[ カテゴリー:生活, 食の安全 ]

実は“毒のある”食べ物とは?

この秋、にわかに「ふぐ毒」が話題になっている。10月1日より東京都が条例を改正し、“ふぐ免許”をもつ調理師がいなくても、毒を除いた「ふぐ加工製品」を扱えるようになったためだ。一部から心配する声も上がっているが、ここで気になるのが「食物の毒」。ふぐ毒ほど有名ではなくとも、普段我々が食べている食材のなかにも毒をもつ食べ物があるという。

そこで、東京都健康安全研究センターに毒性のある食べ物について聞いてみた。

「例えば“ジャガイモ”。芽に毒があるのは有名ですが、日当たりの良い場所で保管すると、表皮部分が緑色に変色することがあります。実は、これも“ソラニン”というアルカロイド系の有毒物質によるもの。芽に含まれる毒と同じ成分なんです」

ソラニンによる症状は、おう吐、下痢、腹痛、脱力感、めまい、呼吸困難など。調理の際には、しっかりと皮をむいて、発芽部分を取り除く必要がある。加熱調理をしても、ほとんど毒は分解されないので注意してほしいとのこと。

「これからの季節よく食べられる“ぎんなん”も、大量に摂取するとおう吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こす可能性があります」

なんでも、大量に摂取することでビタミンB6欠乏症を引き起こすのだとか。ただし、中毒が発生した事例としては、3歳の女児が20個食べたとか、70歳の男性が50個食べたとか、かなりたくさん食べたケースに限られている模様。ほどほどに食べる分には心配なさそうだ。

「梅酒などに使われる“青梅”も、未熟な果実や種の中心部には毒成分を含んでいます。胃液に含まれる酵素によって分解され青酸が発生、中毒症状を起こすことがあります」

症状は頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難など。ちなみにこの毒は、スモモやびわ、あんずなどにも含まれているのだとか。小さい子どもがこれらの大量の種をかみ砕いて食べたりすると、中毒症状があらわれる可能性もある。

また、植物ではないが、“うなぎの血”に毒があるのは、調理人の間では有名。目や口に入ると灼熱感や粘膜の発赤(炎症の一種)、傷口に入ると、炎症、化膿、浮腫などが引き起こされるのだとか。大量に飲めば、下痢、おう吐、皮膚の発疹、呼吸困難などの症状を起こすおそれもある。加熱すれば毒性は失われるので、流通している加工うなぎに中毒の心配はないが、川などで釣ってきたときには、くれぐれも注意したい。

身近に食べる食材でも、毒を含んでいるものは少なくない。過剰に心配する必要はないが、食べ方を間違えると、食中毒になるおそれがあることは最低限、知っておいてもよいだろう。

http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/medical/r25-20121012-00026474.html

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