エスカレーターでは、立ち止まって乗る人たちが片側に並び、階段のように上っていく人たちのために逆側をあける。多くの人に当たり前のように共有されているこの習慣だが、ネット上では徐々にこの習慣に異議を唱える動きが出始めている。
きっかけは、10月22日に個人ブログ「頭ん中」に掲載された、「『エスカレーターでは片側を開けず、並んで立つ』を少しずつ浸透させたい」というエントリー。
同記事は、筆者が多くの施設のエスカレーターにおいて、「歩かずに立ち止まってご利用ください」や「エスカレーターの上を歩かないでください」と注意書きがされていることを紹介し、筆者自身も周囲の反応を気にして実際にはできていないとしたうえで、エスカレーターでは1段に複数人横に並んで立ち止まることを提唱しているもの。
筆者は、この提案を個人的な考えのみでしているわけではない。エントリー内でも引用されているが、一般社団法人・日本エレベーター協会は、公式サイトにおいて「エスカレーターの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提にしています」と周知を図っているのだ。さらに、同サイトでは、
「歩行禁止の呼びかけが始まっています
慣例となっているエスカレーターの片側あけですが、危険や不便をともなう行為だということが、少しずつ浸透してきました。多数の場所でエスカレーターの歩行禁止の呼びかけを始めています」(原文ママ)
と、その呼びかけが効果を出し始めていることを報告している。
このような引用や、筆者個人の正直な思いも綴ったうえで「エスカレーターでは片側をあけない」ことを提唱した同エントリー。反響は大きく、10月23日16時時点で441回ツイートされ、Facebookでの「いいね!」の数は451となっている。
そして、記事を読んだ人たちがツイッターに書き込んだ様々な立場の声は以下の通りだ。
「僕もそうしている!広まってほしい!せめて隣に階段あるところは空けなくていいんじゃないかな。急いでいる人は階段使えばいいのだし」
「これはほんとに思う。片側がら空きなのにみんな並んでるとか時間の無駄だろと思うの」
「開ける開けないは個々人の勝手だと思うけど、開けない人に文句を言うのはお門違いだと思う。歩かないといけないほど切羽詰まる状況を作り出す方が悪い」
「駅だと殺気立ってる人がいて怖いから空けてる。デパートだったら空けない」
「この問題については啓蒙ではどうにもならなくて、エンジニアリングで解決する方が建設的な気はする。あの階段に似たユーザーインターフェースからの脱却が必要」
「まあでも歩くなというのもおかしいよな。デザイン的にどう見ても乗り物というより歩行補助だし」
(すべて原文ママ)
記事の内容に同意している人が多数派ではあるものの、実践している人が多数というわけではないようだ。浸透するにはまだまだ時間がかかるかもしれない。
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20131025-00032801-r25