[ カテゴリー:医療, 生活 ]

ズバリ分かる!不妊治療とは?

ちまたでは、「10組に1組の夫婦は不妊症で苦しんでいる」といわれているそうです。ただ昔は「不妊」は病気ではないとされていたそうです。

 

それは「妊娠が病気ではない」とされるのと同じ理由だからだそうです。もちろん現在では「不妊症」という言葉があって、それを治療するためのクリニックがあります。

 

不妊治療とはどのようなものでしょうか。

 

『六本木レディースクリニック』の院長・山中智哉さんにお話を伺いました。

 

■不妊治療を行う人は増えています

 

――不妊治療を行う人は増えていますか?

 

山中院長 増えています。

 

――治療に訪れる人はどんな方でしょうか。

 

山中院長 当院でいいますと、一番多いのは35歳前後の女性ですね。最初は一人で来られる女性が多いですが、最近では男性にも不妊治療のことが周知されつつあって、初めからご夫婦で来院される方も増えてきました。

 

――その年齢の人が多いのは何か理由があるのでしょうか。

 

山中院長 これは明らかに晩婚化の影響でしょう。結婚年齢が上がっていますから、不妊治療に臨もうとする年齢も上がるんですね。

 

そもそも「不妊」とは、WHO(世界保健機構)の定義によれば「避妊していないのに2年以上にわたって妊娠しない状態」のことです。

 

つまり、避妊せずに夫婦で普通に性生活を行っているのに、2年以上も妊娠しない場合は、一応定義上は「不妊」ということになるんです。

 

――タイミングはいろいろあると思うんですが……。

 

山中院長 まあ、そうなんですけれども。ですから20歳代中盤~30歳代前半までの女性も多く来られます。「そろそろ2年たつけど妊娠しません。大丈夫でしょうか」という心配からですね。

 

■不妊治療はまず検査

 

――実際の不妊治療の内容はどんなものですか?

 

山中院長 まずは検査です。妊娠を妨げている要素がないか、女性の卵巣、卵管、子宮などについて調べます。

 

――男性についても調べますか?

 

山中院長 そうですね。男性の場合は精液の所見が非常に重要ですし、そこに異常がある場合にはホルモン検査も大切な検査となります。

 

パートナーの男性の精液を採取してもらって精液の質を調べますね。ある統計によれば、不妊の原因の4割は男性にあるともいわれますので。

 

――検査で問題が分かる場合もあるんでしょうか。

 

山中院長 あります。例えば、卵管がうまく機能していない場合。卵巣で卵胞(らんぽう)が卵子を生成しても卵管で詰まって子宮まで達しないとか、ですね。

 

検査結果から妊娠に至らない原因を分析し、その原因に対処すべく治療方法を考えています。

 

■不妊治療とは「排卵日」に何をするかである

 

山中院長 不妊治療というのは、簡単に言ってしまうと「排卵日」に何をするかなんですよ。

 

普通はまず「タイミング法」から始めます。排卵日を正確に調べて、そのタイミングで性行為をする、と。男性、女性にそのアドバイスをするわけです。

 

――なるほど。あくまでも自然な妊娠を目指すと。

 

山中院長 次は人工授精ですね。卵子が卵管内に入っている時期に、男性の精子を調整して、運動精子を集めて子宮内に入れます。

 

――なるほど。それでもうまくいかないときは?

 

山中院長 その次のステップは「体外受精」です。卵巣内の卵胞から卵子を採取し、体外で精子と出合わせ受精卵とし、それを子宮内に戻します。

 

■治療の進行例
●タイミング法など
●人工授精
●体外受精

 

――いきなり体外受精をお願いします、という人はいないのでしょう?

 

山中院長 以前は少なかったのですが、最近は増えてきたように思います。

 

――その場合はどうするんですか?

 

山中院長 事情を伺います。体外受精が適切と判断される理由がある場合には、最初から体外受精を行うこともあります。

 

――どんな事情なのでしょうか?

 

山中院長 例えば高齢で、あまり時間がないなどです。閉経までの少ない妊娠の機会をできるだけ生かす必要がありますので。

 

■妊娠の確率はどのくらいか!?

 

――前述の治療法の妊娠確率はどのくらいあるのでしょうか?

 

山中院長 人工授精の1回ずつの妊娠確率は約6~8%、体外受精の場合は約30%ぐらいといわれています。

 

――すごく低いものなんですね。

 

山中院長 妊娠というのは、とてもデリケートな、そうですね、誤解を恐れずに言うなら「奇跡」のような事象なんですよ。

 

排卵、卵管采(さい)による卵子のピックアップ、卵管内での受精、子宮内膜への着床、妊娠後の妊娠継続、無事に出産まで至るまでにはクリアしなければならないステージがあります。

 

■不妊治療の保険適応外診療分は高くつく

 

――不妊治療については健康保険適応外の診療なので高くつく、ということですが?

 

山中院長 そうですね。気にする方は多いでしょう。当院では、検査など、保険が使えるところはできるだけ保険適用を……と行っています。

 

しかし、「人工授精」「体外受精」は「保険外診療」になっていますので、これは高価になってしまいますね。

 

――健康保険外治療ということは、治療費は病院によって違うわけですか?

 

山中院長 そういうことですね。例えば、「体外授精」を1回試みる費用が100万円といった病院もあるそうです。

 

――それは財布が大変ですね。

 

山中院長 ですから、妊娠に至らなくても経済的な理由であきらめる方もいらっしゃいます。

 

――院長のクリニックではいくらぐらいなんですか?

 

山中院長 人工授精は1回につき1万8,000円。体外受精は1回28万円。顕微授精は1回32万円です。

 

あと当院では「成功報酬型」の価格体系をとっています。妊娠したら満額支払っていただくということですね。治療過程が順調に進まなかった場合には、そこまでの費用を頂きます。

 

例えば、「体外受精」でもいろんな段階があるわけですが、まず採卵の段階で採卵に成功したら8万円。次の段階に進む。採卵ができなかった場合3万円で結構です、というふうにしています。

 

――良心的ですね。

 

山中院長 お金を大事に、できるだけ多くトライできるように考えて作った「料金体系」です。

 

――先生のクリニックは良心的な価格体系だと思いますが、それでもやはり約30万円というのは高額ですよね。これらの治療が健康保険適用になる可能性はあるのでしょうか。

 

山中院長 うーん、正直言ってあまりないと思います。というのは、現在でも国が負担する医療費の大きさが問題になっています。これ以上の負担増を国が認めるかということですね。

 

例えば、体外受精の治療が1回30万円だとすると、本人が3割負担で9万円、残りは国が医者に支払わないといけないのですが……。高額な治療ですからこの負担増を国が了承するとはあまり思えないわけです。残念ですけれども。

 

■女性にアドバイスを!

 

――「不妊症」というのは直面しないと、自分のこととして考えられないと思うのですが……。できるだけ直面しないように、女性に何かアドバイスを頂けますでしょうか?

 

山中院長 お子さんを産むためには、子宮や卵巣が健康でないといけません。ですから、不妊症にならないように普段から気を配ってほしいですね。

 

「婦人科検診」をきっちり受けること。現在では「子宮頸(けい)がんワクチン」などもあります。お医者さんの説明をよく聞いて、必要なら接種した方がいいでしょう。「自分の体を常に自分でケアすること」を忘れないでください。あと、タバコはやめた方がいいですよ。

 

筆者の周りでも、不妊が原因で離婚してしまった夫婦がいます。当事者夫婦にとってはそれほど深刻な問題なわけです。お金も掛かりますし、容易に解決する話でもありませんが、治療で光明が見えるといいですね。

 

http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/medical/mynaviwomen-78636.html

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