気象庁は16日、群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)の山頂火口でごく小規模な噴火が起きたもようと発表した。山頂に雲がかかり噴煙は観測できないが、午前9時半ごろに山の北側約4キロで微量の火山灰が降ったのが確認された。
浅間山の噴火は2009年5月27日のごく小規模な噴火以来、6年ぶり。気象庁は機動観測班を派遣し、降灰を調査した。
気象庁によると、16日午前8時12分ごろから微動が観測されており、噴火はその時間帯以降に発生したとみられるという。ただ、浅間山の傾斜にマグマの活動を示すような明瞭な変化は確認されていない。
浅間山では4月下旬から火山性地震が増えたほか、今月11日の火山ガス測定で二酸化硫黄の放出量が急増した。このため気象庁が同日、火口周辺警報を発表して噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げ、立ち入り禁止区域が火口から約2キロ以内に拡大していた。同庁は今回の噴火後も警戒レベル2を維持した。
長野、群馬両県によると、けが人などの被害は確認されていない。登山者がいるため安全確認を進めている。
浅間山の北側約12キロにある群馬県嬬恋村は16日午前、対策本部を立ち上げて情報収集を進めた。男性職員は「音も震動もなく、全く気付かなかった。今は雲がかかっていて山の様子は分からない」と戸惑った様子で話した。長野県軽井沢町では、小規模噴火があったことを防災無線や町のホームページで周知した。
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