”争続”あるいは”争族”などという言葉を聞いたことはありませんか? この言葉が表すような、家族や親戚が争う相続トラブルが増えている昨今、それを避ける手段としての“遺言書”に注目が集まっています。
そんな遺言書には、自分の財産をどうしたいのかといったような、法的な効力を持つ意思だけを書く、ちょっと硬いイメージがありますね。確かにこれが最も重要なこと。ですが、財産のこと以外にも、遺族が知っておいたほうがいい“親の意思”は意外とあるものなのです。
相続事情に詳しい税理士・天野隆さんの著書『親に何かあっても心配ない遺言の話』によれば、書いても法的な効力はもたないけれど、家族に知っておいてもらいたいことについては、遺言書に書くことができるのだそうです。そこで今回は、遺言書に書いてもらったほうがよいことを、この本の中から5つ紹介します。
■1:親の死を伝えるべき人たち
親の人間関係をきちんと把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。いざ親が亡くなったとき、誰に亡くなったことを知らせればいいのか、迷ってしまいますね。
「自分が死んだらこの人たちには必ず知らせて」という希望はあるはず。それは遺言の中に記してもらって構わないそうです。
■2:葬儀への希望
人生のフィナーレである葬儀。その葬儀の在り方が多様化する最近では「会葬者に恥ずかしくない葬儀を」と考える人から「通夜も告別式もしなくていい」という人まで、さまざまな人がいるものです。
遺言書には、本人の葬儀の希望についても書いてもらうことも可能。こうしておけば、親の望む形でのフィナーレを迎えられるのです。
■3:ペットの世話
親が飼っていたペットを、子が飼い続けられれば一番ですが、飼えない事情があることも。そんなペットについては、譲り受けてくださる方を定めて”負担付遺贈”という方法を選ぶこともできます。
これは、自分が死んだ後で何らかの義務を負ってもらう、という条件で法定相続人ではない人に遺産を取得させること。たとえば、相応の財産をわけて、知人などにペットの世話を頼むという方法です。こうした方法を選んで、その内容を遺言書に記載しておけば安心です。
■4:収集品等の処分方法
骨董品などの収集コレクション。価値あるものならば、大切に残してほしいとか、どこかに寄贈してほしいと思っているかもしれませんし、あるいは処分してしまって構わないと思っているかもしれません。判断に迷う収集品類の扱いについては、遺言書に書き残してもらえると安心です。
■5:借りたままになっている物品
返却期限も借用書もなく、そもそも親が借りているとは知らなかった物品。勝手に処分してしまったら、大きなトラブルになる可能性があります。
遺言書には、借金はもちろんですが、借りた“もの”についても、誰にいつ返すのか、謝礼のこと等を書いてもらっておいたほうがよいでしょう。
いかがでしたか。これら5つを遺言書に書いてもらっておけば、いざというときに困らないもの。親の遺言書だけでなく、自分で遺言書を書くときにも忘れずに記しておきたいですね。
http://woman.mynavi.jp/article/131107-075/










