福島県南相馬市から長岡市に避難している会社員、河内恵介さん(33)の妻、美里さん(33)が同市内の病院で次男を出産し、26日に退院した。避難先の長岡ロングライフセンターに戻ると、市職員や避難者らが寄せ書きなどをプレゼント、出産を祝った。
東日本大震災直後、着の身着のまま逃げ出した河内さん夫妻は、父母と長女のひまわりちゃん(2)、長男の大陽ちゃん(1)の家族6人で3月19日に、妊婦や障害者を受け入れている福祉避難所の同センターに避難した。美里さんは妊婦仲間らと励まし合って出産準備を続け、今月18日に無事、男児を出産した。
職員らを代表し、市教育委員会子育て支援部の矢沢康子部長が「避難所生活の中、お母さんはよく頑張った。新しい命の誕生を市民と、ここにいる皆さんでお祝いしたい」と祝福した。
河内さんは「生まれるまでは不安だったが、本当にホッとした。皆さまの支えに励まされ、感謝の気持ちでいっぱいです」と述べた後、赤ちゃんの名前を「大知(だいち)」と報告。「震災を乗り越えて生きていく子だから、多くの方に助けられたことを知ってほしいと名付けた」と話した。
美里さんは大知ちゃんをしっかりと抱きしめ、「優しく、人の痛みの分かる子に育ってほしい」と思いを語った。
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