原因が分からず効果的な治療法がない「難病」について、厚生労働省は29日、医療費助成の対象となる疾患を大幅に拡大し、患者の負担額を2割に軽減する新制度の素案を専門家でつくる難病対策委員会に示した。対象疾患は今後決定するが、現行の56種から、約300種に広がる見通し。素案をもとに最終報告書を来月まとめ、来年の通常国会で新法の成立を目指す。
対策には消費増税による増収分を充てる。同時にiPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った治療法や創薬の研究を進め、その成果を日本の成長戦略につなげる狙い。
難病対策ではこれまで助成の対象から漏れ、高額な医療費負担を強いられてきた患者も多く、不公平感が高まっていた。厚労省は平成27年1月にも新制度を導入し、是正を図る方針。一方、患者の多い「パーキンソン病」や安倍晋三首相が患う「潰瘍性大腸炎」などは助成対象から外れる可能性もある。
素案では、医療費助成の対象となる難病の認定基準を「患者数が人口の0・1%程度以下」と規定。助成対象者については疾患ごとに重症度の基準を定め「日常生活や社会活動に支障がある」と認定された重度の患者に限るとした。対象となる具体的な疾患名については、今後設置する第三者委員会で決める。
助成についてはこれまで原則3割(70歳未満)だった自己負担額を2割に引き下げ。月額の上限は所得に応じ6段階設け、最高でも約4万4千円の負担に抑える。新たに対象となる患者は負担が減る一方、重症で医療費が無料になるなどしていたこれまでの患者は負担が増えるケースもあり、3年程度の緩和措置を設ける。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20131029523.html










