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将来、心筋梗塞を起こしやすい子どもとは

子どもの血管の年齢をご存じだろうか。

 

これは潜在的に重要な質問だ。子ども時代の健康な習慣と、その後の心疾患リスクとの関係を科学者たちが明らかにしつつあるからだ。そして肥満ないし過体重と考えられている米国の何百万人もの子どもの心血管面の健康に対する懸念も強まっている。

 

Lowering bad cholesterol gets most of the attention in preventing heart disease. A new study in children found that the ratio of triglycerides to good cholesterol is an important tool in assessing arterial health. Ron Winslow looks at the latest research.

 

新たな研究によると、簡単な方法で子どもの血管の健康を評価できる。それはコレステロール検査で普段見過ごされることの多い成分、すなわち中性脂肪(トリグリセリド)を基にして計算するのだ。

 

 

計算するのは、善玉コレステロール(HDL)に対する中性脂肪の比率だ。これはコレステロールを測定する通常の血液検査で簡単に分かる。シンシナティ小児病院医療センターの研究チームは900人近くの子どもないし若い成人を対象にした研究で、この比率が高いほど、子どもの血管が硬化し、損傷を受ける公算が大きいことを突き止めた。

 

論文の主執筆者で同病院の予防心臓学の責任者のエレーン・アービナ博士は、「われわれは健康と想定されている若者の血管の変化を立証しようとしている」と述べ、「硬化した血管は心臓の動きをより困難にする。これは健康に良くない」と付け加えた。この論文は医学誌「Pediatrics」の4月号に掲載された。

 

この問題は動脈硬化とも呼ばれている。成人の場合、通常、老化のほか、血圧、コレステロール、それに血管の壁に対するその他の攻撃が何十年も積み重なった影響が組み合わさって起こる。動脈硬化は心筋梗塞、脳卒中、それに突然死のリスクを高める。

 

アービナ博士によれば、子どもにそれが現れた場合は「速い老化」の兆候で、成人になった比較的早期に危険な結果に見舞われるリスクが上がる公算が大きいという。朗報なのは、若者の血管の健康は定期的な運動と健康的な食事によって回復できると考えられることだ。糖分入り飲料や、ジャガイモ、白米、それにパスタといった炭水化物を多く含む食品の摂取を減らすこともその一部だ。

 

2011年末には、既に心疾患リスクを抱えている子ども世代が成人になりつつあるとの懸念が生じ、連邦保健当局が米小児科学会の支援を得て、子どものコレステロール検査を推奨した。対象は9歳から11歳が好ましいとされた。

 

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一般的に、こういった検査で注目されるのは、悪玉コレステロール(LDL)だ。LDLの高い値は長年、心筋梗塞や脳卒中のリスク増大と関連づけられている。スタチンと呼ばれる類の薬品によってLDLを下げることで、心疾患リスクを減らせる多くの証拠が存在する。

 

しかし、中性脂肪の多さとHDLの少なさ(コレステロールを測定する通常の血液検査で分かる別の要素)は、貧しい食生活と運動の少ない生活様式の表れで、研究者らはこれが子どもや成人に幅広くみられる肥満に潜む原因だと指摘している。これらのマーカー(数値)はそれほど注意を喚起しない可能性がある。なぜなら、いずれかの要素を操作することで重篤な事態を防ぐ薬品の開発努力が実を結んでいないからだ。

 

中性脂肪は血中の脂肪と糖分の指標だ。アービナ博士は中性脂肪について、脂肪という骨格に3つ(トリ)の糖分(グリセリド)がくっついたものだと患者に説明している。

 

他の研究では、HDLに対する中性脂肪の比率が高いことと、成人の血管の硬化に関連があると結論してきた。そこでアービナ博士らは、同等な相関関係が子どもや若者にもあるかどうかを調べることにした。

 

10歳から26歳までの被験者は、コレステロール、血圧、血糖、それにその他の心疾患マーカーを調べる空腹時検査を受けた。このほか、血管の柔軟性を調べる3種の非侵襲的検査も受けた。

 

血管の柔軟性を調べる3つの検査のうち1つの検査によると、被験者の3分の1の血管が硬化していることが判明した。2つの検査で異常と診断されたのは13%、3つ全てで動脈硬化と判断されたのは3%だった。

 

研究チームはまた、HDLに対する中性脂肪の比率が高くなるにつれて、心臓関連のリスク要因と動脈硬化が「累進的に増加した」ことを突き止めた。

この研究は十分に大規模ではなく、HDLに対する中性脂肪の比率が「健康的」なのがいつなのか、あるいはとりわけ積極的な治療が必要なのはいつなのかを特定することを意図していなかった。それには追加的な研究が必要になるだろう。しかし研究者たちは、HDLに対する中性脂肪の比率が3つの検査グループの最高水準だった被験者378人について、その平均比率が2.7倍だったことを突き止めた。

ボストン小児病院のサラ・デフェランティ医師は、この研究は、体重過多と、しばしばそれに伴うコレステロール問題は血管に重要な影響をもたらすことを示していると述べた。同医師は研究に関与していない。子どもたちの損傷血管との直接の相関関係はこれまで示されていなかった。

同医師は、この研究に基づけば「わたしは2.7倍ないしそれ以上の患者を心配することになろう」と語った。

米国心臓協会(AHA)は、血液1デシリットル(㎗)に含まれるHDLについて成人男性は少なくとも40ミリグラム、女性は50ミリグラムを推奨している。また成人の中性脂肪は150ミリグラム未満を推奨し、少なければ少ないほど良いとしている。こうした数値を基に計算したHDLに対する中性脂肪の比率は今回の子どもと若者対象の研究の2.7倍を上回っている。これは、子どもたちの中性脂肪が総じて成人よりも低いことが一因だ。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323343804578453992161462954.html?reflink=Goo&gooid=nttr

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