ローソン「マチの“健康”ステーション」に
コンビニエンスストアが、女性や高齢者らの取り込みを強化している。各社の積極的な出店で競争が激化しており、幅広い客層にアピールする必要があるからだ。
ローソンは、「マチのほっとステーション」という店頭のキャッチフレーズを、10月から「マチの健康ステーション」へと変えた。女性を主なターゲットとして2001年に初出店したナチュラルローソンも、より健康に軸足を置いた店作りで、5年後に現在の約30倍の3000店に増やす。
低糖質、低カロリーの特製パンや生産方法にこだわった生鮮野菜など、健康志向の品ぞろえを豊富にするほか、健康相談サービスも検討している。
ファミリーマートは、調剤薬局や食品スーパーとの共同店舗の出店を増やし、女性客を取り込みたい考えだ。商品開発を女性社員が担う専門チームも作った。
セブン―イレブンは、袋ごと加熱して食べられる食べきりサイズのパック総菜を増やしている。世帯人数が少ない高齢者層や、働く女性が増えていることに対応した。
大手各社の戦略の背景には、店舗数が飽和状態に近づいていることがある。日本フランチャイズチェーン協会の2012年度調査で、コンビニの店舗数は5万206店となり、初めて5万店を突破した。
さらに、コンビニの売上高の2~3割を占めるたばこの需要が減り、既存店の売上高は低迷が続く。かつての中心的な客層だった男性や若年層頼みの店作りでは、生き残りが難しいのが実情だ。
大手の差別化戦略に対し、中堅コンビニの危機感も高まっている。サークルKサンクスは、商品調達や物流の面でグループのスーパーマーケット事業との連携を強化し、スーパーと同じように日用品を値下げする。関東圏で展開するスリーエフも「小規模だからできる手作り感のある弁当で、ファンを定着させたい」と意気込む。
(2013年11月5日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=87495