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眼鏡は見え過ぎない方がいい?眼科医に聞く、正しい度数の選び方「両目で1.0が適切」

眼鏡を処方してもらうために眼科へ行ったとき、「度数を強くすると、目が疲れる、頭痛がすることがある」と言われました。

 

筆者は「眼鏡はよく見えた方がいい」と思うタイプですが、なぜ眼鏡でそのような影響が現れるのか不思議です。そこで、眼科専門医でみさき眼科クリニック院長・石岡みさき先生に、詳しいお話を聞きました。

 

■度数が強過ぎると、ピントを調節する目の筋肉が疲れる

 

――眼鏡を新調するとき、眼科医に、度数を少し弱く調節しようと言われました。なぜでしょうか?

 

石岡先生 眼鏡には「近視用」、「遠視用」、「老眼用」の3種類があります。近視の場合は、今後の進み具合を危惧(きぐ)して強過ぎない度数に合わせるのが普通です。

 

近視用の眼鏡は、遠くがよく見えるように作りますが、度数が強いと、近くを見るときにより強い力で目のピントを合わせなければなりません。そうすると、ピントを合わせる筋肉が疲れるのです。

 

日常生活では、遠くを見る、近くを見るを繰り返すので、度の強い眼鏡をかけるということは、常に目を緊張させている状態になります。

 

――「強過ぎない」とは、具体的にどの程度の度数なのでしょうか?

 

石岡先生 夜間に車を運転される方は、ずっと遠くを見るために、両目で視力「1.2」まで見える度数にすることがあります。しかし、現代人はどちらかというと本やパソコン、スマートフォンなどと近くを見る方が多いので、夜間の運転など特殊な事情がない場合は、両目で「1.0」が適切な度数です。

 

――年齢によって、適切な度数に違いはありますか?

 

石岡先生 若いときは、ピントを合わせる調節力が高いので、遠くを見たあとにすぐに手元を見ても、わりと簡単にピントを切り替えることができます。調節力は年齢とともに少しずつ弱まってきて、40歳前後から、近くが見えづらくなる老眼が始まります。

 

老眼ではすぐにピントを合わせられないので、見え方のバランスを確認しながら、1.0よりもう少し見え方を弱くして疲れを予防することも多いですね。

 

――では、若い世代は、多少度数が強くても問題はないということでしょうか?

 

石岡先生 調節力が高いという意味では、若いうちは度数の強い眼鏡に耐えられるとも言えます。とはいえ、20代・30代でも見え方によって目の筋肉は疲れますし、1.0程度に矯正する方が楽だと思います。1.0であれば、おそらく日常生活で困ることはないでしょう。

 

30代の方に眼鏡の度数を弱くするようにアドバイスすると、「老眼だからですか?」と驚かれることもありますが、その時点ではまだ「老眼」だと診断しているわけではありません。度数が強過ぎることによって起こる目の疲れは、「レンズの過矯正(かきょうせい)による」と説明しています。

 

■眼鏡処方時の赤と緑の画像検査で度数の基準を見極める

 

――眼科や眼鏡ショップでは、どのように度数の強弱を判断しているのでしょうか?

 

石岡先生 眼科で検査を行うときに、赤と緑の二重丸を見て、「どちらがよりはっきり見えますか?」と聞かれるでしょう。

 

あれが、度数の強さを調べる検査です。

 

――そうでしたか。いつも何だろうと不思議に思っていました。

 

石岡先生 赤と緑では、網膜の上で像を結ぶ位置が違うので、それを利用した検査です。
緑がはっきり見えているのは、網膜より後ろで焦点が合っている状態で、赤がはっきり見えているのは、網膜より手前で焦点が合っている状態です。

 

近視の場合、眼鏡の度数が強過ぎると網膜より後ろで焦点が合うので、緑がはっきり見えます。

 

眼科では、赤がはっきり見える、やや弱めの度数で眼鏡を処方しています。

 

――今後、この検査を受けるときには意識をしてみます。ありがとうございました。

 

眼鏡の度数が強過ぎると、ピントを合わせるための筋肉をたくさん使うため、疲れ目の一因になるということです。日常生活では、視力は1.0あれば十分ですが、「個人差があるので、眼科やショップでの赤と緑の画像を見る検査を一つの目安として、医師や眼鏡鑑定士に相談してください」と石岡先生。

 

これは、コンタクトレンズでも同様とのこと。眼鏡やコンタクトレンズを選ぶときの参考にしてください。

http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/mynaviwomen-329626.html

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