嫌々起きている場合と自ら進んで起きている場合では、眠りに落ちるまでの時間が違うことを、筑波大と米テキサス大の柳沢正史教授のチームがマウスを使った実験で確認し、17日発表した。起きている時の行動パターンの差で「眠気」の強弱が変わることを裏付けた形で不眠症対策などに役立つという。18日付の米科学アカデミー紀要に掲載される。
実験は2グループのマウスを使い、一方はなでるなどして睡眠を邪魔し、他方は1時間ごとに巣箱を変えて新しい環境で眠気を覚ますようにし、それぞれ6時間断眠させた。その後自由にさせると、嫌々起きていたグループは2~3分で眠りに落ちたが、眠気が覚めたグループは約15分と眠るまでに長い時間を要した。睡眠時の脳波で調べると、双方とも脳が求めている睡眠量はほぼ同じだった。
さらに、チームは、睡眠の必要量と眠気には、脳内で異なるたんぱく質が関わっていることを解明。必要な睡眠をとることと眠気は別個に制御されていると結論づけた。柳沢教授は「『眠る前に運動すると眠れなくなる』などと経験的に言われていたことを、今回の実験は裏付けた。不眠症の患者の生活習慣の改善などに役立てられる」と説明した。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130618k0000m040065000c.html