総務省が2013年6月から7月にかけて、全国の高校1年生約3,500人を対象に、インターネット上の危険・脅威へのリスク対応能力のテストと実態調査を行った。調査結果によれば、「スマートフォン」(スマホ)だけを使う子どもは、ネット上の安全対策の意識が低いほか、ネット依存にもなりやすい傾向が明らかになったという。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。
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調査では、高校生のスマホ保有率が84%となっています。前年の調査で保有率は59%でしたから、急速にスマホが普及したことがうかがえます。ネットに接続する手段を見ると、スマホが84%(前年度59%)、携帯電話が17%(同39%)、ノートパソコンが44%(同49%)などで、もはや高校生にとってスマホはネット接続の主役のようです。
ネットのリスク対応能力テストの平均正答率を見ると、主にパソコンを使っている生徒の正答率は73%、携帯電話を主に使っている者は69%、主にスマホを使っている者は68%、さらにスマホのみを使っている者は64%で、パソコンや携帯電話を使っている者よりもスマホを使っている者のほうが、平均正答率が低いことが明らかになりました。これは、パソコンや携帯電話を使っている者に比べて、スマホを使っている者のほうが、ネット上の危険性に対処する能力や知識が低いということを意味します。
また、総務省は2013年2月、小学4年生から25歳までの約2,600人を対象に、「ネット依存」の傾向を調べています。それによると、ネット依存の傾向が中~高レベルの者の割合は、スマホを持っていない者が38.2%だったのに対して、スマホ所有者は50.5%と半数を超えていました。年代別では高校生が最もネット依存の傾向が高くなっています。
スマホの急激な普及に対して、高校生などを中心とした使用者の意識が追いつかないのが実情のようです。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/education/benesse-9842.html