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新潟の可能性を追求 泉田知事、新春インタビュー

新しい年が幕を開けた。昨年は東京電力柏崎刈羽原子力発電所に絡み、全国から注目を集めた泉田裕彦知事。就任10周年を迎える今年、新潟県をどう牽引していくのか、県の課題は何か。新年に語ってもらった。(慶田久幸)

■不確実な年に

--今年は県にとってどんな年になりますか

泉田知事「不確実な年なんです。経済では、薄明かりが見えるかもしれない中、4月に消費増税が予定されている。今は駆け込み需要があるが、反動減があり、久しぶりのデフレ脱却のチャンスが消えることも否定できない。財政当局に引っ張られて財政再建を目指すあまり、角をためて(牛を殺して)しまうことになりかねない。ただ、上越・佐渡沖にメタンハイドレートが確認された。これを新潟の地域社会にどう生かすか、大いなる可能性を感じてもらえる。未来は与えられるものでなく、変えていける、政策で変わり得る。可能性を着実に追いかけていきたい」

--2020年の東京五輪も決まりました

「メダリスト輩出を目指して、選手や指導者が地域社会で生活していける仕組みを行政と企業と力を合わせてつくりたい。スポーツをやって生計を立てられれば、地域がアスリート養成機能という財産を持ち新潟の魅力が増える。こうした持続可能で多くの人に魅力を感じてもらえるような地域社会づくりを進めたい」

■子育ては未来への投資

--人口減少社会への対応も必要です

「昨年、人口問題対策会議に県庁外の人を入れて、会議を公開したことで、多くの人に問題を知ってもらえました。1人が一生に払う税金は4300万円。県が子供1人当たり1千万円単位で教育・子育てに投下すべきです。財源を国債でまかなっても、税収を増やしてくれる未来への投資です。子育ての負担感をなくして、夫婦で3人子供を産んでくれれば、高齢社会、年金問題もなくなる。住みやすい古里は永続するという自信を持てるためには、そんな子育て・教育制度を社会につくっていきたい。新しい年は、エッジの効いた政策を県のモデル事業として打ち出したいですね」

--農業や医師不足は

「食料危機は必ず来ます。それなのに、耕作放棄地を増やすのは国家の愚策です。農業が若者にも魅力ある産業として自立しなくてはいけません。大規模化だけでなく、中山間地域でもやっていけるよう国家としての補償措置が必要だと思います。県の所得補償モデル事業が機能すると分かっているので、この方向性で大規模でも小規模でもできる制度を整えたい」

「医師不足も問題ですが、知事には権限がない。今の状況で医師不足、地域間格差をどう是正していくのか大変悩ましい。一つのモデルが魚沼基幹病院です。県都からは距離があるが、東京からは一番近いので、県外から医師に来てもらう、というモデルプロジェクトが進行します。いい医者が集まれば近郊にもお手伝いしてもらう。魅力的な病院にして医師確保の第一歩にしたい」

≪北陸新幹線延伸開通 関西圏との交流拡大を≫

■避難者の生活再建を

--東日本大震災からの県内被災者、避難者への対応は

「避難から相当時間がたっている。多くの人が遠距離避難を強いられたのは原発事故です。事故後、被災者が生活再建できない現実を見せつけられた。東電の賠償金や国の制度は十分なのかを確認し、生活再建の環境を整えていくべきです。原発事故に遭ったら、何も悪いことをしていない人が、暮らしを回復できなくなる。そんな状況で柏崎刈羽原発の議論をしても結論は決まってますよね。政府の対応は不十分で、特に仕事の手当てがなおざりで、選択肢を用意すべきです。チェルノブイリ原発事故では、旧ソ連政府が住居と仕事を保証しました。避難者が生活再建できるかが、今年の大きな課題でしょう」

「福島県では、線引きが恣意的(しいてき)にされていて、年間積算放射線量が5~20ミリシーベルトに入る地域の人は悲劇です。(注・年間積算放射線量20ミリシーベルト以下の地域は「避難指示解除準備区域」として復旧に向けた環境準備を進めるとしている)父親だけ残って、子供と母親は避難して、心が離れて家族関係がおかしくなっているケースもある。ぜひ書いてもらいたいが、年間放射線量5ミリシーベルト以上は一般には放射線管理区域で18歳未満は就労禁止なのに、なぜ帰れる可能性があるのか。福島県民だけはそこで子育てしていいのでしょうか。真っ正面から向き合うべきです」

≪メタンハイドレート エネルギー産出都市に≫

■10年後は「ドバイ」

--来年には北陸新幹線が金沢まで開通します

「関西圏との交流拡大が重要です。九州新幹線ができて関西から大量の観光客が訪れた。もともと北陸は関西の奥座敷です。北陸新幹線に乗ろうとしたら金沢から先に行かないと乗れない。地元はリゾート列車も計画しています。デスティネーションキャンペーンもやります。千年の都と新潟は昔から相性がいいのではないでしょうか。高度経済成長期は関西にも多くの人が出て行きましたし」

--10年後のエネルギーの在り方は

「上越沖に発見されたメタンハイドレート採掘に政府も10年ぐらいでめどを付けたがっています。純国産エネルギーですから、10年後の新潟はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイです。ドバイはオイルダラーで人と情報を集め、金融都市に変貌している。新潟も情報とエネルギー産出の都となるという計画に向かって始動する段階になるのではないでしょうか」

--好きな言葉は

「J・F・ケネディ(35代米大統領)の『あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい』が好きです」

--今年の知事の個人的な出来事は

「ないですね。あ、結婚25周年か」

--銀婚式ですね

「忘れていました(笑)。節目の年ですね」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140101-00000018-san-l15

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