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ことわざの本当の意味 正解がないが正解?

 

【赤字のお仕事】

先日テレビのクイズ番組を見ていたときに出された問題です。

ことわざの「灯台下暗し」の「灯台」とは、

(1)岬や埠頭(ふとう)などに立っている船舶の航路標識

(2)油の入った皿に火をともす昔の室内照明器具(灯明台)

どちらの意味が正しいですか、というものでした。

問題を見た瞬間、「え、わざわざクイズの問題にするぐらいだから、もしかして(2)が正解なの?」と気づかされました。

そうです。恥ずかしながら私は何十年もの間(1)の意味が正解だと勝手に思い込んでいたのでした。漢字の読みを間違って覚えてしまうことはよくありましたが、こんな有名なことわざの言葉の意味を知らなかったなんて…。

このケースはことわざの中で使われている言葉の意味をまったく知らなかったのですが、ことわざ自体の意味を思い込みで誤用だと勝手に解釈していた例を紹介します。

江戸いろはかるたの第1句にもなっている「犬も歩けば棒に当たる」。さてこのことわざの意味は、

(1)何か物事をしようとしているものが思いがけない災難に遭う=油断を戒める説

(2)何か物事をしようとしているものが思いがけない幸運に出合う=僥倖(ぎょうこう)を期待する説

さて、どちらが正解でしょうか。

産経新聞社の用字用語集「産経ハンドブック」の「誤りやすい慣用句・表記・表現」では、このことわざについて「『棒に当たる』は殴られること。偶然災難に遭う場合に用いる」と説明しています。というわけで(1)が正解です、と言いたいのですが、念のため手元にある3つの「ことわざ辞典」に当たってみました。

辞典Aでは、(2)の意味だけを採用し、注釈として「本来は(1)の意味であったが、変化して現在の意に転じた」と記しています。

辞典Bでは、(1)(2)の両方を併記し、注釈で「棒は犬にとっては好ましいものではないのだから、(1)が本来の意であろう」と説明しています。

さて、一番詳しく解説がある辞典Cは、やはり(1)(2)の両方を併記していますが、それぞれの江戸時代の文献の例をいくつか挙げ、結論として、「現代では、もともと(1)だったものが(2)に転じたとみる見解が多いが、江戸時代の用例に限ってみれば妥当とは言えない」としています。つまり(1)(2)のどちらが本来の意味かは分からないとの考えですね。

辞典Cではさらに、新説として、「(何か行動すれば)幸・不幸に関係なく、対象に遭遇する意味」という用法も紹介しています。

こうなると「産経ハンドブック」の(1)の解釈が、正解なのか自信が持てなくなります。正解がないのが正解なのでしょうか…。

新たな研究などにより、いままで定説だったものが覆ることはしばしばみられます。新しい辞典・辞書などをこまめにチェックすると新たな発見に遭遇するかもしれません。犬も歩けば棒に当たるの精神で?(に)

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130420582.html

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