厚生労働省は27日、インフルエンザが全国で本格的な流行期に入ったと発表した。国立感染症研究所(感染研)が全国約5千カ所の医療機関からの16~22日の報告をまとめたところ、1カ所当たりの患者数が流行の目安である1人を上回る1・39人となった。流行入りの時期は平年並みで、ピークは来年1月下旬から2月初めごろとみられる。
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感染研によると、感染者の報告が多かったのは、山口県▽鹿児島県▽高知県▽大分県▽佐賀県-などで、44都道府県で前の週より患者が増加した。患者から検出されたウイルスの型は「A香港型」の割合がもっとも高く、次いで「B型」が多かった。
流行による休校や学級閉鎖も増加し、16~22日には全国の小中高校、保育所、幼稚園のうち2校が休校となり、学級閉鎖は81校と学年閉鎖も30校であった。年末年始は医療機関や学校が休みとなるため患者数が減る傾向にあるが、年明けには再び増えるとみられる。
インフルエンザは、患者のせきやくしゃみなどで放出されたウイルスを吸い込むことで感染。38度以上の高熱に加え、関節や筋肉の痛みなど全身に症状が表れ、子供や高齢者は重症化しやすい。急性脳症や肺炎などを発症することもある。
予防には、ワクチンが有効だが、接種から効果が出るまでに約2週間かかる。また、発症から48時間以内にタミフルなどの治療薬を服用すると、発熱の期間が短縮されるといわれる。
気象庁によると、今冬は関東以西で平年より寒くなる可能性が高いと予想されている。感染症に詳しい自治医大付属病院の森澤雄司感染制御部長は「寒さとインフルエンザの流行に直接的な関連はないが、空気が乾燥すると、のど粘膜の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなる」と指摘。加湿器などで湿度を50~60%に保つのが有効だが、「まめに清掃しないと、かえって加湿器からウイルスやカビが飛散する可能性もある」と注意を呼びかける。
厚労省は、せきなどが出たら感染拡大を防止するためマスクを着用することや、予防のため外出先から戻ったら手洗いやうがいをするなどの対策を推奨している。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20131228098.html