政府は、北朝鮮の核ミサイル開発や中国の海洋進出をにらみ、最新鋭の迎撃ミサイルを搭載したイージス艦を新たに2隻建造する調整に入った。
複数の関係者が明らかにした。政府は現在6隻のイージス艦を保有しており、年末に決定する新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)で計8隻態勢にする方針を明記したい考えだ。
海上自衛隊のイージス艦は、日本の弾道ミサイル防衛(BMD)の中核を担っている。現在保有する6隻のイージス艦のうち、4隻は迎撃ミサイル「SM3」を搭載し、他国のミサイルを地上配備レーダーとともに探知・追尾して大気圏外で撃ち落とす能力がある。
政府は、残る2隻にも米国と共同開発中の次世代型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を搭載する方針で、改修準備を進めている。
今回、新たに建造する2隻のイージス艦は、10年以内に配備される見通しだ。具体的には、「SM3ブロック2A」の開発が終了する2017年以降、数年内になると見られる。
イージス艦を増強するのは、北朝鮮の核・ミサイル開発が、日本の安全保障にとって差し迫った脅威となっているためだ。北朝鮮は今年2月に3回目の核実験を強行。昨年12月には長距離弾道ミサイルの発射実験を行い、「北朝鮮のミサイル開発は新たな段階に入った」(13年版防衛白書)と見られている。防衛省は今春、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」を日本海側に配備した際、整備中の艦を除く2隻のイージス艦を日本海に派遣した。しかし、3か月近くの任務の間、交代させるイージス艦がなかったため、防衛態勢の脆弱(ぜいじゃく)さを懸念する声があがっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131104-00000883-yom-pol