住友化学が海外の農薬事業で攻勢をかけている。26日には微生物農薬の有効成分を製造する米工場の建設を発表。国内の農薬市場が成熟化する一方、海外では食糧増産の動きを背景に農薬市場の拡大が期待されており、需要の取り込みを急ぐ。
新工場は、孫会社にあたる米ベーラント・バイオサイエンス(VBC)を通じアイオワ州で来年着工。微生物殺虫剤や果実の成熟期の調整剤に使う成分を手がける。投資額は約1億5000万ドル(約123億円)で、2014年後半の生産開始を目指す。
微生物農薬は、病原菌や害虫から植物を守る微生物を生きたまま使いやすくした薬剤。世界の農薬市場で3%程度だが、食の安全・安心への要求が高まる中で、有機栽培での利用を中心に需要増が見込めるという。
VBCは米医薬品大手のアボット・ラボラトリーズから有効成分の供給を受けてきたが、14年末に契約が終わるため新工場の建設を決定。新工場では砂漠化や温暖化に対応できる新たな農薬の生産も視野に入れる。
住化は昨年2月公表の中期経営計画で、09年度に2115億円だった農業化学部門の売上高を12年度に2700億円に伸ばす方針を打ち出し、海外強化を軸に農薬ビジネスを加速させている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110426-00000006-fsi-bus_all










