし、約10分煮込む。塩、コショウで味を調え、ゆでたアスパラガスを切ってのせる〉
市販のトマトソースやホワイトソースはメーカーによって味が異なる。ブイヨンや牛乳、塩、コショウの量で加減するとよい。「熱々の煮込み料理は体を芯から温めてくれる。お薦めです」
【材料=2人分】
■鶏もも肉のトマト煮
鶏もも肉(骨つき)2本/エリンギ1本/シメジ1/2パック/「酢タマネギ」大さじ3杯/トマトソース(市販)1カップ/チキンブイヨン1カップ(水と固形スープのもとでも可)/黒オリーブの水煮4個/塩、コショウ、小麦粉、オリーブ油、バター各適量
■クリーム煮込みハンバーグ
◇ハンバーグ小4個=合いびき肉250g、タマネギ1/4個、パン粉20g、牛乳大さじ4杯、溶き卵1/2個分、塩、コショウ、ナツメグ、バター各適量
カボチャ100g/ニンジン1/3本/アスパラガス2本/ホワイトソース(市販)150g/牛乳150g/塩、コショウ適量
(2013年11月20日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=88335










