保護者が子ども心配をするのは当たり前のこと。しかし、その気持ちが強くなるあまり、つい頭ごなしに叱ったり、短所ばかりを指摘したりすることはないだろうか。子ども自身が「勉強をがんばろう!」と気持ちを新たにする新学期。「言葉のかけ方で学力を伸ばせるかどうか変わってきます」と語る、安田教育研究所の安田理氏に、学力を伸ばす効果的な言葉のかけ方についてアドバイスをもらった。
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公立、私立を問わず、どこの学校でも「生徒の学力をどう伸ばすか」が大きな課題になっています。先日も、ある私立女子校の学力向上プロジェクトチームの先生の悩みを聞きました。「高校2年までは予備校等の外部模試の成績がけっこういい。それなのに、いざ高校3年になると、AO入試や推薦入試で進学したがり、一般入試で最後まで難関校にチャレンジし続けようという生徒が少ない」ということです。
その学校の先生たちはみなまじめで、「〇〇の部分がまだ不足しているのではないか」「ここを克服しないと××大学にはとても届かないぞ」……と、気が付いたことをストレートに指摘していることがわかりました。それが生徒を不安にさせ、実力はあるのに早く安心したいと、AO入試や推薦入試で決めたがることにつながっているようです。
一方、よく知っている学校の中に、高校2年の外部模試では他校に劣っているのに、生徒が一般入試で難関大学に積極的にチャレンジする学校があります。その学校の先生たちは、「その大学、あなたに向いているんじゃないかな」「あとひと伸びすれば受かるかもよ」「潜在的な力はあると思うから挑戦してみたら」……といったように、生徒の気持ちが前向きになるような言い方をしていました。
私も我が子のこととなると、欠点にばかりが目がいきがちでしたが、それを指摘してもあまりよい効果を生みませんでした。後者の学校の先生のように、明るく前向きで、大らかな保護者のほうが受験はうまくいくように感じます。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/benesse-12948.html