「審査を進めるとは言っていない。東電が(福島第1原発の)現状をどう改善するか、実績を見ながら考えていきたい」
原子力規制委員会の田中俊一委員長と東京電力の広瀬直己社長の面談後、同席した池田克彦・原子力規制庁長官は報道陣にこう説明し、柏崎刈羽の安全審査を当面凍結する方針を示した。
東電は9月27日に柏崎刈羽の再稼働に向けた安全審査を申請。これを受けて金融機関は、10月末に返済期限を迎える約770億円の融資について借り換えに応じる意向を伝えた。
ただ、12月にはさらに2000億円の借り換えと、3000億円の追加融資が予定されており、金融機関は条件として「平成26年度以降の収益改善」を求めている。
東電は、政府と昨年まとめた総合特別事業計画(再建計画)で、柏崎刈羽の今年4月からの順次稼働を盛り込んでいたため、計画の見直しを進めている。11月中に新再建計画を策定し、26年度前半の再稼働を明記する心づもりだった。
だが、柏崎刈羽の再稼働のメドが立たなくなれば、銀行融資の継続に向けて、収支改善のための電気料金の再値上げが一気に現実味を帯びてくる。
新再建計画を銀行に提示するまでの猶予は約1カ月。計画の収支改善策として、柏崎刈羽の再稼働と再値上げのどちらを盛り込むのか。東電は、厳しい選択を迫られることになった。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/industry/snk20131028569.html










