[ カテゴリー:医療, 生活 ]

不安、疲れやすい、攻撃的に…「機能性低血糖症」かも

疲れやすい、不安が強い、突然、怒りが爆発する-。こうした身体的・精神的なトラブルの原因は血糖コントロールの乱れにあるかもしれない。機能性低血糖症と呼ばれる病気で、生活習慣や食事を見直すことで症状が改善する可能性があるという。(戸谷真美)

◆不眠や鬱の原因

低血糖といえば、「インスリン治療をしている糖尿病患者など病を抱える一部の人のもの」と思いがち。だが、自らも機能性低血糖症に苦しんだ経験を持つマリヤ・クリニック(千葉市稲毛区)の柏崎良子院長(58)は「例えば、低血圧症のように体質や性格だと思っているような疲れやすさや感情の不安定、鬱のような症状が低血糖が原因になっていることがあります」と話す。

患者だった29歳の男性は不眠症と鬱状態に悩み、休職。朝から酒を飲むようなアルコール依存と低血糖症を併発しており、血糖負荷試験では、2時間半後と4時間後にそれぞれ血糖値が60ミリグラム/デシリットル台に落ち込んでいた。「お酒はエネルギー源になるため一時的に少し元気になるが、多飲すると代謝に大量のビタミンB群を消費し、ホルモンも分泌されるので興奮しやすく、後で疲労感が残りやすい」(柏崎院長)

栄養指導で、エネルギー補給としてタンパク質を勧め、一般に血糖値が落ち込みやすくなる前、食事の3時間後を目安に間食を取るようアドバイス。男性が素直に治療を受け入れたこともあり、約1カ月半でボランティア活動を始め、看護学校に入り直すまでに回復した。この男性の場合、ビタミン剤以外の薬品はほぼ使わずに完治したという。

◆防衛反応で攻撃的

柏崎院長によると、機能性低血糖症の原因は、アルコールや炭水化物、カフェインの過剰摂取など食生活の乱れ▽腸内環境の悪化▽貧血▽甲状腺機能障害▽ストレス▽運動不足-など。これらの影響で膵臓(すいぞう)の機能失調が起き、糖の代謝を脳と膵臓が認識できず、インスリンが急激に過剰分泌されてしまう。

血糖値が60ミリグラム/デシリットル以下になると、注意力低下▽手の震え▽頭痛▽冷や汗-といった症状が表れる。すると危険を回避するため、体はアドレナリン、ノルアドレナリンなどの交感神経を刺激し、血糖値を上げるホルモンを分泌。これらは興奮や緊張、怒り、不安など、感情を刺激するため精神症状につながるという。

診断は通常の血液検査のほか、一般的な糖尿病検査で行われる2時間ではなく、5時間の糖負荷試験によって血糖値の推移を見る。また、精神症状への影響を探るため、他の検査を併用することも。保険適用外のため、同院では検査代や初診料などを含め、費用は約3万~4万円という。血糖値の推移は人によって異なるため、その人にふさわしい治療を見極める。

柏崎院長は「精神疾患の専門的な治療が必要な患者さんもいるが、食事や生活の指導で約8割の人は何らかの改善がなされている。ただ、原因は1つではないので、きめ細やかな対処が必要」と話している。

■働き盛り以外に子供や女性も

マリヤ・クリニックでは7人の管理栄養士が常駐し、患者から食事や生活などの相談を受ける。その一人、佐々木雅子さんは「患者さんには看護師や美容師、金融機関のディーラーなど多忙な職業でストレスを抱えて働いている人も多い」と話す。妊娠や出産などを経験し、体調不良が続く女性や自閉症など発達障害の子供に対しても原因分析を基に栄養指導を行っている。

症状や原因は人によって異なるものの、一般的に膵臓に負担の少ない食べ方や生活は表の通り。佐々木さんは「諦めずに、食生活に気をつけていくこと、継続していくことを心掛けて。人によっては、早ければ1~2カ月で症状の改善を期待できる方もいる」と話している。

産経新聞
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20130425511.html

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