「バターは太りそうだから」「原料が植物性のものはヘルシーな感じがするから……」こんなイメージでバターを避けて、わざわざマーガリンを選んでいる方は、意外と多くいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、ヘルシーなイメージのマーガリンには、植物油に水素を加えて化学的に作り出された“トランス脂肪酸”が含まれていることをご存知でしょうか?
トランス脂肪酸は健康への悪影響が指摘されており、WHOが摂取を控えるよう勧告を出しているほどですから注意が必要です。気づかぬうちに、たくさん摂っている可能性も……。
そこで今回は、元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタント、エリカ・アンギャルさんの著書『SUPER BEAUTY SWEETS』から、トランス脂肪酸の特徴と摂り過ぎないための方法についてお伝えします。
■“食べるプラスチック”、“狂った油”の異名を持つ“トランス脂肪酸”
トランス脂肪酸は、さっくりとした食感やなめらかさを出すだけでなく、保存料の役割もあるということで、パンの材料でもあるショートニング、コンビニなどで手軽に買えるスイーツ、ファストフードなど、身近にあるさまざまな食品に使われています。
それだけに、口にする機会は多いのですが、ハーバード大学の研究では、トランス脂肪酸を摂り続けることで、子宮内膜症のリスクが約30%、女性の排卵障害による不妊症のリスクが約70%上がるという結果が発表されたそうです。
それ以外にも、心臓病やがん、アルツハイマー病、アレルギーとの関連性、うつ状態になるリスクが高いことなども指摘されているとのこと。できるだけ摂らないことが望ましいといえるでしょう。
■バターや自然の油を使った食品を!
トランス脂肪酸は、海外では、危険な油として厳しく使用が規制されています。ですが、日本では原材料欄への表示義務もなく、さまざまな食品に使われているので、摂取を控えるには自分で原材料表示のチェックをする必要があるのです。
まずは、スイーツなどの加工食品の原材料に“マーガリン”“ショートニング”と書いてあるものはなるべく避け、“バター”を使っているものを選ぶのがよいでしょう。
また、原材料に“植物油”“植物性油脂”“加工植物油脂”と書いてあるものも、トランス脂肪酸を含むものがほとんどだとのこと。
なるべくなら、精製されていない自然の油、たとえばエキストラバージンオリーブオイル、ごま油、アボカドオイルなどの表示があるものを選ぶのがよいそうです。
トランス脂肪酸を完全に避けるのは困難だと思いますが、加工食品を選ぶときに注意すれば、摂る量を減らすことはできそうです。まずは、原材料表示をチェックしてみてくださいね。
いかがでしたか。そもそも、自分で安全な食材を選んで食事やスイーツなどを作れば、かなりトランス脂肪酸を避けることができるでしょう。健康を意識するのであれば、便利な加工食品ばかりに頼るのではなく、手作りする機会を増やすのが基本かもしれないですね。
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