手足や口の中に水疱すいほうが出る手足口病の流行が続いている。国立感染症研究所(東京)が27日に発表した集計では、7月19日現在、全国で35都府県が警報レベルに達しており、大流行した2011年や13年並みの勢いだ。
感染研は「今年は重症化しにくいタイプのウイルス感染例が多いが、予防に努めて」と呼びかけている。
全国約3000の医療機関からの患者報告数を集計した調査で、第29週(7月13~19日)の1医療機関あたりの患者数が全国平均で10・16人と前週(7・39人)に比べて1・4倍に増えた。35都府県で警報レベルとされる5人を超えている。
都道府県別では、福井(23・32人)が最多で、埼玉(20・53人)、栃木(17・88人)、京都(17・81人)と続く。奈良(16・35人)や大阪(12・69人)も全国平均を上回る。福井県の報告数は過去10年で最多だ。
感染研によると、これまでに検出されたウイルスの半数超は、重症化しにくい型だという。
患者の多くは5歳以下の小児で、飛まつや排せつ物などを通じて感染が広がる。厚生労働省は手洗いの徹底などの対策を呼びかけている。
(2015年7月29日 読売新聞)
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