近年、全国の消費生活センターには、現金を用いないクレジットカードや、プリペイドカードに代表される電子マネー等、多様な決済手段に関する相談が寄せられています。現金を用いない“キャッシュレス決済”は、現金を持ち歩かずにカードやスマートフォンで買い物できる手軽さから、今後、身近な決済手段としてより多くの消費者が利用すると思われます。一方で、悪質商法に利用されたり、複雑な仕組みを理解しないまま支払ってしまったことによるトラブルや、決済手段への不安についての相談も寄せられています。
そこで、国民生活センターではキャッシュレスでの買い物に関するトラブルの問題点、課題などを洗い出すため、平成26年11月21日(金曜)から22日(土曜)にかけて、「キャッシュレスでの買い物トラブル110番」を実施し、2日間で合計67件の相談が寄せられました。その結果を報告します。なお、今後、詳細な分析を行い報告する予定です。
実施概要
実施日:平成26年11月21日(金曜)~22日(土曜)2日間
相談受付時間:10時~16時
場所:国民生活センター相談情報部(特設電話回線を設置した)
相談件数
本110番で受け付けた相談は、21日(金曜)に41件、22日(土曜)に26件、合計67件でした。
相談の傾向
寄せられた67件の相談のうち、キャッシュレスでの買い物に関する相談は45件ありました。この他にキャッシュレス決済自体に関する相談が8件ありました。以下、キャッシュレスでの買い物に関する相談(45件)につき分析を行いました。
契約当事者の属性等(不明・無回答を除く)
40歳代、50歳代の相談であわせて約半数を占めていますが、10歳代から80歳代という幅広い年代から相談が寄せられました。平均年齢は49.4歳でした。性別を見ると、女性が61.9%、男性が38.1%でした。また、19都道府県から相談が寄せられました。
相談内容(決済手段別、商品・役務別)
決済手段別では、クレジットカードやキャリア決済(注)等に関する「後払い」が33件と最も多く、次いでプリペイドカード(電子マネー)等に関する「前払い」が10件、代引きや口座振替等に関する「即時払い」が2件寄せられました。
- (注)インターネットで購入した各種代金を、携帯電話やインターネット回線利用料と合算して支払うことができる決済サービス
商品・役務別では、「運輸・通信サービス」(アダルト情報サイトやインターネット通信サービス等)が20件と最も多く、「金融・保険サービス」(電子マネー等)が5件と続きました。
主な相談事例
- 【事例1】
- インターネット通販でクレジットカード決済をしたが、商品が届かない
- 【事例2】
- SNSで知り合った女性から頼まれてプリペイドカードを購入してしまった
- 【事例3】
- インターネットオークションで落札し、キャリア決済で支払った商品が届かない
消費者へのアドバイス
- 表示や金額をしっかり確認した上で、支払い手続きを行う
- 絶対に口頭やメール等でプリペイドカード番号を相手に伝えたり、指示された番号にチャージしたりしない
- 不安に思ったりトラブルにあった場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談する
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課
- 内閣府 消費者委員会事務局
- 経済産業省 商務流通保安グループ商取引監督課
- 金融庁 監督局 総務課 金融会社室
- 一般社団法人日本クレジット協会
- 日本クレジットカード協会
- 一般社団法人日本資金決済業協会
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141224_1.html