[ カテゴリー:災害 ]

東日本大震災 小中学生がほぼ全員無事だった岩手・釜石市に伝わる言葉を取材しました。

東日本大震災で想定を超える大津波の実態が明らかになっていますが、岩手・釜石市では、死者、行方不明者が1,300人以上にのぼる一方、小中学生は、ほぼ全員が無事でした。
過去の津波被害の教訓をもとに伝わる言葉「津波てんでんこ」。
この言葉には、どんな意味が込められ、どのように生かされたのか、取材しました。

校舎が津波に襲われた岩手・釜石市の釜石東中学校の卒業式が3月30日、避難所の体育館で行われた。
3年の前川紘也君は「津波は一瞬で、多くのものを奪っていきました。わたしたちが郷土釜石の復興を支える一員となることを、ここに約束いたします」と述べた。
釜石市に住む児童・生徒およそ3,000人のうち、犠牲となったのは、当時学校にいなかった5人のみだった。
生徒は「とにかくもう走って逃げて」と語った。
想定外の大津波から生徒たちを救ったのは、この地方に古くから伝わる「津波てんでんこ」だった。
過去の津波被害から生まれた言葉を提唱しているのが、群馬大学大学院工学研究科の片田敏孝教授。
片田教授は「津波の時には『てんでんばらばら』で逃げろと。そうじゃないとみんな死んじゃうよということを伝えてくれた言葉なんです」と語った。
片田教授は、釜石市の防災危機管理アドバイザーを務めていて、今回の被災現場の視察・調査も行った。
片田教授は「今回、釜石の子どもたちが、犠牲者がほとんど出なかったという、大きな背景に、この防災教育がそれなりに有効に作用したということが言えると思うんです。主体的な行動をとるという、つまり自分の命に責任を持つ」と語った。
片田教授は、独自の避難マニュアルを作成し、津波体験者の講演会や、避難訓練などを通して、「自分の命を守るのは自分」ということを生徒たちに教えてきた。
釜石東中学校の村上洋子副校長は「子どもたちは、わたしが避難指示を出す前に、校舎を出ました。地震が来たら津波が来るから、逃げるっていう気持ちを子どもたちが持っていたっていうことだと思います」と語った。
揺れを感じた瞬間、およそ1km離れた高台まで一斉に避難。
誰からともなく、「逃げろ!」の声が上がったという。
生徒は、「無心でとにかく逃げる、それしかなかったです」、「日ごろから避難訓練とかちゃんと行ってたし、みんな、津波来たときは、ちゃんと冷静に判断して、行動していたから」などと語った。
釜石東中学校の隣には、鵜住居(うのすまい)小学校があり、合同での防災訓練を常日ごろ、行っていた。
「目の前にいる人は助ける」。
地震発生時、中学生に手を引かれ、小学生も一緒に避難し、校内にいた両校の子どもたちは全員助かった。
今回の釜石市の結果を受け、片田教授は「日本の防災教育、この1つの成功例かもしれません。これを全国の防災教育に広めていく必要があるというふうに思っています」と語った。
卒業した生徒たちは、やがて大人になり、親になる。
生徒は「起きたときに、すぐに行動ができるようにっていうのを、自分たちがこういうことで経験して学んだので、伝えていきたいと思います」と語った。
「津波てんでんこ」の精神は、これからも受け継がれていく。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20110404-00000601-fnn-soci

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