コンピューターを動かすための「指示書」に当たるプログラム。これを書き上げる「プログラミング」を子供に学ばせる動きが高まっている。ベンチャー企業が主催する小学生向け教室も活況で、インターネット検索大手のグーグルはNPO法人と連携し、小中学生向けの教育支援活動を展開している。(日野稚子)
◇
◆発想力を具現化
ネットサービスを手掛けるサイバーエージェント(東京都渋谷区)子会社、「CA Tech Kids」(同)は小学3~6年生を対象にプログラミングを教えている。スマートフォン(高機能携帯電話)やウェブ向けのアプリ、パソコンゲームを作りながら、実際のソフト開発に使うプログラミング言語を学ぶ。初心者向け講座(6回、3万5千円)は口コミで定員いっぱいとなった。
子供を参加させた親の動機はさまざま。「息子がゲームを作りたいと言い出した」(重電メーカー勤務)、「娘と一緒にプログラミングができたら楽しい」(システムエンジニア)、「私では教えられない新しい体験をさせたい」(会計士)など習い事の一環とも受け取れる。
プログラミング教育に注目が集まる要因の一つは中学校での必修化。平成24年度に完全実施となった新学習指導要領で技術家庭科に取り込まれ、人材育成の観点から内容と学年の拡大も視野に入る。プログラミング言語は複数あり、時代とともに主流言語が入れ替わったが、コンピューターが分かるよう論理的に記述しなければならない点は共通だ。上野朝大社長は「論理的思考を持ちながら自分の発想力を具現化する力が身に付く」と話す。
◆「面白い」
社会貢献としてプログラミング教育を始めるのがグーグルだ。10月29日に発表した支援プログラム「コンピューターに親しもう」は、6~15歳の子供にコンピューターやプログラミングの基礎を学ぶ機会を提供する。各地で継続できるように子供向けに加え、教員やNPO法人など指導者向け、自治体などと連携した親子向けワークショップイベントの開催を想定。今後1年間で2万5千人の子供への提供を目指す。NPO法人「CANVAS(キャンバス)」(墨田区)は、自治体・企業と共催するなどしてプログラミングのワークショップを行ってきた経験を生かす。
両者による初ワークショップが広尾学園(港区)で開かれた。受講者は同校医進・サイエンスコースの高校1年生40人。名刺サイズのパソコン「ラズベリーパイ」で子供用プログラミング言語「スクラッチ」を使い、1時間ほどで猫がネズミを追いかける動画を作成した。参加した女子生徒は「初めてだったけれど分かりやすい。面白かったし、続けてみたい」。
キャンバス理事長の石戸奈々子さんは「子供に『プログラマーになれ』ということではない。紙とクレヨンで絵を描いたように、プログラミングができればパソコンを自己表現の場として活用でき、情報化時代の創造力やコミュニケーション力などを育むことができる」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131106/edc13110608300002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131106/edc13110608300002-n2.htm










