過去に津波を伴う大地震が起きている日本海で、今後、どのくらいの規模の地震を想定すればよいのか、国の検討会が8日始まりました。検討会では、最新の研究をもとに想定する地震の規模をことし3月をめどに公表することにしていて、新潟県が地震や津波対策の見直しを進めるうえでも重要なデータになります。
この検討会は日本海側の自治体の津波対策を進めるために国土交通省が開いたもので、地震や津波の専門家それに国の担当者が出席しました。
北海道から新潟県にかけての日本海沖では北日本などがのったプレートとユーラシア大陸がのったプレートの境界があると考えられていて、過去に津波を伴う大地震が各地で起きています。
▽平成5年にはマグニチュード 7.8の北海道南西沖地震で津波が発生し、奥尻島などに大きな被害をもたらしたほか、西日本の日本海側沿岸や韓国などにも到達しました。
▽昭和58年の「日本海中部地震」でも津波は日本海全体に広がりました。
このため国は過去の地震活動などから10年前、北海道から新潟県沖の日本海で8つの震源域を設定し、想定される地震の規模をマグニチュード7.5前後から7.8程度と公表しましたが、東日本大震災では、これまで別々に動くと考えられてきた複数の震源域が一度にずれ動き、マグニチュード9もの巨大地震となりました。
このため会合では、地層に残された津波の堆積物の調査など最新の研究をもとに複数の震源域が連動する可能性についても検討し想定する地震の規模をことし3月をめどに公表することにしています。検討会の座長をつとめる東京大学の阿部勝征名誉教授は「日本海側で起きる地震は太平洋側に比べて陸で近い場所で起きるため津波が早く到達する上、地形から、地震の規模のわりに津波が高くなる傾向がある。過去の地震が少なく規模を推定するのは非常に難しいが、ひとたび地震が起こると大きな被害が出るため、今後の防災対策に役立つよう検討を急ぎたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034648461.html?t=1357665567856